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特定技能1号・2号の違いとは?対象分野・取得方法をわかりやすく解説【2025年最新版】

  • 執筆者の写真: Masato Yano
    Masato Yano
  • 11月7日
  • 読了時間: 12分
特定技能1号・2号の違いとは?対象分野・取得方法をわかりやすく解説【2025年最新版】

在留資格「特定技能」は、2023年の制度改正で2号の対象分野が拡大し、長期雇用や家族帯同への道が大きく開かれました。しかし、「1号」と「2号」の違いは、在留期間やスキル要件、企業の支援義務など多岐にわたります。


本記事では、特定技能1号・2号の違いやそれぞれの対象分野、取得方法などをまとめました。


特定技能外国人の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。


目次


  1. 特定技能とは?

「特定技能」は、日本国内の深刻な人手不足に対応するため、特に労働力が不足している分野で人材確保することを目的に導入された在留資格です。

単純労働を含む業務が可能で、外食業、宿泊業、自動車整備、建設業など16の分野での人材受け入れが可能となりました。



  1. 特定技能1号と2号の主な違いが一目でわかる比較表

特定技能には1号と2号の区分があり、それぞれ対象となる技能水準や在留期間、家族帯同の可否などが異なります。


特徴

特定技能1号

特定技能2号

在留期間

最長5年間

制限なし

家族帯同

不可

要件を満たせば可能

(配偶者、子ども)

対象分野数

16分野

11分野

スキル要件

基本的な技能と日本語能力試験N4レベル

高度な専門技能

工程管理などの業務を含む

受入れ機関/登録支援機関による支援

必要

不要

特定技能1号の概要

特定技能1号は、特定の産業分野において、即戦力として活動するために必要な知識や経験を有すると認められた外国人向けの在留資格です。2025年5月現在、介護、宿泊、外食、自動車整備など16分野が対象とされています。


在留期間は通算で最長5年と定められており、原則として家族の帯同は認められていません。また、受入れ機関または登録支援機関による外国人への支援が義務付けられています。



特定技能2号の概要

特定技能2号は、特定技能1号よりもさらに熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格です。特定技能1号を修了し、より高度な試験に合格するなどの要件を満たすことで移行が認められます。在留期間の更新に上限はなく、要件を満たせば配偶者や子の帯同も認められるなど、より長期的な日本での就労と生活が可能です。




  1. 特定技能1号・2号の対象分野

特定技能1号と2号では、就労可能な産業分野が異なります。特定技能1号の対象となる16分野のうち、11分野が特定技能の2号の対象となっています。

対象外となっているのは、介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の5分野で、2号が認められない理由としては、安全管理などが挙げられます。


分野名

1号

2号

介護

×

ビルクリーニング

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(工業製品製造業)

自動車整備

航空

宿泊

農業

漁業

飲食料品製造業

外食業

建設

造船・舶用工業

自動車運送業

×

鉄道

×

林業

×

木材産業

×


対象となる業務について、より詳しい内容はこちらの記事で解説しています。


  1. 特定技能1号と2号で異なる6つのポイント

特定技能1号と2号では、主に以下6つのポイントが異なります。より詳しく解説していきます。


  1. 在留期間は通算5年か、更新すれば無期限か

  2. 要求される業務スキルのレベル

  3. 家族と一緒に日本で暮らせるか

  4. 受け入れ企業による生活支援は必須か

  5. 日本語能力を証明する試験は必要か

  6. 永住権の申請要件を満たせる可能性があるか


それぞれ見ていきましょう。


在留期間は通算5年か、更新すれば無期限か

特定技能1号の在留期間は、1年・6ヶ月・4ヶ月ごとに更新が必要で、日本にいられる期間は通算で5年が上限と定められています。満了後は、原則として帰国しなければなりません。


一方、特定技能2号は、3年・1年・6ヶ月ごとの更新が必要ですが、更新の回数に上限がありません。要件を満たし続ける限り、実質的に無期限で日本に在留し、働き続けることが可能になります。



要求される業務スキルのレベル

特定技能1号は、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」が求められます。これは、特別な育成・訓練を受けなくても、すぐに現場で即戦力として働けるレベルです。


特定技能2号は、「熟練した技能」が求められます。これは、自らの判断で業務を遂行できるだけでなく、他の従業員(日本人含む)に対して指導・監督を行いながら業務を統括できる、現場リーダー・監督者レベルの高度なスキルを指します。


家族と一緒に日本で暮らせるか

特定技能1号の在留資格では、原則として家族(配偶者や子)を日本に呼び寄せて一緒に暮らすことは認められていません。あくまで本人のみが日本で就労することを前提とした制度です。


しかし、特定技能2号へ移行すると、「家族滞在」の在留資格が申請可能となり、配偶者と子供を日本に帯同することが認められます。



受け入れ企業による生活支援は必須か


特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、彼らが日本で安定して働き、生活できるようにするための10項目の支援(支援計画の策定・実施)が法律で義務付けられています。これには、事前ガイダンス、住居の確保、公的手続きの同行、相談・苦情への対応などが含まれます。これらの支援は、登録支援機関に委託することも可能です。


一方、特定技能2号の外国人は、自立して日本で生活できる十分な能力があると見なされるため、企業による法的な支援義務はありません。



日本語能力を証明する試験は必要か


特定技能1号を取得する際には、原則として「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)N4以上」に合格し、日常生活や業務に必要な日本語能力を証明する必要があります(技能実習2号を修了している場合は免除されることがあります)。


一方、特定技能2号へ移行する際には、多くの分野では日本語能力を単独で証明するための試験は課されていません。2号の技能評価試験は、現場の指導や監督に必要なコミュニケーション能力も含めて総合的に評価されるためです。


ただし、外食業分野と漁業分野については例外です。これらの分野で特定技能2号へ移行する場合は、日本語能力試験(JLPT)N3以上(または同等レベル)の日本語力が求められます。



永住権の申請要件を満たせる可能性があるか

日本での永住権を申請するには、原則として「継続して10年以上日本に在留し、そのうち5年以上は就労資格で在留していること」が求められます。しかし、特定技能1号の在留期間(最大5年)は実務上、「就労期間5年」として計算されません。


特定技能2号は高度な専門性を持つ就労資格と見なされるため、在留期間は「就労期間5年」として計算されます。そのため、2号へ移行して在留を続けることで、将来的に永住権を申請できるようになります。



  1. 特定技能1号・2号の取得方法

ここでは、特定技能1号・2号の取得方法を解説します。


特定技能1号の取得方法

特定技能1号の在留資格を取得するためのルートは、「①特定技能測定試験に合格するルート」と「②技能実習生から特定技能1号へ移行するルート」の2つです。


試験に合格する

各特定産業分野が定める「技能測定試験」と、一定レベル以上の「日本語能力試験」の両方に合格することで、特定技能1号の資格要件を満たします。


技能測定試験は、各特定産業分野において、業務に必要な知識や経験を有しているかを判断するために実施される試験です。試験の内容や実施時期、場所は分野ごとに異なり、国内外で実施されています。


日本語能力試験

日本での就労や生活に必要な基礎的な日本語能力を測るための試験です。「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」のいずれかに合格する必要があります。


ただし、介護分野については、上記に加え「介護日本語評価試験」にも合格しなければいけません。


日本語能力試験の詳細は、以下の記事をご覧ください。


技能実習2号を良好に修了する

このルートのメリットは、原則として技能測定試験と日本語能力試験が免除される点です。ただし、技能実習の職種・作業と、特定技能1号で従事する業務に関連性が認められる場合に限ります。


「良好に修了」とは、技能実習計画に基づいて2年10ヶ月以上の実習期間を終え、技能検定3級(またはこれに相当する技能測定試験)に合格していることなどを指します。また、実習中の素行が不良でなかったことも条件です。



特定技能2号の取得方法

一般的なのは、特定技能1号の在留資格で就労している外国人が、一定の要件を満たした上で特定技能2号へ移行するルートです。


主な要件は以下の通りです。


  • 特定技能2号の対象分野であること

    • 特定技能1号の対象分野から、介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業を除いた11分野が対象

  • 特定技能2号評価試験に合格

    • 各分野で定められた、より高度な技能水準を測るための「特定技能2号評価試験」に合格する

  • 一定の実務経験

    • 分野によっては、特定技能1号としての実務経験年数などが求められる


「特定技能1号から特定技能2号へ移行するルート」により、特定技能1号として日本でキャリアを積んできた外国人が、さらにステップアップし、熟練した技能者としてより長期間、安定的に日本で活躍することが可能になります。


  1. 特定技能1号・2号に関するよくある質問

特定技能1号・2号に関する質問と回答をまとめました。


特定技能1号・2号の申請方法は?

1号を取得するには、技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習2号を良好に修了しなければいけません。その後、受け入れ企業と雇用契約を結び、企業が支援計画を策定します。全ての書類を揃え、海外在住者なら「在留資格認定証明書交付申請」、国内在住者なら「在留資格変更許可申請」を入管に行います。


2号へ移行するには、1号で働きながら実務経験を積み、分野ごとに定められた「特定技能2号評価試験」に合格しなければいけません。その後、2号としての雇用契約を結び、「在留資格変更許可申請」を行います。



特定技能2号への移行難易度は?

2号に求められるのは、現場の作業を監督・指導できる「熟練した技能」です。単に作業ができるだけでなく、安全管理や工程管理、部下への指導といった高度な能力が問われるため、計画的な育成と本人の努力が不可欠です。


なお、主な分野ごとの合格率は以下の通りです。


分野

合格者数/受験者数

合格率

外食業

(2024年10月実施分)

369/612

60.3%

飲食料品製造業

(2024年10月実施分)

817/1,463

55.8%

宿泊

(2024年10月実施分)

1/7

14.3%

農業

(2024年実施分)

133/361

36.8%

漁業

(2024年10月実施分)

2/11

18.2%

工業製品製造業

(2024年7〜9月実施分)

・機械金属加工区分

472/770

・電気電子機器組立て区分

116/175

・金属表面処理区分

4/13

・機械金属加工区分

61.3%

・電気電子機器組立て区分

66.3%

・金属表面処理区分

30.8%

建設

(2024年10月実施分)

・土木

38/185

・建築

60/190 ・ライフライン・設備

7/35

・土木

13.9%

・建築

60/190

・ライフライン・設備

7/37

造船・舶用工業

(2023年10月実施分)

3/3

100%

自動車整備

(2024年8月実施分)

0/7

0%

ビルクリーニング

(2024年8月実施分)

3/11

27.3%


出典:


特定技能2号がない分野で長期雇用するには?

2025年10月現在、「介護」分野には特定技能2号が設定されていません。介護分野で通算5年を超えて長期的に働いてもらうには、国家資格である「介護福祉士」の資格を取得し、在留資格「介護」へ変更するのが唯一のルートです。


「介護」ビザを取得すれば、在留期間の更新に上限がなくなり、家族帯同や永住権申請もできるようになります。ただし、実務経験3年に加え、介護福祉士国家試験に合格しなければいけません。



  1. まとめ

特定技能制度は、1号と2号で在留期間や家族帯同の可否などが大きく異なります。1号は「即戦力」として通算5年間、2号は「現場の監督者」として無期限に活躍できる資格です。


2023年の2号対象分野の大幅拡大により、外国人材にとっては日本で長期的なキャリアを築く道が、企業にとっては熟練した人材を安定的に確保する道が、より広く開かれました。2つの資格の違いを正しく理解し、自社の採用戦略に活用していきましょう。



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Connect Job編集部


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企業の採用現場でよくある課題や、採用担当者・外国人社員の声など、現場をよく知る社員が編集を担当しています。リアルな現状を知る私たちから、「プロフェッショナル」かつ「現場目線」で役立つコンテンツを発信しています。


運営会社:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社(https://www.4th-valley.com



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