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登録支援機関とは?特定技能制度での支援内容や申請要件・委託費用

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  • 22 時間前
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登録支援機関とは?特定技能制度での支援内容や申請要件・委託費用

日本の労働力不足は深刻な問題となっており、その解決策の1つとして外国人材の活用に注目が集まっています。特に2019年4月に導入された「特定技能」の在留資格は、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための新しい制度であり、多くの企業が関心を寄せています。


この特定技能制度を円滑に運用し、特定技能外国人材が日本で安心して働いたり生活したりできるようにサポートするのが「登録支援機関」です。


この記事では、登録支援機関の概要や役割、支援内容、選び方、そして登録申請の要件まで解説していきます。特定技能外国人の受け入れを検討している企業担当者の方は、ぜひご一読ください。

目次

  1. 登録支援機関とは?概要と役割を解説

  2. 登録支援機関が特定技能外国人に対して行う支援内容

  3. 受入企業の登録支援機関への委託は必須?任意?

  4. 企業が登録支援機関に支援を委託する3つのメリット

  5. 登録支援機関の選び方4選

  6. 登録支援機関へ登録申請する際の要件・必要書類

  7. まとめ:特定技能外国人を初めて雇用するなら登録支援機関のサポートが欠かせない


  1. 登録支援機関とは?概要と役割を解説

登録支援機関とは?概要と役割を解説

はじめに、登録支援機関の概要と役割について解説していきます。


登録支援機関の要件・概要

登録支援機関とは、特定技能所属機関(特定技能外国人を受け入れる企業・個人事業主等)からの委託を受け、特定技能1号外国人が日本で安定的かつ円滑に活動を行うための支援計画を作成し、その計画に基づいた支援を実施する機関です。この業務を行うためには、出入国在留管理庁長官の登録を受けなければいけません。


登録支援機関には、企業、協同組合、公益法人、行政書士、社会保険労務士、民間職業紹介事業者、個人事業主など、さまざまな主体がなることができます。ただし、自社で特定技能外国人を受け入れる企業が、自社の外国人社員の支援のみを行う場合は、登録支援機関としての登録は不要です(ただし、一定の基準を満たす必要があります)。


登録支援機関の2つの義務

登録支援機関には、法律上、主に以下の2つの義務が課せられています。


  1. 特定技能外国人に対する適切な支援の実施義務

登録支援機関は、委託を受けた特定技能所属機関に代わって、特定技能外国人に対する多岐にわたる支援(後述)を適切に実施する義務を負います。


  1. 出入国在留管理庁への各種届出義務

登録支援機関は、支援業務の状況に関して、定期的にまたは随時、出入国在留管理庁に対して各種の届出を行う義務があります。


これらの義務を怠った場合、登録の取り消しや改善命令などの行政処分を受ける可能性があります。そのため、登録支援機関は法令を遵守し、誠実に支援業務に取り組むことが求められます。



特定技能制度における登録支援機関の役割

特定技能制度では、外国人材が安心して日本で活動できるよう、受入れ機関(特定技能所属機関)に対して、外国人材への支援を行うことを義務付けています。しかし、全ての受入れ機関が、自社だけで十分な支援体制を構築できるわけではありません。特に中小企業にとっては、専門知識を持つ人材の確保や多言語対応などが大きな負担となる場合があります。


そこで重要な役割を果たすのが、「登録支援機関」です。登録支援機関は、受入れ機関からの委託を受けて、専門的な知識やノウハウを活かし、特定技能外国人に対するきめ細やかな支援を行います。


登録支援機関は、特定技能外国人が日本社会に円滑に適応し、その能力を最大限に発揮できるよう支援することで、特定技能制度の円滑な運用と外国人材の活躍を支える、いわば「縁の下の力持ち」のような存在と言えるでしょう。


特定技能制度とは?

特定技能制度は、2019年4月に施行された改正出入国管理法に基づき創設された、新たな外国人材の受入れ制度です。深刻な人手不足の状況にあると認められた16分野(介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業)において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れることを目的としています。


特定技能制度について詳しくは、以下の記事をご覧ください。



  1. 登録支援機関が特定技能外国人に対して行う支援内容

登録支援機関が特定技能外国人に対して行う支援内容

登録支援機関が特定技能外国人に対して行う支援は、出入国管理および難民認定法施行規則で定められた「1号特定技能外国人支援計画」に基づき実施されます。支援内容は多岐にわたり、外国人が日本での生活や仕事にスムーズに適応できるよう、きめ細やかなサポートが不可欠です。


支援には、必ず実施しなければならない「義務的支援」と、任意で実施できる「任意的支援」があります。


ここからは、主な支援内容を10項目について、それぞれ義務的支援と任意的支援の具体例を見ていきましょう。


①事前ガイダンス実施

特定技能外国人が来日する前に、日本での生活や労働に関する基本的な情報を提供します。これにより、来日後の不安を軽減し、日本での就労をスタートできるよう支援します。


義務的支援の内容

  • 労働条件:賃金、労働時間、休日、休暇、社会保険・労働保険の加入状況など、雇用契約に関する詳細な説明

  • 活動内容:従事する業務の具体的な内容、範囲、責任など

  • 入国にあたっての手続き:在留資格認定証明書の交付申請、査証申請、入国時の手続きなど

  • 保証金の徴収等の禁止:保証金や違約金を定める契約の締結は禁止されていることの説明

  • 支援の内容:受入れ機関または登録支援機関が提供する支援の具体的な内容

  • 相談・苦情の窓口:労働条件や生活に関する相談先、苦情を申し出る際の連絡先(電話番号、メールアドレスなど)

  • 母国で支払った費用:来日に際して母国の送り出し機関等に支払った費用がある場合、その有無や金額、内訳の確認

  • 違法な活動への従事の禁止:資格外活動や不法就労など、法律に違反する行為を行ってはならないことの説明


これらの情報は、外国人が十分に理解できる言語(母国語など)で、書面または電磁的方法(メールなど)により提供する必要があります。対面またはオンラインでの説明も推奨されています。


任意的支援の内容

  • 日本の気候や季節ごとの服装、持ち物に関するアドバイス。

  • 日本の文化や生活習慣、マナーに関する基本的な情報提供。

  • 勤務地や居住予定地の地域情報(交通機関、スーパー、病院など)。

  • 日本での生活費の目安や送金方法に関する情報提供。

  • 日本で使用できるSIMカードやWi-Fi環境に関する情報。


②出入国時の送迎

慣れない土地での移動は、外国人にとって不安要素です。外国人労働者のスムーズな移動をサポートすることは、安心感を与える上で欠かせません。


義務的支援の内容

  • 入国時:特定技能外国人が日本の空港(または港)に到着した際、出迎えを行い、事業所または住居まで送迎する。公共交通機関を利用する場合は、同行して乗り換え案内等を行う。

  • 出国時:特定技能外国人が日本から出国する際、空港(または港)まで送迎し、保安検査場の前まで同行して見送る。搭乗手続きや出国手続きのサポートも含まれます。


単に送迎するだけでなく、移動中のコミュニケーションを通じて、外国人の不安を取り除く配慮も求められます。


③住宅確保や生活に必要な契約をサポート

安定した生活を送るためには、住居の確保とライフラインの契約が欠かせません。登録支援機関は、これらの手続きを円滑に進められるようサポートする必要があります。


義務的支援の内容


住居の確保に係る支援:

  • 連帯保証人になる、または受入れ機関が確保した社宅等を提供する。

  • 賃貸物件を探す際の不動産仲介業者への情報提供や、必要に応じて同行する。

  • 賃貸借契約締結時のサポート(契約内容の説明、手続きの補助など)。


生活に必要な契約に係る支援:

  • 銀行口座の開設手続きへの同行、必要書類の準備補助。

  • 携帯電話の契約やSIMカード購入のサポート、手続きへの同行。

  • 電気・ガス・水道などのライフラインの契約手続きの補助。


これらの契約手続きは、日本語に不慣れな外国人にとって複雑です。丁寧な説明とサポートが求められます。


任意的支援の内容

  • 家具や家電製品(冷蔵庫、洗濯機、寝具など)の購入またはレンタルの手配支援。

  • インターネット回線の契約手続きの補助。

  • 自転車の購入や登録手続きの支援。

  • 引越し作業の手伝いや、引越し業者の手配支援。

  • 日本のゴミ出しルールの説明や、分別方法の指導。


④生活オリエンテーション実施

日本で生活していく上で必要な知識や情報を、外国人本人が十分に理解できる言語で提供します。これにより、生活上のトラブルを未然に防ぎ、円滑な社会生活を支援します。


義務的支援の内容

生活オリエンテーションでは、以下の事項について、外国人が十分に理解できる言語で、8時間以上実施することが求められています。


  • 日本のルール・マナー:交通ルール(自転車の乗り方を含む)、ゴミの分別方法、騒音問題、公共の場でのマナーなど。

  • 公共機関の利用方法:役所、銀行、郵便局、病院などの利用方法、手続きについて。

  • 医療機関に関する情報:病気やけがをした際の医療機関の受診方法、健康保険制度について。

  • 交通安全に関する情報:日本の交通ルール、自転車の安全な乗り方、事故に遭った場合の対処法など。

  • 災害時の対応:地震、台風などの自然災害発生時の避難場所、連絡方法、情報収集方法など。

  • 出入国管理および労働関係法令に関する知識:在留資格の範囲、労働基準法、労働安全衛生法などの基本的な内容。

  • 相談・苦情の申出先:職場や生活上の悩み、トラブルについて相談できる窓口(登録支援機関の担当者、専門機関など)の連絡先や利用方法。

  • 人権侵害や差別を受けた場合の対応:相談窓口の案内、法的保護に関する情報提供。


なお、登録支援機関ではこれらの情報をまとめた生活ガイドブックなどを配布し、必要に応じて個別相談にも対応します。


⑤公的手続き等への同行

日本で生活する上で必要となるさまざまな行政手続きについて、外国人が1人で対応するのは困難な場合があります。登録支援機関は、これらの手続きに同行し、書類作成などを補助します。


義務的支援の内容

  • 市区町村役場での手続き:住民登録(転入届)、マイナンバーカードの申請などへの同行、書類作成の補助。

  • 税務署での手続き:納税に関する手続き(必要な場合)への同行、書類作成の補助。

  • 社会保険事務所での手続き:健康保険、厚生年金保険などの加入手続き(必要な場合)への同行、書類作成の補助。

  • ハローワークでの手続き:失業保険の手続き(必要な場合)への同行、書類作成の補助。

  • その他必要な公的手続き:運転免許証の取得・更新手続き(必要な場合)などへの同行、書類作成の補助。


これらの手続きは、外国人が十分に理解できる言語で説明し、安心して手続きを行えるようサポートします。


⑥日本語を学習する機会の提供

日本での生活や仕事を円滑に進めるためには、日本語能力の向上が不可欠です。登録支援機関は、外国人が日本語を学習するための機会を提供します。


義務的支援の内容

  • 日本語教室に関する情報の提供:地域の日本語教室やボランティア団体が実施する日本語学習プログラムの案内、入学手続きの補助。

  • オンライン日本語学習教材に関する情報の提供:インターネット上で利用できる日本語学習サイトやアプリの情報提供。

  • 日本語学習教材に関する情報の提供:書籍や参考書、問題集などの情報提供。

  • 日本語能力試験(JLPTなど)に関する情報の提供:試験日程、申込方法などの情報提供。


これらの情報提供に加え、本人の希望やレベルに応じた学習方法についてアドバイスを行うことも重要です。


任意的支援の内容

  • 日本語学習教材の無償提供または購入費用の補助。

  • 登録支援機関が独自に日本語学習の機会(例:社内日本語教室の開催、外部講師の派遣など)を設定・提供する。

  • 日本語学習のための時間の確保について、受入れ機関と協議し、協力体制を構築する。

  • 日本語学習の進捗状況を定期的に確認し、学習意欲を維持するためのサポートを行う。

  • 日本語能力試験の受験料を補助する。


⑦相談・苦情の対応

職場や生活上の悩み、困りごと、不満などを抱えた際に、外国人が気軽に相談できる体制を整えることも重要です。


義務的支援の内容


相談・苦情を受け付ける体制の整備:

  • 外国人が十分に理解できる言語(母国語など)で相談できる担当者を配置する。

  • 面談、電話、メール、SNSなど、複数の相談手段を用意する。

  • 相談しやすい時間帯や場所を設定する(例:就業時間外やプライバシーが確保できる場所)。


相談・苦情への対応:

  • 受け付けた相談・苦情の内容を正確に把握し、記録する。

  • 相談内容に応じて、適切な助言や指導を行う。

  • 必要に応じて、関係行政機関(労働基準監督署、ハローワーク、人権擁護機関など)の窓口を案内し、同行するなどの支援を行う。

  • 相談者や通報者のプライバシーを保護し、不利益な取り扱いをしないことを徹底する。


相談・苦情の内容は、労働条件、人間関係、生活環境、差別的待遇など多岐にわたる可能性があります。真摯に対応し、問題解決に向けてサポートすることが求められます。


任意的支援の内容

  • 定期的なアンケートを実施し、潜在的な悩みや不満を早期に発見する。

  • 専門家(弁護士、カウンセラーなど)への相談が必要な場合に、その手配や費用の一部を補助する。

  • メンタルヘルスケアに関する情報提供や、必要に応じて専門機関への橋渡しを行う。

  • トラブル解決後のフォローアップを行い、再発防止に努める。


⑧日本人との交流を促進

外国人が日本社会に溶け込み、孤立感を抱かずに生活するためには、地域住民や職場の日本人との交流が必要です。


義務的支援の内容


地域住民との交流の機会の提供:

  • 地域の祭りやイベント、スポーツ大会、文化交流会などの情報を案内し、参加を希望する場合は手続きを補助する。

  • 自治会や町内会への加入を案内し、地域活動への参加を促す。


日本の文化を理解するための機会の提供:

  • 地域の文化施設(博物館、美術館など)や史跡への訪問機会

  • 日本の伝統文化(茶道、華道、書道など)を体験できる機会


これらの活動を通じて、外国人が地域社会の一員として受け入れられていると感じられるように支援します。


任意的支援の内容

  • 社内での交流イベント(歓迎会、懇親会、レクリエーションなど)を企画・実施する。

  • ボランティア活動への参加を奨励し、その機会を提供する。

  • 日本人従業員に対して、異文化理解を深めるための研修や情報提供を行う。

  • 外国人の母国の文化を紹介するイベントを企画し、相互理解を促進する。

  • 地域の国際交流協会などと連携し、交流の機会を増やす。


⑨転職支援

特定技能外国人が、受入れ機関側の都合(倒産、解雇など)により雇用契約を解除された場合、または本人の責に帰すべき事由によらない理由で転職を希望する場合、登録支援機関は転職に向けた支援を行います。


義務的支援の内容

  • ハローワークや民間の職業紹介事業者、業界団体などを通じて、新たな受入れ先の情報提供。

  • 勤務状況や能力に関する推薦状を作成。

  • 履歴書や職務経歴書の書き方、面接の受け方など、求職活動に必要な知識の提供。

  • 公的職業安定機関等へ当該外国人の情報(希望職種、技能レベルなど)を提供。

  • その他転職活動に必要な支援。


ただし、自己都合による転職の場合や、本人の責に帰すべき事由による解雇の場合は、必ずしもこの支援の対象となるわけではありません。支援の範囲については、個別の状況に応じて判断されます。


⑩定期面談・行政機関への通報

特定技能外国人が日本で適正に就労し、安心して生活できているかを確認するために、定期的な面談を実施しなければいけません。また、法令違反等の問題を発見した場合には、速やかに関係行政機関に通報する義務が生じます。


義務的支援の内容


定期的な面談の実施:

  • 特定技能外国人と、その監督をする立場にある者(直属の上司など)それぞれと、3ヶ月に1回以上の頻度で面談を実施する。

  • 面談は、外国人が十分に理解できる言語で行う。

  • 面談内容は、労働時間、賃金、業務内容、健康状態、生活状況、人間関係、悩みや不満など多岐にわたる。

  • 面談の結果は記録し、支援計画の実施状況に関する報告書を作成して、出入国在留管理庁に提出する。


行政機関への通報:

  • 面談や日常の支援活動を通じて、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、出入国管理法などの法令に違反する事実や、人権侵害、不当な差別などの事実を把握した場合は、速やかに労働基準監督署や出入国在留管理庁などの関係行政機関に通報する。

  • 通報したことを理由に、特定技能外国人や通報者が不利益な取扱いを受けないように配慮する。


任意的支援の内容

  • 面談の頻度を増やす(例:月に1回など)。

  • 面談内容をより詳細に記録し、個別の課題に応じたきめ細かいフォローアップを行う。

  • キャリアアップに関する相談にも応じ、必要な情報提供やアドバイスを行う。

  • ストレスチェックなどを導入し、メンタルヘルスの不調を早期に発見し対応する。


受入企業に対する手続き支援

登録支援機関は、上記の外国人本人に対する支援に加えて、特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)に対しても、煩雑な手続きのサポートを行います。これは、支援計画の一部として、または別途契約により提供される場合があります。


在留資格申請支援

  • 特定技能外国人の在留資格認定証明書の交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請など、入国管理局への各種申請書類の作成補助や、申請取次(行政書士など資格を持つ者が行う場合)。

  • 申請に必要な添付書類の収集に関するアドバイスやサポート。


支援計画書作成支援

  • 1号特定技能外国人支援計画書の作成に関する助言や、具体的な内容の立案サポート。

  • 支援計画の変更届出に関する書類作成の補助。




  1. 受入企業の登録支援機関への委託は必須?任意?

受入企業の登録支援機関への委託は必須?任意?

特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、外国人に対する支援を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを選択できます。しかし、状況によっては登録支援機関への委託が実質的に必須となるケースもあります。


ここからは、「登録支援機関への委託が必須なケース」と「登録支援機関への委託を任意で選べるケース」について、それぞれの条件などを詳しく見ていきましょう。


登録支援機関への委託が必須なケース

法律上、受入れ機関が自ら支援を行う体制がないと判断される場合、または過去に問題があった場合には、登録支援機関への全部委託が求められることがあります。


具体的には以下のようなケースが考えられます。


自社で支援体制を構築できない場合

  • 外国人が十分に理解できる言語で支援できる担当者がいない。

  • 支援責任者や支援担当者を選任できない。

  • 過去5年以内に中長期在留者の受入れ実績がない。

  • 支援計画を適切に実施する能力がないと判断される客観的な事情がある(例:過去の法令違反など)。


過去に外国人材の受入れに関して不適切な行為があった場合

  • 過去5年以内に、出入国または労働に関する法令に関し不正または著しく不当な行為を行った。

  • 過去1年以内に、特定技能外国人または技能実習生が、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明になっている。

  • 受入れ機関が、支援費用を直接または間接に外国人に負担させている。

  • 刑罰法令違反による罰則を受けたことがある。

  • これらの基準に該当する場合、自社での支援は認められず、全ての支援業務を登録支援機関に委託しなければなりません。


これらの基準は、特定技能外国人の保護と制度の適正な運用を確保するために設けられています。


登録支援機関への委託を任意で選べるケース

上記の必須ケースに該当しない場合、受入れ企業は支援業務を自社で行う(内製化する)か、一部または全部を登録支援機関に委託するかを任意で選択できます。


自社で支援を行う場合、受入れ企業は出入国在留管理庁が定める基準(支援責任者・支援担当者の選任、中立性の確保、過去の不正行為がないことなど)を満たす必要があります。これらの基準を満たし、かつ10項目の支援業務を適切に実施できる体制が整っていれば、内製化も可能です。


しかし、実際に全ての支援業務を自社で実施するには、いくつかの課題が伴います。

企業が特定技能外国人への支援を内製化するための課題とは?

特定技能外国人への支援を自社で内製化しようとする場合、以下のような課題に直面する可能性があります。

  1. 専門知識の習得・維持:関連法規は複雑で改正も多く、常に最新知識を維持し専門担当者を育成するには負担が伴います。

  2. 多言語対応人材の確保:外国人との円滑な意思疎通のため、母国語等に対応できる人材の確保や育成は時間と費用がかかります。

  3. 支援担当者の負担と専門性:多岐にわたる支援業務は担当者の負担を増やし、異文化理解や問題対応の専門性も不可欠です。

  4. 情報収集・体制維持コスト:制度変更への追随や最新情報の収集、支援体制の維持には継続的なコストと労力が必要です。

  5. 緊急時の対応:病気や事故など不測の事態に迅速・適切に対応できる体制(24時間窓口等)の構築も課題となり得ます。


これらの課題をクリアできる体制が社内に整っているのであれば、雇用する外国人労働者への支援を内製化するのも1つの選択肢です。しかし、多くの企業にとっては、専門的なノウハウを持つ登録支援機関に委託する方が、効率的かつ確実に支援を実施できる場合が多いと言えるでしょう。


なお、外国人・グローバル人材採用の「Connect Job」を運営するフォースバレー・コンシェルジュ株式会社は、登録支援機関としての認可を得ています。そのため、「Connect Job」では採用だけでなく、登録支援業務のサポートも可能です。


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  1. 企業が登録支援機関に支援を委託する3つのメリット

特定技能外国人を受け入れる企業が、登録支援機関に支援業務を委託することには、多くのメリットがあります。


ここでは、主な3つのメリットについて解説します。


特定技能外国人を受け入れる企業の負担を軽減できる

外国人材を受け入れる際には、在留資格の申請手続き、住居の確保、生活インフラの契約、各種行政手続き、そして日々の生活サポートなどの業務が生じます。


登録支援機関に支援業務を委託することで、これらの煩雑な手続きやサポート業務の多くを専門家チームに任せることが可能です。これにより、受入れ企業は自社のコア業務にリソースを集中的に投入でき、全体的な業務効率の向上が期待できるでしょう。特に、初めて外国人材を受け入れる企業や、リソースが限られている中小企業にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。


受入企業が外国人に業務を教えることに専念できる

受入れ企業にとって最も重要なのは、外国人が早期に戦力となり、持てる能力を最大限に発揮できるよう、業務に関する指導や教育を丁寧に行うことと言えるでしょう。


登録支援機関に生活面や手続き面のサポートを委託することで、受入れ企業の担当者は、外国人に対するOJT(On-the-JobTraining)や業務指導、安全衛生教育といった、本来注力すべき業務により専念しやすくなります。これが、外国人の早期のスキルアップと定着、ひいては生産性の向上に繋がると期待されます。


登録支援機関のノウハウでトラブルを防ぎやすい

異なる文化や習慣を持つ外国人材を受け入れる際には、言語の壁や価値観の違いから、予期せぬ誤解やコミュニケーション不足によるトラブルが発生する可能性があります。


登録支援機関は、外国人支援に関する専門的な知識や豊富な経験を有しており、多言語対応が可能なスタッフが在籍している場合が多いです。そのため、外国人との円滑なコミュニケーションを促進し、文化的な背景を理解した上で適切なアドバイスを行うことで、さまざまなトラブルを未然に防ぎやすくなるでしょう。


  1. 登録支援機関の選び方4選

特定技能外国人の円滑な受入れと活躍を実現するためには、信頼できる登録支援機関を選ぶことが非常に重要です。しかし、数多くの登録支援機関の中から、自社に最適なパートナーを見つけるのは容易ではありません。


ここでは、登録支援機関を選ぶ際に特に重視すべき4つのポイントを解説していきます。


①特定技能外国人の母国語に対応できるか

登録支援機関を選ぶ際には、受け入れる予定の外国人の母国語に対応できるスタッフが在籍しているか、または通訳体制が整っているかを確認することが重要です。


また、対応可能な言語の種類や、通訳の質(専門用語への対応力など)についても、事前に確認しておくと良いでしょう。単に「対応可能」というだけでなく、実際にどのようにコミュニケーションをサポートしてくれるのか、具体的な事例などを聞いてみるのも有効です。


②しっかりとした支援サービスを提供しているか

登録支援機関が行う支援は、法律で定められた義務的支援だけでなく、任意的支援の内容や質も重要です。義務的支援が網羅されていることはもちろんですが、それに加えて、外国人や受入れ企業のニーズに応じた柔軟できめ細やかな任意的支援を提供しているかを確認しましょう。


また、できるだけ複数の登録支援機関から提案を受け、サービス内容を比較検討することをおすすめします。


③委託費用が適正かどうか

登録支援機関への委託費用は、提供されるサービス内容や支援の範囲、外国人の人数などによって大きく異なります。費用だけで判断するのは避けるべきですが、提供されるサービス内容と照らし合わせて、費用が適正であるかを見極めることは重要です。


特に月額費用、初期費用、オプション費用など、料金体系が明確に提示されているか。何が含まれていて、何が別途費用となるのかを詳細に確認するようにしましょう。また、どのような支援に対していくらかかるのか、費用の内訳を具体的に説明してもらえるかなども、登録支援機関を選ぶ上で大切なポイントになります。


コストパフォーマンスを考慮し、自社の予算とニーズに合った登録支援機関を選びましょう。


④特定技能外国人を支援した実績があるか

特定技能制度は比較的新しい制度であるため、登録支援機関の中には、まだ特定技能外国人の支援実績が少ないところもあるかもしれません。可能であれば、特定技能制度における支援実績が豊富で、ノウハウを蓄積している登録支援機関を選ぶ方が安心です。


上記①~④で挙げたポイントを総合的に比較検討し、自社の状況や受け入れる外国人の特性に最も適した登録支援機関を選び出すことが、特定技能制度活用の成功につながります。


  1. 登録支援機関へ登録申請する際の要件・必要書類

特定技能外国人への支援業務を行いたい企業や個人事業主は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることで「登録支援機関」になれます。ここでは、登録申請を行う際の主な要件と必要書類について解説します。


要件

  1. 支援責任者および1名以上の支援担当者を選任していること

  2. 支援業務を的確に遂行するための体制が整備されていること

    • 外国人が十分に理解できる言語で情報提供や相談対応ができる体制があること。

    • 支援内容や外国人の個人情報の適切な管理体制があること。

    • 支援の公正性・中立性を確保できる体制であること。

  3. 過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為を行っていないこと

  4. 支援費用を直接又は間接に外国人に負担させないこと

  5. 刑罰法令違反による罰則を受けていないこと(役員等を含む)

  6. 特定技能所属機関になろうとする者、又は既になっている者ではないこと

    原則として、自社で特定技能外国人を受け入れる企業は、他社の特定技能外国人の支援を行う登録支援機関にはなれません。ただし、自社で受け入れる特定技能外国人に係る支援業務のみを行う場合は、この限りではありません(この場合、登録支援機関としての登録は不要ですが、一定の基準を満たす必要があります)。

  7. その他、支援業務を適正に実施できると認められること。


これらの要件は、登録支援機関が質の高い支援を提供し、特定技能制度の信頼性を確保するために設けられています。



必要書類

登録支援機関の登録申請には、多岐にわたる書類の提出が必要です。主な必要書類は以下の通りです。


【主な必要書類】

  1. 登録支援機関登録(更新)申請書

  2. 手数料納付書(収入印紙を貼付)

  3. 申請者の概要書

  4. 登記事項証明書(法人の場合)

  5. 住民票の写し(個人の場合。個人番号(マイナンバー)が記載されていないもの)

  6. 定款又は寄付行為の写し(法人の場合)

  7. 役員の住民票の写し(法人の場合。個人番号(マイナンバー)が記載されていないもの)

  8. 支援責任者の履歴書、就任承諾書および誓約書の写し

  9. 支援担当者の履歴書、就任承諾書および誓約書の写し

  10. 支援業務を行う事業所の概要に関する書類(事業所の名称、所在地、電話番号、平面図、写真など)

  11. 支援業務に関する規程(支援の実施方法、相談体制、情報管理体制などを定めたもの)

  12. 外国人が十分に理解できる言語により情報提供を行うことができる体制があることを明らかにする資料(対応可能言語、通訳者の確保状況など)

  13. 支援費用を外国人に負担させないことを誓約する書面

  14. 過去5年間の出入国又は労働に関する法令の遵守状況を明らかにする資料

  15. その他、個別の状況に応じて地方出入国在留管理局長が提出を求める資料



登録が許可されると、登録支援機関登録簿に登録され、登録支援機関としての業務を開始することができます。なお、登録の有効期間は5年間で、更新手続きが必要です。


  1. まとめ:特定技能外国人を初めて雇用するなら登録支援機関のサポートが欠かせない

登録支援機関は、特定技能外国人が日本で安心して働き、生活できるよう、専門的な知識と経験を活かして多岐にわたる支援を提供する重要な存在です。受入れ企業にとっては、外国人材の受入れに伴うさまざまな負担を軽減し、本来の業務に集中できる環境を整える上で、心強いパートナーとなり得ます。


特に、初めて特定技能外国人を受け入れる企業や、自社だけでは十分な支援体制を構築することが難しい企業にとって、信頼できる登録支援機関のサポートは不可欠と言えるでしょう。登録支援機関を選ぶ際には、対応言語、支援サービスの質、費用の適正性、そして支援実績などを総合的に比較検討し、自社に最適な機関を見つけることが重要です。


特定技能制度と登録支援機関の仕組みを正しく理解し、効果的に活用することで、企業は持続的な発展を目指すことができるでしょう。



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