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在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは?就労ビザの申請要件や取得方法、採用時の注意点、不許可事例を解説

  • 執筆者の写真: Hayato Kuroda
    Hayato Kuroda
  • 5月19日
  • 読了時間: 20分

更新日:6月2日

在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは?

外国人材の採用を検討している企業にとって、適切な在留資格の選択は重要な課題です。特に「技術・人文知識・国際業務」は、ビジネス職からエンジニア職まで、外国人採用で最も広く活用されている在留資格の1つです。しかし、申請要件や取得方法、審査基準など理解しておくべきポイントが数多くあります。


そこで本記事では、「技術・人文知識・国際業務」の基本概要から申請条件、取得手続き、さらには実際の許可・不許可事例まで、外国人採用を進める企業担当者が知っておくべき情報を詳しく解説します。


外国人材の確保に向けた第一歩として、ぜひ参考にして下さい。


目次

  1. 「技術・人文知識・国際業務」(技人国・ギジンコク)ってどんな在留資格?

  2. 「技術・人文知識・国際業務」に含まれる業務一覧

  3. 就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」に必要な4つの要件

    (1)学歴・職歴と業務内容が関連していること

    (2)学歴が大学卒業または日本の専門学校卒業以上であること

    (3)雇用元企業の経営状態が良好であること

    (4)日本人と同等以上の給与水準であること

  4. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得方法

  5. 「技術・人文知識・国際業務」ビザで採用する際の5つの注意点

  6. 「技術・人文知識・国際業務」申請の許可事例

  7. 「技術・人文知識・国際業務」申請の不許可事例

  8. まとめ


  1. 「技術・人文知識・国際業務」(技人国・ギジンコク)ってどんな在留資格?

PCのビザ申請フォームを眺める外国人男性

「技術・人文知識・国際業務」とは、海外でいう「就労ビザ」に相当する日本の就労可能な在留資格の1つです。この在留資格は、外国人が持つ専門的な知識や技術を日本社会に還元することを目的としており、自然科学や人文科学の専門知識、あるいは外国文化に関する知識を必要とする業務に従事するために設けられています。


名称が長いため、実務では略して「技人国(ギジンコク)」と呼ばれることもあります。


在留資格と就労ビザの違い

正確には「就労ビザ」という在留資格は存在しません。「就労ビザ」は、就労可能な在留資格の総称として一般的に使われている言葉です。在留資格とは、外国人が日本に滞在するための法的地位を指し、その中で就労が認められるものを便宜上「就労ビザ」と呼んでいます。「技術・人文知識・国際業務」はその中の1つで、専門的・技術的分野での就労を認める資格です。


注目すべき点として、「技術・人文知識・国際業務」は近年の「特定技能」のような人手不足解消を直接的な目的とした在留資格ではありません。あくまで専門性を持った外国人材の知識・技術を活用するための資格になります。


技人国取得者の増加傾向

2024年6月末の在留外国人数は約359万人で、過去最高を更新しました。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格者数は2019年末の約27万人から着実に増加を続け、2024年6月末時点では約39万人(全体の11.0%)と、3番目に多い資格となっています。


この増加傾向は、日本企業のグローバル化と外国人専門人材への需要の高まりを反映しているといえるでしょう。



  1. 「技術・人文知識・国際業務」に含まれる業務一覧

PCを持ったエンジニアの外国人男性

「技術・人文知識・国際業務」在留資格は、名称の通り大きく3つの分野に分けられます。それぞれで認められる職種について詳しく見ていきましょう。


「技術」は技術者、エンジニアなど

「技術」とは、理学や工学、農学、医学、歯学および薬学、情報処理技術など自然科学分野の知識を活かす業務が該当します。具体的には以下のような職種があります。


  • 機械工学や電気工学などの技術者

  • システムエンジニア

  • プログラマー

  • ネットワークエンジニア

  • 情報セキュリティ技術者

  • 建築・土木技術者

  • 生産管理技術者


これらの職種に就くためには、大学や専門学校で関連する分野を専攻していた、あるいは実務経験があることが重要です。特にIT業界ではエンジニア人材の需要が高く、「技術」の在留資格で就労する外国人が増加しています。


「人文知識」は営業、企画、マーケティングなど

「人文知識」は、法律学、経済学、社会学や文学、哲学、教育学や心理学などの人文科学分野における専門知識を活用する業務です。以下のような職種が含まれます。


  • 企画・経営戦略

  • 営業(法人向けや提案型の営業など、専門知識を活かした内容

  • マーケティング担当

  • 経理・財務

  • 人事・労務

  • 法務・知財管理

  • 総務

  • ビジネスコンサルタント

  • 広報

  • 商品開発


営業職やマーケティング職に就く場合でも、単なる接客や販売ではなく、専門知識を活かした業務である必要があります。例えば、海外市場向けの商品開発やインバウンド顧客向けのマーケティング戦略立案などが該当します。


「国際業務」は通訳、翻訳、貿易など

「国際業務」は、外国の文化に基づく思考や感受性を必要とする業務が対象です。この分野での代表的な職種には以下のようなものがあります。


  • 通訳

  • 翻訳

  • 語学講師(民間の語学学校など)

  • 海外取引担当者

  • 貿易実務担当者

  • デザイナー(外国文化の知識や感性を活かした商品デザインや広告デザイン業務など)

  • 外国語対応のカスタマーサポート

  • 通訳業務を含むホテルスタッフ


「国際業務」の特徴は、外国人本人の母国文化や言語に関する知識を活かせる点です。例えば、中国人であれば中国語と日本語を使った業務、フランス人であればフランス文化を取り入れたデザイン業務などが認められます。


  1. 就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」に必要な4つの要件

ビザ申請書類に入力する手元

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請するためには、いくつかの厳格な条件を満たす必要があります。これらの要件を満たしていない場合、申請が不許可となる可能性が高いため、採用計画の段階から十分に理解しておくことが重要です。


「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の申請に必要な要件

  1. 学歴・職歴と業務内容が関連していること

  2. 学歴が大学卒業または日本の専門学校卒業以上であること

  3. 雇用元企業の経営状態が良好であること

  4. 日本人と同等以上の給与水準であること


(1)学歴・職歴と業務内容が関連していること

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格取得において最も重要な条件が、外国人本人の専門的な知識・スキルと従事予定の業務との関連性です。例えばコンピューターサイエンスを専攻した人がITエンジニアとして働く、経営学を学んだ人が営業やマーケティング職に就く、といった関連性が求められます。


単に「技術」「人文知識」「国際業務」の職種カテゴリーに当てはまるだけでは不十分で、その外国人が大学や専門学校で専攻した科目、あるいはこれまでの実務経験と、これから従事する業務内容との直接的な関連性が審査されます。この関連性が認められない場合、たとえ他の条件を満たしていても不許可となるケースが多いため注意が必要です。


(2)学歴が大学卒業または日本の専門学校卒業以上であること

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、原則として以下のいずれかの学歴条件を満たす必要があります。


  • 海外の大学を卒業していること(日本の大学卒業に相当することを証明)

  • 日本の大学を卒業していること

  • 日本の専門学校を卒業していること


海外の専門学校卒業では学歴条件を満たせないことに注意して下さい。もし上記の学歴条件が満たせない場合でも、以下の実務経験があれば条件を満たすことが可能です。

  • 「技術」または「人文知識」分野:関連業務での10年以上の実務経験

  • 「国際業務」分野:関連業務での3年以上の実務経験


実務経験の期間には、大学等で関連科目を専攻した期間も含めることができます。また、必ずしも「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務だけでなく、関連する業務に従事した期間も実務経験に含まれます。


(3)雇用元企業の経営状態が良好であること

外国人を雇用する企業側にも条件があります。出入国在留管理庁は、受け入れ企業の経営状態が安定しているかどうかを審査します。これは、外国人労働者が安定して働き続けられる環境を確保するためです。


厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」でも、企業は労働関係法令や社会保険関係法令を遵守し、外国人労働者が適正な労働条件と安全衛生を確保しながら働ける環境を整えるよう定められています。


具体的には、企業の財務状況(貸借対照表や損益計算書など)や事業実績、社会保険の加入状況などが審査されます。赤字経営が続いている企業や、設立間もない会社などは、審査がより厳しくなる傾向があります。



(4)日本人と同等以上の給与水準であること

外国人労働者に支払われる報酬は、同じ業務を行う日本人従業員と同等以上でなければなりません。これは「同一労働同一賃金」の原則に基づくもので、国籍や在留資格に関わらず適用される重要な条件です。


なお、ここでいう「報酬」とは「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」を指し、通勤手当、扶養手当、住宅手当など実費弁償の性格を持つもの(課税対象となるものを除く)は含まれません。つまり、基本給や職務手当などが対象となります。


日本人と比べて著しく低い給与水準で雇用する場合、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は認められません。この点は不許可になりやすい要件の1つですので、採用計画の段階から適切な給与設計を行うことが重要です。


  1. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得方法

笑顔で握手する女性の外国人社員

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためのプロセスは、外国人材を採用する状況によって異なります。ここでは主な3つのケースに分けて、具体的な申請手続きの流れを解説します。


海外から外国人を採用する場合

海外在住の外国人を直接採用する場合は、以下の手順で手続きを進めます。


  1. 外国人と雇用契約を締結 まず企業と外国人の間で雇用契約を締結します。この際、業務内容や勤務条件、給与などを明確に定めた雇用契約書を作成します。

  2. 企業が「在留資格認定証明書交付申請」を実施 次に企業が外国人に代わり「在留資格認定証明書交付申請」を地方出入国在留管理局に行います。この申請には雇用契約書の他、企業の登記簿謄本や決算書類、外国人の学歴証明書や職歴証明書など、多くの書類が必要です。

  3. 「在留資格認定証明書」を外国人に送付 申請が許可されると「在留資格認定証明書」が交付されますので、これを海外の外国人本人に送付します。

  4. 外国人本人が日本大使館にビザを申請 在留資格認定証明書を受け取った外国人は、自国の日本大使館または総領事館で査証(ビザ)を申請します。

  5. 就労開始 査証の発給を受けた後、外国人は日本に入国し、就労を開始できます。


この手続きには通常、申請から在留資格認定証明書の交付まで1〜3ヶ月程度の期間を要するため、余裕を持ったスケジュール設定が必要です。


国内の外国人を採用する場合

既に日本国内に滞在している外国人、例えば留学生などを採用する場合は、以下の手順となります。


  1. 外国人と雇用契約を締結 企業と外国人の間で雇用契約を締結します。留学生の場合は、卒業見込みであることを確認し、卒業後の雇用開始日を明確にしておきます。

  2. 外国人が「在留資格変更許可申請」を実施 外国人本人が「在留資格変更許可申請」を地方出入国在留管理局に提出します。この申請には雇用契約書や企業概要、学位証明書(卒業証明書)などの書類が必要です。留学生の場合、卒業前でも卒業見込証明書があれば申請可能です。

  3. 就労開始 申請が許可されると、外国人の在留カードの在留資格が変更され、許可された日から就労が可能となります。


このケースでは、外国人本人が主体となって申請を行いますが、必要書類の多くは企業側が準備する必要があるため、採用企業としてサポートすることが重要です。


他社からの転職者を採用する場合

既に「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格を持ち、日本国内の他社で働いている外国人を採用する場合は、以下の手順となります。


  1. 外国人と雇用契約を締結 企業と外国人の間で雇用契約を締結します。

  2. 外国人が「就労資格証明書交付申請」を実施 転職先での業務内容が現在の在留資格の活動範囲内であるか確認するため、外国人が「就労資格証明書交付申請」を地方出入国在留管理局に提出します。

  3. 就労可否の確認 就労資格証明書により、現在の在留資格のまま新しい職場で働けることが確認できれば、そのまま就労を開始できます。もし業務内容が大きく変わる場合など、在留資格の変更が必要と判断された場合は、外国人が「在留資格変更許可申請」を行います。

  4. 就労開始


「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は比較的広い範囲の業務をカバーしているため、同じ資格内での転職であれば手続きはシンプルです。ただし、業務内容が大きく変わる場合は注意が必要です。


また上記の各ケースにおいて必要書類や審査のポイントが異なります。申請書類の準備や記入方法によって審査結果が左右されることもあるため、専門家のサポートを受けることもご検討下さい。


外国人・グローバル人材の採用はConnect Job


  1. 「技術・人文知識・国際業務」ビザで採用する際の5つの注意点

PCを見て悩む社員

外国人材を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用し、継続的に雇用していく上で、企業側が注意すべきポイントがいくつかあります。これらを正しく理解し、適切に対応することで、在留資格に関するトラブルを防ぐことができます。


技人国ビザの外国人を採用するときの注意点

  1. 学歴や職歴が業務と関連しているか

  2. 変更後の業務が在留資格に該当するか

  3. 単純労働の仕事はできない

  4. 在留資格の更新時期を把握する

  5. 副業やアルバイトには資格外活動許可が必要な場合も


学歴や職歴が業務と関連しているか

「技術・人文知識・国際業務」ビザで外国人材を採用する際、最も重要なのは学歴や職歴と業務内容の関連性です。この関連性は採用時だけでなく、在留期間の更新時にも厳しく審査されます。

採用時には履歴書や職務経歴書を丁寧に確認し、その人の専門性と予定業務が合っているかを必ず確認しましょう。


変更後の業務が在留資格に該当するか

社内異動や職務内容の変更がある場合、変更後の業務が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で認められる範囲内かどうかを確認することが重要です。


例えば、システムエンジニアから海外向け営業への異動を検討する場合、その外国人が営業職に必要な知識や経験を持っているかどうかが問われます。在留期間の更新時に、変更後の業務内容と本人の学歴・職歴の関連性が再審査され、関連性が認められなければ不許可となるリスクがあります。


業務内容の変更を検討する際は、事前に出入国在留管理庁に確認するか、専門の行政書士に相談することをおすすめします。特に大きな職種変更の場合は、在留資格の変更申請が必要になることもあります。


単純労働の仕事はできない

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、専門的知識を必要としない単純労働に従事することはできません。これは在留資格の本質的な制限であり、違反した場合は在留資格の取り消しなどの厳しい措置につながる可能性があります。


単純労働とは、工場でのライン作業、一般的な接客業務、清掃、荷物の運搬など、特別な専門知識や技術を必要としない作業を指します。例えば外国人ITエンジニアに倉庫での荷物管理を任せたり、外国人マーケティング担当者にレジ業務をさせたりすることは認められません。


なお、入社時の研修として一時的に現場作業を経験させることは、その目的と期間が妥当であれば問題ないケースもありますが、事前に出入国在留管理庁に確認しておくと安心です。


業務内容によっては特定技能を検討する必要性も

単純労働を含む業務を外国人に担当させたい場合、「特定技能」などの在留資格も考慮すべき選択肢となります。「特定技能」は「技術・人文知識・国際業務」よりも対応できる業務範囲が広く、大学卒業などの学歴条件もないため、採用の可能性を高められるかもしれません。


特定技能や技能実習でできる業務との比較

「技術・人文知識・国際業務」では専門知識を要する業務のみが認められますが、「特定技能」と「技能実習」は単純作業を含む業務も可能です。「特定技能」は人手不足分野(建設業、介護、外食産業など16分野)で、試験に合格すれば大学卒業などの学歴条件なしに就労できる制度となります。


一方「技能実習」は技能移転が目的で、工場でのライン作業や農作業など実務的な技能習得が中心です。業務内容に単純作業が含まれる場合や、学歴条件を満たさない外国人の採用を検討する際は、これらの在留資格が適している可能性があります。企業の採用ニーズに合わせた選択が重要です。


在留資格の更新時期を把握する

「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、3ヶ月、1年、3年、5年のいずれかが付与されます。特に初回申請では1年の在留期間が認められることが多いため、更新時期を適切に管理することが重要です。


在留期間が満了する前に更新手続きを行わなければ、外国人従業員は不法滞在となってしまい、企業も「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。

企業側としては、外国人従業員の在留カードを確認し、在留期間の満了日を人事システムなどで管理しておきましょう。また、更新申請は在留期間満了日の3ヶ月前から可能ですので、余裕を持った対応を心がけることが大切です。


副業やアルバイトには資格外活動許可が必要な場合も

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人が副業やアルバイトをする場合、内容によっては「資格外活動許可」が必要となります。


本業と関連性のある専門的な仕事であれば問題ない場合もありますが、本業と異なる分野の仕事や単純労働にあたる場合は、事前に資格外活動許可を取得しなければいけません。


また、自営業形態での副業は原則として認められていません。外国人が自分でビジネスをはじめて収入を得る活動は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の範囲外と判断されるためです。

企業としては、外国人従業員が副業を希望する場合、適切な手続きを踏むよう指導すると共に、社内規定との整合性も確認しておくことが重要です。


  1. 「技術・人文知識・国際業務」申請の許可事例

会話し合う外国人社員

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請では、どのようなケースが実際に許可されているのでしょうか。出入国在留管理庁が公表している事例をもとに解説します。


本国の大学で専攻した分野を活かした専門職の事例

海外の大学で工学を専攻して卒業した外国人が、本国のゲームメーカーでオンラインゲーム開発やサポート業務の経験を積んだ後、日本のグループ企業との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて次期オンラインゲームの開発プロジェクトに参画するケースが許可されています。


この事例では、学歴と職歴が業務内容と明確に関連しており、専門的な技術が必要とされる職種に就くことが許可されました。


日本の大学を卒業した留学生の事例

日本の大学の工学部を卒業した留学生が、電機製品の製造企業に就職し、技術開発業務に従事するケースもあります。この場合、日本の大学で専攻した分野と就職先での業務内容が直接関連しており、専門的知識を要する職種ということが明確であるため許可されました。


これらの許可事例から分かるように、学歴・専攻と業務内容の明確な関連性、そして専門的知識や技術を必要とする職種であることが重要なポイントとなっています。


  1. 「技術・人文知識・国際業務」申請の不許可事例

スマホとショックを受け座り込む男性

「技術・人文知識・国際業務」の申請では、以下のようなケースで不許可となることがあります。


学歴と業務内容の関連性が認められない事例

教育学部を卒業した外国人が、弁当の製造・販売業務を行う企業との契約に基づき、弁当加工工場での箱詰め作業に従事すると申請したケースがあります。この申請は、当該業務が人文科学の分野に属する専門知識を必要とするものとは認められず、また単純労働にあたると判断されたため不許可となりました。


このケースでは、学歴と業務の関連性がないことに加え、弁当の箱詰めという作業自体が専門性を必要としない単純労働と判断されました。このような場合は、「特定技能」などの別の在留資格の取得を検討する方が適切でしょう。


企業の実態が認められない事例

経済学部を卒業した外国人が、会計事務所との契約に基づき会計事務に従事するとして申請したものの、申請書に記載された事務所の所在地には実際には料理店が存在していたケースがあります。出入国在留管理局が説明を求めたにもかかわらず明確な回答が得られなかったため、企業の実態が認められず不許可となりました。


このケースでは、受け入れ企業の実態に疑義があり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行う環境が整っていないと判断されました。在留資格申請においては、受け入れ企業の実態や事業内容の透明性も重要な審査ポイントです。


過去の在留状況に問題があるケース

商学部を卒業した外国人が、貿易業務を行う企業との契約に基づき海外取引業務に従事するとして申請したケースで、審査の過程で当該外国人が「留学」の在留資格で在留中に1年以上にわたり毎月200時間以上(資格外活動許可の上限を大幅に超過)のアルバイトをしていたことが判明しました。この過去の在留状況が良好とは認められないため不許可となりました。


このケースでは、業務内容自体は適切であっても、過去に在留資格に基づく活動条件を著しく逸脱していたことが問題視されました。在留資格の申請では、これまでの在留状況も審査の対象となることを理解しておく必要があります。



申請が不許可になってしまった時の対処法

在留資格申請が不許可となった場合、まず出入国在留管理局で詳細な理由を確認することが重要です。「在留資格認定証明書不交付通知書」に記載された不許可理由を正確に把握し、対策を練りましょう。


例えば、業務内容と学歴・職歴の関連性が認められなかった場合は、外国人の過去の職務経験をより詳細に説明する資料を追加したり、業務内容を調整したりすることで再申請が認められるケースもあります。また、「技術・人文知識・国際業務」での不許可が続く場合は、「特定技能」など別の在留資格の可能性も検討しましょう。


ただし、外国人採用の経験が少ない企業が独自に対応するのは難しく、再度不許可になると採用計画に大きな遅れが生じます。専門知識を持つ人材紹介会社や行政書士に早めに相談することで、スムーズな問題解決が期待できるでしょう。


  1. まとめ

「技術・人文知識・国際業務」在留資格は、専門的知識を持つ外国人材を採用するための重要な選択肢です。申請には学歴・職歴と業務内容の関連性が最も重要で、単純労働は認められません。審査は厳格ですが、条件を満たせば多様な分野で活躍できる在留資格です。


外国人採用を検討している企業は、要件を十分に理解し、適切な準備を行うことで、グローバル人材の力を最大限に活かすことができます。ご不明点やさらに詳しい情報が必要な場合は、ぜひConnect Jobにご相談下さい。



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運営会社:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社(https://www.4th-valley.com



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