未来を創るグローバル人材──ホテル現場の最前線で輝く、ティーケーピーの外国人採用戦略
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- 2 日前
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貸会議室事業のリーディングカンパニーである株式会社ティーケーピーは、近年、ホテル・宿泊研修事業の急速な拡大を進めています。
インバウンド需要の高まりにより、多くのホテルが人手不足という課題に直面する中、同社はこの状況を打開すべく、Connect Job(フォースバレー・コンシェルジュ)を通じてインドおよびネパールから42名の外国人採用に踏み切りました。
採用の背景にあった課題、そして外国人スタッフが現場にもたらした変化について、ホテル&リゾート事業部長の三上氏と同部の山之内氏、実際にスタッフを受け入れている現場責任者の方々にお話を伺いました。
ゲスト:
株式会社ティーケーピー ホテル&リゾート事業部長 三上 金範氏 ホテル&リゾート事業部 山之内 大貴氏
レクトーレ葉山 湘南国際村 支配人 五十嵐 利秋氏 アパホテル 上野広小路 フロントリーダー 山下 朝美氏 グランレクトーレ湯河原 佐藤はるな氏
インタビュー: フォースバレー・コンシェルジュ株式会社 合田 美緒・中川 莉沙
執筆:カクラボ(渡邊 有理)
編集:Connect Job編集部 木村 咲羅
目次
人手不足とインバウンド需要の高まり。事業拡大の裏にあった採用課題
── 今回、外国人社員の採用に至った背景について、どのような課題があったのか教えていただけますか?
三上:当社は現在、ホテル・宿泊研修事業に非常に力を入れていますが、日本のホテル業界全体が深刻な人手不足に直面しています。特に若手人材の確保が非常に困難な状況で、事業を拡大していくには、現場で即戦力として活躍できる人材の採用が急務でした。
── そのような状況で、Connect Jobからインド・ネパール人材の提案があったのですね。
三上:はい。今回はじめてお取引させていただいたConnect Jobさんから、「優秀な若者がいます」というご提案をいただきました。最初は未知の領域で正直不安もありましたが、彼らの熱意や可能性について詳しくお話を伺ううちに、我々が抱える課題を解決する大きな可能性を感じ、ぜひ一度選考してみたいと考えたのが、今回のグローバル採用・外国人採用の始まりです。

「日本語力は?」「宗教は?」現場の不安をいかに払拭したか
── 初めてとなる外国人採用で、不安や懸念はありましたか?
三上:はい、懸念点がなかったわけではありません。一番の課題は、やはり「日本語がどの程度話せるのか」という言語の壁でした。そして、生活習慣や「宗教的な問題」についても、受け入れる側としてどこまで配慮が必要なのか、正直なところ手探りの状態でした。
── なるほど。そうした懸念があった中で、最終的に採用へと踏み切ることができた決め手は何だったのでしょうか?
三上:Connect Jobさんとの対話を通じて、抱えていた懸念は一つひとつ払拭されていきました。まず、今回採用する人材に対して、Connect Jobさんのほうで入社前にしっかりとした日本語教育を実施していただけると聞き、言語面での不安は大きく和らぎました。これは我々にとって非常に心強いサポートでした。
── 他に、彼らのスキル面で魅力に感じた点はありましたか?
三上:視点を変えれば、彼らの言語能力は大きな強みになります。当社のホテルでは、海外からのお客様のご利用が非常に増えており、施設によっては宿泊客のほぼ100%が海外の方という場所もあります。
そうした現場では、英語や彼らの母国語が話せるということは、日本人スタッフにはない圧倒的なアドバンテージです。バイリンガル、トライリンガルの人材は、まさに即戦力としてお客様の満足度向上に直結すると考えました。
── ホテル業界での経験という点はいかがでしたか?
三上:ご紹介いただいた候補者の方々の経歴も魅力的でした。ネパールのホスピタリティ専門大学を卒業していたり、ホテルでの実務経験を持っていたりと、ホテルサービスに関する専門知識やスキルを既に身につけている方が多かったですね。
これも「即戦力」として、当社が採用を決断する大きな後押しとなりました。
── 選考では、候補者のどのような点を特に重視されていましたか?
三上:スキルや経験はもちろんですが、それ以上に「なぜ日本で働きたいのか」というマインドの部分を非常に重視しました。面接では、日本以外の国、例えばオーストラリアやドバイといった選択肢もある中で、なぜ日本を選んでくれたのかを深く掘り下げて聞くようにしていました。
やはり、日本という国や文化に愛情やリスペクトを持って来てくれる方と一緒に働きたいという想いが強くあります。
── 実際に面接をされて、彼らのマインドについてどのような印象を受けましたか?
三上:面接で印象的だったのは、彼らの「稼ぎたい」「もっと偉くなりたい」「新しいことを学びたい」という、ハングリー精神や向上心の強さです。これは、今の日本の若者からはなかなか感じることのできない熱量で、非常に頼もしく感じました。
将来「独立したい」といった明確なビジョンを持っている方もいて、そうした夢を語る姿からは、キャリアへの意欲や成長性を感じましたね。

「想像以上の即戦力」―現場に新しい風を吹き込んだ“良い刺激”
── 採用された方々は、入社後どのような影響を社内にもたらしていますか?
山之内:彼らが入社してくれたことで、社内、特に若い日本人スタッフは非常に良い刺激を受けていると感じます。同世代の外国籍社員が、慣れない環境で必死に学び、前向きに仕事に取り組む姿は、周囲の「自分たちも頑張らなければ」という意識を高めてくれています。
三上:もちろん、即戦力としても大変助かっています。先ほど申し上げた海外のお客様が多いホテルでは、彼らがいるおかげで現場がスムーズに回っているという声が多数届いています。
── 【現場の声① レクトーレ葉山】実際に入社された外国人スタッフの働きぶりはいかがですか?

五十嵐(レクトーレ葉山):一言で言って、とても良いですね。お客様からの評判も高く、お褒めの言葉をいただくことも少なくありません。
彼らは「自分がこの場所で役に立たなければならない」という高い志を持って日本に来ており、その姿勢が仕事ぶりからもひしひしと伝わってきます。日本人の若手スタッフと比べても、「本当によく働いてくれるよね」と、誰もが口を揃えて言っていますよ。
── 素晴らしいですね。コミュニケーション面で工夫されたことはありますか?
五十嵐:当館では、英語が堪能な女性社員がメンターとして付き、コミュニケーションのサポートをしてくれました。彼ら自身もとても素直な性格なので、積極的に周囲と関わろうと努力してくれて、今では冗談を言い合えるほど打ち解けています。
英語で基本的なコミュニケーションを取れたことも、受け入れをスムーズに進めるうえで大きかったですね。
── 実際に受け入れる上で、何か苦労された点はありましたか?
五十嵐:住居の確保ですね。都心と違ってこのあたりは家賃が安い反面、家主様がご高齢で、外国人への賃貸に慎重な方もいらっしゃいます。これは彼らの問題というより、我々受け入れ側、特に地方におけるリアルな課題だと感じました。
── 【現場の声② アパホテル〈上野広小路〉】現場での仕事ぶりや成長について教えてください。

山下(アパホテル〈上野広小路〉):当ホテルに来てくれたカランさんは、本当に楽しそうに働いてくれています。私たちにとってもそれがなにより嬉しいです。
そして、驚くほど習得が早いです。 チェックインやチェックアウトといった主要業務も、数回教えただけでマスターし、今では他のスタッフとまったく遜色なく業務をこなしています。
入社して1ヶ月くらいの頃は、まだ少し大人しい印象でしたが、最近では「今こんなことにハマっているんです」と、プライベートなことも話してくれるようになりました。
── 現場に良い雰囲気をもたらしてくれているのですね。今後の成長に向けて、何か期待することはありますか?
山下:はい。もちろん誰にでもミスはありますが、彼も時折、入力ミスなど、確認すれば防げる小さなミスをしてしまうことはあります。ただ、指摘すると非常に素直に受け止めてくれます。その前向きな姿勢があれば必ず乗り越えられると信じています。
「念には念を入れる」といった確認作業の大切さを学んでいけば、さらに素晴らしいスタッフになるはずです。将来的には、日本人のお客様への対応も、よりスムーズかつスマートにこなせるようになってくれることを期待しています。
──【現場の声③ グランレクトーレ湯河原】一緒に働かれる中で、外国人社員の方々の成長を感じる瞬間はありましたか?
佐藤(グランレクトーレ湯河原):印象的なのは、お客様への積極性が変わった点ですね。
入社当初は、やはり日本語でのコミュニケーションに不安があったのか、お客様を前にすると、日本人社員に助けを求めてしまう場面もありました。
ですが今では、自ら積極的にお客様に声をかけ、自然な笑顔で対応できるようになったんです。その自信に満ちた表情が、何よりの成長の証だと思います。
── それは嬉しい成長ですね。今後、外国人社員に期待することはありますか?
佐藤:日本人社員と同じように、様々な業務をマルチにこなせるとなお良いですね。
例えば、フロント業務だけでなく、レストランの仕事など、幅広く経験を積んでいただくことで、ご自身の成長にも繋がると考えています。
「紹介して終わらない」ー成功を支えた Connect Jobの伴走型サポート
── 初めての受け入れでしたが、Connect Job(フォースバレー・コンシェルジュ)のサポート体制はいかがでしたか?
山之内:今回、当社では特定技能による人材受け入れが初めての試みでした。正直なところ、何から手をつけるべきか、どのタイミングで何をすればよいのか、まったく分からない状態からのスタートでした。
在留資格の申請をはじめ、入国時の空港での出迎え、銀行口座の開設、住民票の登録など、煩雑な手続きが山積みでした。そうした中で、Connect Jobさんには、各種手続きの段取りや方法を一つひとつ丁寧にご指導いただき、まさに二人三脚で進めていただきました。 もし彼らのサポートがなければ、今回の外国人材の採用は実現できなかったと断言できます。
五十嵐氏(レクトーレ葉山):現場としても、本当に感謝しています。結果として、「本当に良い人材を紹介していただいた」というメリットしか感じていません。 これもひとえに、Connect Jobさんの手厚いサポートがあったからこそと思っています。

── 入社後のフォローで、特に「助かった」と感じる点はありましたか?
山之内:Connect Jobさんの素晴らしさは、「紹介して終わり」ではない点です。採用エージェントの中には、人材を紹介したら、あとは企業側にお任せ、という会社も少なくありません。しかしConnect Jobさんは、入社後も定期的に本人たちと面談し、仕事の悩みから生活面の相談まで、親身になって話を聞いてくれています。
── 第三者としてのサポートがあるのは心強いですね。
山之内:はい。我々、会社の人間には少し言いづらいこともあると思うんです。そうした部分を第三者の立場でフォローしていただけることは、彼らの精神的な安定に繋がり、結果として定着率の向上にも貢献していると感じます。
── 御社内でも、彼らをサポートするための取り組みは何かされていますか?
山之内:はい。当社としても受け入れ体制の構築には力を入れています。今回、彼らの入社に合わせて、日本人社員がマンツーマンで新入社員をサポートする「メンター制度」を、より手厚い形で運用しました。
週に1回、現在は月に1回のペースで面談を行い、仕事のことからプライベートの雑談まで、何でも話せる関係づくりを推進しています。こうした社内の取り組みと、Connect Jobさんの外部からのサポート、その両輪があったからこそ、スムーズな外国人材の受け入れが実現できたのだと思います。
外国人採用が切り拓く、ティーケーピーの未来
── 今回の成果を踏まえ、今後の外国人社員の活用についてどのような展望をお持ちですか?
三上:今回の採用は非常にポジティブな成果をもたらしてくれました。今後は、全国でのホテル新規オープンや、別府での大規模な開発プロジェクトなどが控えており、人材の確保はますます重要になります。そのため、今後もグローバル人材・外国人社員の採用は積極的には積極的に取り組んでいきたいと考えています。
── 今後は、彼らにどのような役割を期待されますか?
三上:将来的には、外国人社員を単なる人手不足を補う存在としてではなく、海外の方ならではの視点や意見を積極的に取り入れ、サービスの改善や新たな企画の立案に活かしていきたいと考えています。そうすることで、ティーケーピーのホテルはさらに多様性を持ち、国際競争力のある存在へと進化していけると信じています。
── 御社にとっての「グローバル採用」とは?
三上:もはや、ホテル業界においてグローバル採用・外国人採用は特別なことではなく、事業を成長させる上で「不可欠」な要素だと考えています。
日本が観光立国として世界中からお客様を迎える以上、私たち受け入れ側もグローバルな視点と多様性を持たなければ、時代の変化には対応できません。
山之内:私個人としては、日本が海外の若者にとって「働きたいと思える国」であることを、誇らしく感じています。
グローバル採用を推進するということは、私たちの働き方や職場環境を、国籍を問わず誰もが「働きやすい」「やりがいを感じる」場として、国際的な基準に沿って見直していく良いきっかけになります。外国人スタッフと共に、ティーケーピーがより魅力的な企業へと進化していけば、これ以上ない喜びです。
