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カンボジア人の文化・特徴・国民性は?在日カンボジア人の推移や日本とのマナーの違いも解説

  • numabukuro4649
  • 10 時間前
  • 読了時間: 15分
カンボジア人の文化・特徴・国民性は?在日カンボジア人の推移や日本とのマナーの違いも解説

カンボジアは、世界遺産のアンコールワットで知られている東南アジアの国です。国民の多くが仏教徒であり、宗教はカンボジア人の文化や日常生活に深く根付いています。


この記事では、カンボジア人の文化に加えて、性格・国民性・宗教事情について詳しくまとめました。日本とのマナーの違いや、在日カンボジア人の推移にも触れています。


カンボジア人の特徴を知り、外国人材の採用計画に役立てたい企業や人事担当者は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.カンボジアの基本情報|人口・平均年齢・公用語は?

カンボジアの基本情報

国名

カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)

首都

プノンペン

面積

18万1,035平方km

人口

約1,742万人(WHO、2023年)

公用語

クメール語

民族

クメール人が多数を占める

宗教

仏教(上座部仏教)

※一部の少数民族はイスラム教

平均年齢

約27.9歳 ※中央値

(CIA、2024年)

主要な祝日

・クメール正月

・プチュンベン

・水祭り

・独立記念日


カンボジアは東南アジアに位置する国で、正式名称は「カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)」です。近年は都市部を中心に経済成長が進んでいます。


まずはカンボジアの地理や気候、人口や公用語などの基本情報から見ていきましょう。


地理はインドシナ半島に位置、3カ国と国境を接している

カンボジアは、インドシナ半島に位置しています。インドシナ半島は、アジアの東南部に突き出た大陸部です。


北西はタイ、北はラオス、南東はベトナムと国境を接しています。国土面積は約18万1,035平方kmで、日本の約2分の1弱の大きさです。タイランド湾に面しているシアヌークビルは、カンボジアを代表とするビーチリゾートとして知られています。



熱帯モンスーン気候に属し、高温多湿の日が続く

カンボジアの気候は、熱帯モンスーン気候に属しています。熱帯モンスーン気候とは季節風の影響を強く受けやすい気候のことで、高温多湿の日が続くのが特徴です。


地域によって多少の違いがありますが、カンボジアの季節は以下の2つに大きく分けられます。


  • 11月~4月の乾季(観光のベストシーズンで晴天が続く)

  • 5月~10月の雨季(降水量が増えて湿度も高くなる)


内陸部のリゾート地シェムリアップは乾季と雨季の差が顕著で、首都プノンペンは湿度がやや高めです。また、平均気温は27℃~30℃と1年を通して暑い日が続きます。



人口は約1,742万人、クメール人が約96.2%を占めている

世界保健機関(World Health Organization)によると、2023年時点でカンボジアの人口は約1,742万人と推定されています。その中で、首都プノンペンの人口は、約242万5800人に達しています(出典:World Population Review/UN World Urbanization Prospects)2025年の統計で約242万人です。都市部だけではなく、地方にも広範囲に渡って人々が住んでいます。



また、カンボジアでは2021年時点でクメール人が約96.2%を占めています。クメール人はカンボジアの大部分を占める民族で、タイ東北部やベトナム南部に居住しているのも特徴の1つです。


東部や北東部の山岳地帯には、チャム族・ベトナム系・中国系などの少数民族も暮らしており、地域ごとに多種多様な文化が見られます。



公用語はクメール語、都市部では英語が通じることもある

カンボジアの公用語はクメール語です。国民の約96.2%を占めるクメール人が用いており、「カンボジア語」と呼ばれることもあります。


クメール語の文字はブラーフミー系文字に属しており、起源が同じタイ語と似ているのが特徴です。独特な曲線美を持つ文字体系で、33種類の子音と23種類の母音を組み合わせて表記されます。ただし、クメール語はタイ語と異なり、声の高低で意味が変わることはありません。


また、プノンペンやシェムリアップなど、都市部では英語が通じることもあります。街中では、クメール語と英語が併記されている看板も少なくありません。



食文化は米が主食、ハーブやスパイスを多用する

カンボジアの食文化は、日本と同じようにお米が主食です。2022年の世界米会議(WRC)では、通算で5回目となる「世界最優秀米賞(World’s Best Rice)」を受賞しました。



カンボジア料理ではお米に加えて、メコン川やトンレサップ湖などの豊かな自然環境を活かし、豊富な魚介類や野菜が使われています。日本でもなじみのあるニンニク、サラダに入れるバジル、香り付けに用いられるウコンなど、カンボジア料理にはハーブやスパイスが欠かせません。


代表的な料理として、米麺を使ったスープの「クイティウ」や、魚をココナッツミルクで調理して葉っぱで包んだアモックなどが挙げられます。


主要な祝日、クメール正月について

カンボジアにおける主要な祝日は、クメール正月です。仏教徒のカンボジア人にとって重要なお正月で、「Choul Chnam Thmey(新年の到来の意)」とも呼ばれています。


クメール正月は、収穫時期の終わりと新しい収穫期の始まりを祝う伝統的な行事です。毎年4月13日~16日頃にかけて行われており、祝祭の期間中は全土でさまざまな儀式やパレード、ダンスやゲームが催されています。


2.カンボジア人の6つの特徴|性格や価値観、国民性は?

カンボジア人の6つの特徴

ここでは、カンボジア人に共通することの多い6つの特徴をご紹介します。


(1)協調性が高く、人間関係を大切にしている

(2)家族や仲間に対する尊敬の意識が強い傾向がある

(3)仏教による影響で、思いやりや慈悲深さを持つ人が多い

(4)礼儀正しく、上下関係を重視する文化が根付いている

(5)おもてなしの心(ホスピタリティ精神)を持つ人が多い

(6)時間感覚は柔軟な傾向がある


カンボジア人の性格や価値観、国民性について詳しく見ていきましょう。


(1)協調性が高く、人間関係を大切にしている

カンボジアには、協調性を重んじる文化があります。人間関係を積極的に構築したり、周囲の人と協力して物事を進めたりする姿勢が強いです。


そのため、カンボジア人は初対面の相手にも親しみやすく接し、気さくにコミュニケーションを取ることも少なくありません。チームワークや対立を避ける姿勢など、一部の価値観は日本人の国民性と共通する部分があります。


(2)家族や仲間に対する尊敬の意識が強い傾向がある

カンボジアでは、家族を社会生活の基盤と考える文化があります。両親や子どもはもちろんのこと、祖父母・叔父叔母・いとこなど、家族や親戚の結びつきが強いです。


そのため、家族や仲間に対する尊敬の意識が強い傾向があります。カンボジア人は親族間で助け合い、支え合う関係が自然なものとして受け入れられているようです。


(3)仏教による影響で、思いやりや慈悲深さを持つ人が多い

多くのカンボジア人は仏教(上座部仏教)を信仰しており、日常生活や価値観に深く根付いています。仏教の影響から、思いやりや慈悲深さを持つ人が多いとされています。


「慈悲」の心で穏やかに振る舞うことは、仏教による教えの1つです。カンボジアでは、怒りや敵意をあらわにすることは好まれていません。


例えば、手を合わせてお辞儀をする「サンパー」は、カンボジアにおける一般的なあいさつです。微笑みを絶やさず、謙虚で控えめな態度が美徳とされています。


(4)礼儀正しく、上下関係を重視する文化が根付いている

カンボジア人は、礼儀正しい人が多いといわれています。これは年長者に対する敬意が重要視されている文化が根付いているからです。


年長者や上司に対しては、丁寧な態度を取らなければなりません。上下関係を重視しており、社会的な階級や立場を尊重する傾向があります。


例えば、カンボジアのあいさつは、体の前で両手を合わせる「サンパー」を行うのが一般的です。相手が友人や同僚の場合は胸の前、年上の人や上司の場合は口の前、両親や祖父母の場合は鼻の前と、相手との関係で手を合わせる高さが異なります。


(5)おもてなしの心(ホスピタリティ精神)を持つ人が多い

カンボジア人は仏教の教えにより、おもてなしの心(ホスピタリティ精神)に溢れている傾向があります。来客を温かく迎え入れたり、食事や飲み物を振る舞ったりする習慣が一般的です。


地方都市では見知らぬ観光客にも笑顔であいさつし、困っている人には親切に手を差し伸べる光景が見られます。


(6)時間感覚は柔軟な傾向がある

カンボジア人は、日本人と比べると時間感覚に大らかな一面が見られます。時間や細かいことに対して神経質にならない人が多く、約束の時間に遅れてくることも珍しくありません。


現地の企業の中には、遅刻への対応が緩いところもあります。ただし、外資系や日系企業の場合、時間の厳守が求められるケースもあるようです。


3.カンボジアの歴史・文化

カンボジアの歴史・文化

カンボジアの歴史は、紀元後1世紀後半〜2世紀初頭に遡ります。この時代にヒンドゥー教・仏教の古代国家である扶南王国が形成され、東南アジア初期の交易の中心地として栄えました。


9世紀になると、クメール王朝(アンコール王朝)と呼ばれる王朝が始まります。クメール王朝は古代カンボジアの国家で、多くの領土を支配しました。12世紀前半には、世界遺産のアンコールワットが建設されます。


その後、カンボジアは19世紀後半からフランスの支配下に置かれました。フランス領インドシナの一部として、約90年間に渡って植民地支配を行います。フランスによる統治はカンボジアに大きな変革をもたらしたものの、カンボジア人にとっては困難な時期でした。


1953年にフランスからの独立を果たしますが、1970年代になるとベトナムとの国境紛争に巻き込まれます。ベトナム戦争の一環として進行し、1975年には共産主義政権のクメール・ルージュが首都プノンペンを占拠しました。その後、1991年10月にパリ和平協定が締結され、カンボジア内戦は終結しています。


こういった歴史的背景を持つカンボジアの文化は、ヒンドゥー教と仏教の影響を強く受けているのが特徴です。現在では仏教が国教に定められていますが、かつてはヒンドゥー教が信仰されていた時代もありました。


仏教の教えは、人々の生活や価値観に深く根付いています。家族と過ごす時間を大切にしたり、他人と支え合ったりする文化は、カンボジア人の大きな特徴です。


4.カンボジア人の宗教事情

カンボジア人の宗教事情

ここでは、カンボジア人の宗教事情について解説していきます。


(1)約97.1%の国民が仏教を信仰している

(2)仏教徒にとって重要な祝日が多い

(3)イスラム教やキリスト教を信仰している人もいる


宗教がカンボジア人の生活とどのように結びついているのか見ていきましょう。


(1)約97.1%の国民が仏教を信仰している

2019年時点におけるカンボジア人の宗教割合は、以下の表の通りです。

宗教

割合

仏教

97.1%

イスラム教

2.1%

キリスト教

0.3%

その他

0.6%


カンボジアでは、約97.1%の国民が仏教徒です。仏教の中でも、タイやミャンマーと同じく上座部仏教を信仰しています。


上座部仏教は東南アジアや南アジアで広まった仏教で、出家して修行を積むことで悟りに至る道を説くのが特徴です。カンボジアでは定期的な寺院への参拝や瞑想の実践など、上座部仏教の価値観が日常生活に根付いています。


(2)仏教徒にとって重要な祝日が多い

カンボジアでは、仏教徒にとって重要な祝日が多いです。ここでは、仏教と関連する代表的な祝日をご紹介します。


  • プチュンバン:カンボジアにおけるお盆で、15日間に先祖様の魂が自由に行き来できるとされている

  • カティン祭:雨季の終わりを祝う祝日で、信者が寺院に出向いて衣類や日用品を寄付する

  • ヴィサック・ボチェア:仏陀の生誕・悟り・入滅を記念し、寺院を訪れて祈りをささげる


これらの祝日は、カンボジア人の信仰心と日常生活のつながりを感じさせる行事です。


(3)イスラム教やキリスト教を信仰している人もいる

人口の割合としては少ないのですが、カンボジアにはイスラム教やキリスト教を信仰している人もいます。カンボジアにおけるイスラム教徒は全体の2.1%を占めており、信仰しているのは主に少数民族であるチャム族です。


チャム族はモスクを中心とする集落で暮らし、イスラムの戒律通りにメッカの方向へ1日5回の礼拝を行います。また、キリスト教徒は全体の約0.3%と少ないのが特徴です。カンボジアの国教は仏教ですが、国民は自由に宗教の選択ができます。



5.カンボジアと日本のマナーの違い

カンボジアと日本のマナーの違い

カンボジアと日本とでは、マナーにいくつかの違いが見られます。生活面と食事面の両方の観点からまとめました。


生活の観点における違い

カンボジアでは、他人の頭を触るのはタブーです。頭は神聖な部分と考えられており、非常に失礼な行為とされています。日本では問題にならないことでも、カンボジアではタブーなボディランゲージになるため、注意が必要です。


また、反タイや反ベトナムの感情を持つ人もいるため、政治や歴史が絡むデリケートな話題は避けましょう。


食事の観点における違い

カンボジアでは、以下のように日本とは異なる食事のマナーがあります。


  • 年長者から食事を始めてから他の人も食べ始める

  • フォークを口に運んではならない(スプーンに乗せる補助具として使う)

  • 食事中はなるべく音を立てないようにする(麺類などは音を立てて食べても問題ない)

  • 食事の前にスプーンや食器を布で拭く(屋台や食堂など)


また、食事を重んじる文化があるため、食事中のコミュニケーションも大切です。


6.カンボジア人から見た日本人の印象

カンボジア人から見た日本人の印象

カンボジアは、親日国として知られています。日本に対して、友好的な感情を抱いているカンボジア人は多いでしょう。外務省が実施した対日世論調査によると、カンボジア人は日本に対して以下の印象を抱いているとのデータが出ています。

日本に抱いているイメージ

割合(複数回答可)

戦後一貫して平和国家の道を歩んできた国

51%

経済力、技術力の高い国

42%

豊かな伝統と文化を持つ国

32%

自由・民主主義といった価値観を有する国

32%

生活水準の高い国

30%

自然の美しい国

24%


同じ対日世論調査で、「あなたの国と日本は現在どのような関係にあると思いますか?」という質問に対して、「とても友好関係にある」と回答した人は57%、「どちらかというと友好関係にある」と回答した人は35%でした。



この調査から、カンボジア人は日本や日本人に対して良いイメージを持っていることが分かります。


7.カンボジア人は日本にどれくらい在留している?

ここでは、カンボジア人が日本にどれくらい在留しているのか解説します。在日カンボジア人・技能実習・新規入国者数の項目別で見ていきましょう。


在日カンボジア人の推移【2022年頃から増加傾向】

在日カンボジア人の推移は、以下のグラフの通りです。

2015年末の時点で6,111人、2020年末の時点で1万6,659人と右肩上がりで推移しました。2021年末は1万4,736人と減少しますが、その後は2022年末の時点で1万9,604人、2023年末の時点で2万3,750人、2024年末の時点で2万6,827人と増加傾向にあります。


技能実習の在留人数の推移【今後増えると予想】

技能実習のカンボジア人の在留人数は、2023年末時点で1万4,187人、2024年末時点で1万5,492人です。

技能実習制度は、日本国内の深刻な人手不足を補う手段として活用されています。カンボジア人の技能実習生の受け入れはまだ実績が少ないものの、今後増える可能性は十分にあるでしょう。



カンボジア人の新規入国者数の推移【2020年から2022年にかけて減少】

カンボジア人の新規入国者数の推移は、以下のグラフの通りです。

2019年の時点で、新規入国者数は2万6,080人でした。しかし、2020年の時点で6,654人、2021年の時点で579人、2022年の時点で1万1,706人と減少しています。これは恐らく、新型コロナウイルスによる影響です。そのため今後、日本へ新規で入国するカンボジア人は増えると予想できます。


8.まとめ

カンボジア人の文化は、仏教(上座部仏教)による影響が反映されています。カンボジアの人々の基盤であり、生活様式や価値観の中心といっても過言ではありません。


仏教の教えにより、「協調性を重んじる」「家族を大切にする」「礼儀正しい」といった性格や国民性の人が多いとされています。おもてなしの心(ホスピタリティ精神)を持つ人も少なくありません。


近年では、在日カンボジア人は増加傾向にあります。カンボジア人にどのような特徴があるのか把握し、採用計画に役立てて頂けると幸いです。


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