タイ人の文化・特徴・国民性は?在日タイ人の推移や日本とのマナーの違いも解説
- numabukuro4649
- 1 日前
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東南アジアの中心部に位置しているタイは、国民の約94%が仏教を信仰している国です。仏教を軸にしながらも、インドや中国の影響を受けることで多様な文化を形成しています。
この記事では、タイ人の文化や国民性、宗教事情についてまとめました。日本とのマナーの違いや、在日タイ人の推移も詳しく解説しています。
タイ人の文化や性格を知り、採用計画に役立てたい方はぜひ参考にしてください。
目次
3.タイの歴史・文化
4.タイ人の宗教事情
8.まとめ
1.タイの基本情報|人口・平均年齢・公用語は?

国名 | タイ王国(Kingdom of Thailand) |
首都 | バンコク |
面積 | 約51万3,115平方km |
人口 | 6,595万人(2024年時点) |
公用語 | タイ語 |
民族 | タイ族、華人、マレー族など |
宗教 | 仏教(約94%)、イスラム教(約5%)、その他にキリスト教、ヒンドゥー教など(約1%) |
平均年齢 | 41.5歳(2024年推定) |
主要な祝日 | ・国王戴冠日(Coronation Day) ・メーデー(Labour Day) ・ソンクラーン(タイ正月) |
タイは、インドシナ半島の中南部に位置している東南アジアの国です。ミャンマーやラオス、カンボジアやマレーシアと国境を接しています。
タイの首都はバンコクで、プーケットやパタヤといったリゾート地は多くの旅行者から人気です。まずはタイの地理や気候、人口や公用語などの基本情報から詳しく見ていきましょう。
地理はインドシナ半島中央部、南北に細長く広がる
タイは、インドシナ半島の中央部に位置しており、南北に細長く広がっている東南アジアの国のひとつです。西側に広がるアンダマン海(インド洋)と、東側に広がるタイ湾(太平洋)の2つの海を擁しています。
国土面積は約51万3,115平方kmで、日本の約1.4倍の大きさです。首都のバンコクを含む、77県から成り立っています。
気候は国土の大半が熱帯モンスーン気候に属している
タイの国土の大半は、熱帯モンスーン気候に属しています。熱帯モンスーン気候とは、季節風の影響によって、乾季と雨季が明確に分かれる気候のことです。
タイの季節は、主に以下の3つに大きく分けられます。
乾季(11月~2月):爽やかな晴天が続き、雨は降らないことが多い
暑季(3月~5月):日差しが強くなり、蒸し暑い日が続く
雨季(6月~10月):1時間~2時間程度のスコールが降ることがある
首都バンコクの月ごとの平均気温は27.4℃~30.8℃で推移しており、1年を通して高温多湿な日が続きます。しかし、暑季でも朝晩はやや気温が下がるため、比較的過ごしやすくなるでしょう。
人口は6,595万人、タイ族が大多数を占めている
タイの人口は、2024年時点で約6,595万人です。そのうちの約547万人(2023年時点)が首都バンコクに住んでいます。
タイでは、2019年に直近で最高となる人口約6,656万人を記録しました。しかし、タイの調査会社カシコン・リサーチ・センターによると、高齢化や出生率低下が原因で人口は減少を続けているようです。2074年には、約5,570万人まで縮小するのではないかと予測されています。
民族はタイ族が大多数を占めており、国民の約85%です。他にも、タイではモン・クメール系やマレー系、ラオス系やインド系などの民族が暮らしています。山岳部には、独自の文化や言語を持つ少数民族も暮らしているとのことです。
公用語は文字や声調が独特なタイ語
タイの公用語は、文字や声調が独特なタイ語です。タイ語の文字は、42種類(実用上)の子音字と母音符号、声調記号の組み合わせで形成されています。文字ごとの区別がしづらく、単語ごとにスペースを空けずに書くため、タイ人でも習得には時間がかかるようです。
タイ語の声調は、アクセントや抑揚で5種類に分かれています。似た音の単語でも声調で意味が変わるため、タイ語が難しいとされている理由のひとつだといえるでしょう。
また、首都のバンコクで話されている中央タイ語の他にも、以下のような方言があります。
イサーン語:主にタイ東北部やラオスで使われている
チェンマイ語(北タイ語):主にチェンマイで使われている
南タイ語:主にマレー半島で使われている
なおタイでは、英語が公用語に含まれていません。しかし、首都のバンコクや観光地など、一部の地域では英語が通じることもあります。
食文化は地域によって違いがある

タイの主食はお米ですが、食文化は地域によって違いがあります。以下では、タイの食文化の特徴を4つの地域に分けてまとめました。
地域 | 料理の特徴 | 代表的な料理 |
北部 | マイルドな味で脂が多い | ・ゲーンハンレー ・カントーク |
東北部 | 味が濃く辛味と塩味が強い | ・ソムタム ・ガイヤーン |
南部 | 豊富な魚介類を使う | ・ゲーンタイプラー ・カオヤム |
中央部 | マイルドな味で甘味がある | ・トムヤムクン ・グリーンカレー ・マッサマンカレー |
タイ料理の味をつくっているのは、辛味・酸味・甘み・塩味・旨味です。これらが組み合わさることで、ピリっとした刺激やさっぱりとした風味、香りが加わって奥深い味わいが生まれています。
主要な祝日、国王戴冠日について
国王戴冠日(Coronation Day)は、タイの主要な祝日のひとつです。タイ王国の国王が正式に戴冠した日(2019年5月4日)を記念する祝日で、同年にタイ政府によって制定されました。
国王戴冠日は毎年5月4日で、2025年は5月5日が振替休日になっています。
2.タイ人の6つの特徴|性格や価値観、国民性は?

ここでは、タイ人に共通することの多い6つの特徴を解説していきます。
(1)親日国として有名で日本の文化に親しみを持っている人が多い
(2)マイペンライの考え方により、穏やかな性格の人が多い
(3)仏教の影響で信仰心が深い傾向がある
(4)礼儀正しく、年上や地位の高い人への敬意が重要視されている
(5)人をもてなすホスピタリティの精神を持っている
(6)学習意欲や教育への意識が高い傾向がある
タイ人の性格や価値観、国民性について詳しく見ていきましょう。
(1)親日国として有名で日本の文化に親しみを持っている人が多い
タイは、世界的に見ても親日国だといわれています。タイの王室と日本の皇室は長年にわたって友好関係を築いており、こうした背景から日本に良い印象を持っている人が多いようです。
歴史的背景も相まって、アニメ・映画・漫画など、日本の文化に親しみを持っている人が多い傾向があります。バンコク市内の店舗では、日本の有名人やキャラクターのグッズが販売されていることも少なくありません。日本の人気作品は、現地のタイ語に翻訳されて流通しています。
(2)マイペンライの考え方により、穏やかな性格の人が多い
タイ人の国民性は、「マイペンライ」という言葉で表すことがあります。マイペンライとは、日本語で「大丈夫」「気にしないで」「問題ない」に当たる言葉です。
タイ人はマイペンライの考え方が根付いており、穏やかな性格の人が多い傾向があります。もちろん場面や状況によっては厳格な対応も求められますが、一般的には困難な状況にも前向きに対処しようとする文化が感じられます。
(3)仏教の影響で信仰心が深い傾向がある
タイの国民の約93.5%は仏教徒です。仏教の影響によって、信仰心が深い人が多い傾向があります。
中でも上座部仏教(Theravada Buddhism)が広く信仰されており、仏教の教えに基づく生活が一般的です。一人ひとりの国民が人間関係を重んじて、社会全体の調和を保つことを大切にする文化が根付いています。
(4)礼儀正しく、年上や地位の高い人への敬意が重要視されている
タイ人は礼儀正しく、年上や地位の高い人への敬意が重要視されています。目上の人に対しては、タイ語のクン(日本語で「さん」や「さま」に当たる敬称)を使い、相手に敬意を表するのが一般的です。
特に上座部仏教を信仰している人は、徳を積む行為の「タンブン」を大切にしています。善行をして徳を積むほど、来世が良くなるという考え方です。
(5)人をもてなすホスピタリティの精神を持っている
観光立国として知られるタイでは、外国人に対して親しみやすい態度やホスピタリティの精神が広く見られます。
2024年には約3,500万人を超える外国人観光客を迎え、観光収入は1兆8,000億バーツとなりました。観光業の発展とともに人を歓迎する文化がさらに根付いています。
こうした背景から、異文化交流にも積極的で、他者への思いやりや柔軟な対応が日常生活でも見られるのがタイ人の魅力の一つといえるでしょう。
(6)学習意欲や教育への意識が高い傾向がある
タイでは教育に対する意識が高く、多くの家庭が子どもの教育に力を入れている傾向があります。若者(15歳~24歳)の識字率は、男性が98%、女性が99%と高水準です。
出典:UNICEF『世界子供白書2023』(2023)
良い教育は将来の安定や社会的地位につながるという価値観が根付いており、社会人になってからも意欲的に学ぶ姿勢が広く見られます。
3.タイの歴史・文化

タイの歴史は、推定紀元前1500年頃の先史時代から始まりました。現在の東北部に当たるバンチェン遺跡は、青銅器文化の発祥地のひとつとして知られています。先史時代の貴重な遺跡として、1992年に世界文化遺産に登録されました。
6世紀から11世紀頃になると、モン族による都市国家が建国されます。インド文化や仏教の影響が強く、初期仏教の広まりにも関与しました。
その後、13世紀以降には、以下の国家がタイで興亡することになります。
スコータイ朝:クメール王国から自立して建国した最初の国家で、仏教の普及が進む
アユタヤ朝:チャオプラヤ川中流のアユタヤを中心に建国される
北部王朝:ランナー王国などタイ北部の王朝や、タイ東北部に影響を与えたランサン王国など独自の文化を発展させる
トンブリー朝:タクシン王がバンコク西岸に都を置き再統一を試みる
ラタナコーシン朝:チャクリがラーマ1世としてバンコクを首都に建国される
現在も続くラタナコーシン朝(チャクリー王朝またはバンコク王朝)は、近代国家へと変貌を遂げます。鉄道や道路の敷設、電報事業などの近代化が行われました。1939年になると、今までのサイアム(シャム)国からタイ王国と改めて現在に至ります。
このような歴史を持つタイと深く関わっている文化は仏教です。日本で主流の大乗仏教とは違い、上座部仏教が信仰されており、国民の価値観や生活に根付いています。
宗教や思想などの文化は、インドから輸入されました。一方で陶器づくりや食文化などの生活文化は、中国からの影響を受けています。中華料理の影響で、タイ料理に炒め物や麺類が加わり、国民の間で中国文化が浸透するようになりました。
4.タイ人の宗教事情

ここでは、タイ人の宗教事情について解説していきます。タイ人がどのような宗教を信仰しているのか見ていきましょう。
国民の約93.5%が仏教を信仰している
タイでは、国民の約93.5%が仏教を信仰しています。タイ人の宗教割合の表は、以下の通りです。
宗教 | 割合 |
仏教 | 約94% |
イスラム教 | 約5% |
その他 | 約1% |
信教の自由は保障されていますが、仏教が社会の基礎に大きな影響を与えています。例えば、タイの仏教徒が日常生活で守るべき五戒はこちらです。
不殺生戒(生命のあるものを殺さない)
不偸盗戒(与えられないものを取らない)
不邪淫戒(不適切な男女関係を結ばない)
不妄語戒(偽りを語らない)
不飲酒戒(お酒を飲まない)
ただし、仏教の教えで「不飲酒戒(お酒を飲まない)」とありますが、バンコクなどの都市部においては飲酒文化が若年層を中心に定着しています。仏教の教えと現実には多少の違いがあり、実際には多くの人が適度にお酒を楽しんでいるようです。
イスラム教やキリスト教を信仰している人もいる
タイでは、仏教以外にもイスラム教やキリスト教を信仰している人もいます。イスラム教は唯一絶対の神(アッラー)を信仰する宗教、キリスト教はイエス・キリストの教えを信じる宗教です。
タイの憲法では宗教の自由が認められているため、必ずしも仏教を信仰しなければならないわけではありません。ただし、国王に関しては、「仏教を信仰し、その保護者でなければならない」と憲法に明記されています。
5.タイと日本のマナーの違い

以下では、タイと日本のマナーの違いについてまとめました。生活と食事の両方の観点から見ていきましょう。
あいさつのマナーの違い
タイでは、年上の人や地位の高い人を敬う文化が根付いています。
目下の立場の人から先にあいさつをするのが一般的で、この点は日本と共通する部分もあります。
タイならではの特徴的なあいさつとして 「ワイ(ไหว้)」 があります。手を胸の前で合わせて軽くお辞儀をするスタイルで、敬意や感謝、挨拶の意味を込めて行われます。
ワイを受けた際は、基本的にワイで返すのが礼儀とされています。ただし、親しい間柄になれば日常的な場面では必ずしも毎回ワイを行う必要はなくなります。
交通マナーの違い
タイと日本では交通事情にも違いが見られます。タイでは以下のような特徴があります。
信号が赤でも左折できる(一部左折禁止の場所はある)
日本に比べると交通マナーはやや寛容な傾向があり、譲り合い意識が必ずしも徹底されているとは限らない
バイクは車の間を縦横にすり抜けることが日常的に見られる
バスなどの公共交通機関では、時刻表が明確に提示されていないケースが多く、運行間隔は実際の交通状況に左右されやすい
※BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)など都市鉄道は比較的正確なダイヤで運行されている
また、道路における優先意識については、日本では歩行者優先が徹底されていますが、タイでは車両優先の場面が多く見られます。歩行者は車両の動きに十分注意する必要があります。
食事の観点における違い
タイ料理は、日本においても人気のグルメです。しかし、食事にまつわるマナーや習慣には日本とは異なる点も多く見られます。
タイでは以下のような食事における風習やマナーがあります。
食器は手に持たず、テーブルの上に置いたまま食べる
食器に口を直接つけて料理を食べたり、スープを飲んだりしない
食事中に音を立てないことが好まれる
これらの食事のマナーは、仏教の教えに基づいていることが多いようです。食事の所作にも、他者への配慮や静かに食べることが重んじられています。
6.タイ人から見た日本人の印象

近年では、日本とタイの国際交流が深まっています。タイは親日国として知られており、日本に対して良いイメージを持っていることが多いようです。
外務省の対日世論調査によると、タイ人は日本に対して以下のような印象を抱いているとのデータが出ています。
日本に抱いているイメージ | 割合(複数回答可) |
豊かな伝統と文化を持つ国 | 62% |
経済力、技術力の高い国 | 59% |
自然の美しい国 | 52% |
生活水準の高い国 | 46% |
アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信する国 | 41% |
戦後一貫して平和国家の道を歩んできた国 | 32% |
自由・民主主義といった価値観を有する国 | 31% |
出典:外務省『対日世論調査』(2023)
豊かな伝統や技術力の高さ、自然の美しさなどが高く評価されています。日本全体ではなく、日本人に対しても「真面目で誠実な人が多い」「時間をしっかり守る」などの良い印象を持っている人が多いといわれています。
7.タイ人は日本にどれくらい在留している?
ここでは、どのくらいのタイ人が日本に在留しているのか解説していきます。在日タイ人・技能実習の在留人数・新規入国者数のそれぞれの推移を見ていきましょう。
在日タイ人の推移【少しずつ上昇傾向】
在日タイ人の推移のグラフは、以下の通りです。
2015年末から2019年末にかけて、在日タイ人の人数は右肩上がりに増えていきます。2020年末から2021年末にかけては減少しました。しかし、2022年末は5万6,701人、2023年末は6万1,771人、2024年末は6万5,398人と上昇傾向にあります。
技能実習の在留人数の推移【2021年から増加傾向】
タイ人の技能実習の在留人数推移は、以下の通りです。
技能実習とは、開発途上国の人々が日本の企業で実務を通して技術や知識を習得し、それぞれの母国へ持ち帰って普及してもらう、国際協力のための制度です。
タイ人の技能実習生の人数は、2021年末に7,478人に減少、2022年末に9,425人となりましたが2020年末よりは少ない人数となりました。転じて、2023年末には1万1,287人、2024年末には1万2,435人と再び増加しています。技能実習制度に関しては、下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
タイ人の新規入国者数の推移【2023年から2024年にかけて大幅に増加】
最後に、タイ人の新規入国者数の推移を見ていきましょう。
2021年から2022年にかけては、新型コロナウイルスによる影響でタイ人の新規入国者数は減少しています。しかし、2023年には98万1,323人、2024年(速報値)では112万9,627人と大幅に増加しました。
2024年における外国人新規入国者数を見てみると、タイは韓国・台湾・中国・アメリカ・香港に次いで多い数値です。
8.まとめ
タイの文化には、古くから仏教が大きく影響しています。国民の約93.5%の人は仏教徒です。
こうした背景によって、タイ人は信仰心が深く、年上や地位の高い人への敬意が重要視されている傾向があります。人をもてなすホスピタリティの精神や親しみやすい性格は、タイ人の素晴らしい国民性だといえるでしょう。
近年では、在日タイ人や技能実習の在留人数が上昇傾向にあります。タイ人の文化や性格を把握して採用計画に役立てたい方は、ぜひ当記事を参考にしてみてください。
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