インドネシア人の文化・国民性、宗教は?在日インドネシア人の推移や日本とのマナーの違いも解説|外国人・グローバル人材採用|Connect Job
- numabukuro4649
- 4月17日
- 読了時間: 16分
更新日:7 日前

インドネシアは、東南アジア南部に位置している国です。第二次世界大戦以降は日本と密接な関係を築いており、近年では経済成長を遂げています。
日本政府が外国人労働者の受け入れを拡大したことによって、日本で働くインドネシア人は増えました。そこで、この記事ではインドネシア人の文化や国民性、宗教や日本との違いについて解説していきます。
インドネシア人の雇用を検討している方は、ぜひ一度参考にしてみて下さい。
目次
8.まとめ
1.インドネシアの基本情報|人口・平均年齢・公用語は?

国名 | インドネシア(インドネシア共和国、Republic of Indonesia) |
首都 | ジャカルタ |
面積 | 約192万平方km |
人口 | 約2億8,522万人 |
公用語 | インドネシア語 |
民族 | 約1,300(ジャワ人、スンダ人、バタック人、パプア人など) |
宗教 | イスラム教、キリスト教、ヒンズー教、仏教 |
平均年齢 | 約30.4歳 |
主要な祝日 | ・ムハマッド昇天祭 ・サカ暦新年(ニュピ) ・キリスト受難日 ・パンチャシラの日 ・独立記念日 |
インドネシアは、約1万8,000の島々を抱えている東南アジアの国です。正式名称は「インドネシア共和国」で、1945年8月に独立宣言をしました。
まず最初に、インドネシアの地理や気候、人口や公用語などの基本情報から見ていきましょう。
・地理
インドネシアは、東南アジア南部の赤道付近に位置しています。赤道をまたぐように約18,000の島々があるとされています。
全ての島の国土面積を合わせると、約192万平方kmになります。日本全体の約5倍の大きさで、主な島はスマトラ島・バリ島・カリマンタン島・ジャワ島・スラウェシ島です。
・気候
インドネシアは赤道直下の熱帯地域に位置しているため、1年中暖かい気候が続いています。主に乾季と雨季の2つに分かれており、それぞれの季節の特徴は以下の通りです。
乾季(5月~10月):太陽が強く降り注ぎ、湿度も低めで過ごしやすい
雨季(11月~4月):高湿度で激しいスコールの後には涼しい風が吹く
インドネシアの首都であるジャカルタでは、平均気温が1年を通して27℃~30℃くらいになります。
雨季は日本の梅雨と異なり、スコールのような大雨が降るのが特徴です。
・人口・民族
インドネシアの総人口は、2025年の時点で約2億8,522万人です。平均年齢は約29歳で、同じ東南アジアのベトナム(約31歳)やタイ(約40歳)と比べると若い国であることが分かります。
インドネシアは、約300もの民族が存在している多民族国家です。東部や中部のジャワに住んでいるジャワ人が人口の約40%、西ジャワに住んでいるスンダ人が約15%、スマトラ北部に住んでいるバタック人が約3%を占めています。
・公用語
インドネシアの公用語は、インドネシア語です。英語では「Indonesian」や「Bahasa Indonesia」と表記し、1928年の第2回インドネシア青年会議で公用語として定められました。
他にもさまざまな言語が話されていますが、ビジネスシーンでは準公用語の英語を使う機会が多いとされています。
・食文化
インドネシアの食文化は、地域別の伝統料理が特徴的です。以下のように、島や民族ごとにさまざまな郷土料理があります。
香辛料を使った西スマトラ島のパダン料理
甘めの味付けのジャワ料理
あっさりとした味付けのスンダ料理
塩辛い味付けのバリ料理
日本と異なり、アルコールの摂取や豚肉を食べることはほとんどありません。これは広く信じられているイスラム教の影響を受けています。
・歴史的背景
インドネシアは、多様な文化を継承し続けている国です。紀元前3世紀頃に、モンゴル系のマレー人がインドネシアへの移住をはじめます。
13世紀になると、急速にイスラム教が伝播しました。オランダの植民地支配や日本の支配を経て、1945年にインドネシア共和国として独立しました。
・主要な祝日、キリスト受難日について
インドネシアの主要な祝日は、キリスト受難日です。キリストの受難(苦しみや災いを受けること)と十字架の死を記念する日で、英語では「Good Friday」と呼ばれています。
イースター(復活祭)の前の金曜日が祝日なため、2024年は3月29日、2025年は4月18日と毎年異なるのが特徴です。
2.インドネシア人の特徴|性格や価値観、国民性は?

近年では、日本で働くインドネシア人が増えています。そのため、インドネシア人と接する機会も増えると予想できるでしょう。
そこで、インドネシア人の性格や価値観、国民性について解説していきます。インドネシア人の採用を考えている雇用主や人事担当者は、どのような特徴の人々なのかチェックしておきましょう。
多宗教国家であることからさまざまな価値観を受け入れる柔軟さがある
インドネシアは多宗教国家です。以下のように、インドネシア人の87.2%はイスラム教徒ですが、さまざまな宗教信仰の自由が認められています。
宗教 | 割合 |
イスラム教 | 87% |
プロテスタント | 7.4% |
カトリック | 3% |
ヒンドゥー教 | 1.7% |
仏教 | 0.7% |
多種多様な文化が存在していることから、あらゆる価値観を受け入れる柔軟さを持つ人が多いと言われています。宗教が異なる者同士でも、お互いの信仰を尊重し合う国民性です。
また、温暖な気候による影響なのか、「何とかなる」と楽観的でポジティブな人も多いとされています。インドネシア人が良く使う言葉の「ティダ・アパアパ」は、「気にしないで」「何でもない」という意味合いです。
相互扶助の意識が強く、相手を気遣うことができる優しさを持ち合わせています。
目上の人に敬意を示す文化から本心を隠すことがある
インドネシアでは、目上の人や周囲の人に敬意を示す文化があります。中でも、ビジネスシーンでは上下関係に厳しい傾向があり、きちんと礼儀を守らなければなりません。
その影響により、インドネシア人は本心を隠すことがあります。本心は無理だと思っていても、「わからない」「できない」などのNoの意思を示さない人も少なくありません。
本当の思いを打ち明けることが少ないのは、相手の気分を害したくないと考える優しさの表れです。日本人にも「本音と建前」という価値観があるため、インドネシア人と似ている部分があります。
年中常夏であることからスローペースな性格の人が多い
インドネシアは、年中常夏の気候です。四季がある日本とは違い、平均気温は1年を通して27℃~30℃程度で推移します。
暖かい地域で過ごしている影響なのか、インドネシア人はスローペースな性格の人が多いと言われています。「渋滞でも焦らない」「お店で行列ができていても焦らない」という人も少なくありません。
穏やかな人や大らかな人、温厚な人も多いとされています。
急ぐ習慣がないことから時間にルーズな一面がある
インドネシアでは、「ジャムカレット(ゴム時間)」という表現が使われることがあります。これは、時間がゴムのように伸び縮みするという意味で、インドネシア人の柔軟な時間感覚を表しています。
国民性として、時間に厳しく縛られることを好まず、急いで行動する習慣もあまりありません。そのため、日本人の感覚からすると「時間にルーズ」と感じられる場面もあります。たとえば、待ち合わせに30分ほど遅れることも珍しくなく、こうした傾向は日常生活に限らず、ビジネスシーンにも見られます。
このような文化的背景を理解したうえで、時間に対する考え方の違いがあってもスムーズに仕事を進められるよう、柔軟な対応や工夫が求められます。
1日に5回の礼拝などムスリムの習慣を大切にしている
インドネシアは、世界でもトップクラスのムスリム人口を有しています。ムスリムとは、イスラム教の信者を指す言葉です。
2023年の統計によると、インドネシアには約2億4,000万人以上のイスラム教徒がいるとされています。
そのため、1日に5回の礼拝など、ムスリムの習慣を大切にしている人が多いです。イスラム教徒は、以下のように決められた時間にお祈りをします。
Subuh(夜明け前)
Zuhur(昼12時頃)
Asar(午後3時頃)
Magrib(夕方6時頃)
Isya(夜8時頃)
インドネシア人と一緒に働く際は、ムスリムにとって欠かせないお祈りの習慣を尊重しましょう。
3.インドネシアの歴史や文化

インドネシアは、文字による記録が存在しない先史時代から始まり、さまざまな宗教の影響を受けて発展してきました。紀元前3世紀頃に、モンゴル系のマレー人が中国やベトナムからインドネシアへ移住しはじめます。
そして、7世紀頃になるとヒンドゥー王国や仏教王国が栄えて、東南アジアの中でも最も強力な王国として約600年間に渡って勢力を誇りました。
17世紀からはオランダによる植民地支配が続きます。そして、第二次世界大戦期の日本による軍事支配の後、第二次世界大戦後の1945年8月17日にインドネシア共和国として独立しました。1997年に民主化が進みましたが、多民族国家であることから「多様性の中の統一」を国是として掲げています。
インドネシアの文化の中でも、宗教や家族は大きな特徴です。世界最大のイスラム教徒人口の国ですが、他にもさまざまな宗教が信仰されています。インドネシア人は家族の絆が強く、両親や年長者に対する敬意を重んじています。
4.インドネシア人の宗教事情

多宗教国家のインドネシアには、日本とは異なる事情があります。インドネシア人を採用したり一緒に働いたりする際には、きちんと理解しなければなりません。
そこで、以下ではインドネシア人の宗教事情について詳しく解説していきます。
公的に認められている6つの宗教のいずれかへの信仰が必要になる
インドネシアには、パンチャシラと呼ばれる国家原則があります。インドネシア共和国憲法の前文で述べられており、次の5つの建国五原則のことです。
①唯一神への信仰
②公正で文化的な人道主義
③インドネシアの統一
④合議制と代議制における英知に導かれた民主主義
⑤全インドネシア国民に対する社会的公正
インドネシアでは、神への信仰が定められています。そのため、公的に認められているイスラム教・キリスト教(カトリック、プロテスタント)・ヒンズー教・仏教・儒教の6つの宗教への信仰が必要です。
パンチャシラにより、無宗教であることは基本的に認められていません。「無宗教=共産主義」と見なされてしまうのが理由です。
無宗教的な考えを持つ人もいる日本人から見てみると、インドネシアの国家原則には驚くかもしれません。
宗教にまつわる国民の祝日が多い
多宗教国家のインドネシアでは、以下のように宗教にまつわる国民の祝日が多いです。
祝日 | 2025年の日付 | 関連する宗教 |
ムハンマド昇天祭 | 1月27日(月) | イスラム教 |
サカ暦新年(ニュピ) | 3月29日(土) | ヒンドゥー教 |
イドゥル・フィトリ | 3月31日(月) 4月1日(火) | イスラム教 |
キリスト受難日 | 4月18日(金) | キリスト教(プロテスタント) |
仏教祭 | 5月12日(月) | 仏教 |
キリスト昇天祭 | 5月29日(木) | キリスト教(プロテスタント) |
独立記念日 | 8月17日(日) | 特になし |
クリスマス | 12月25日(木) | キリスト教(カトリック) |
イスラム教・ヒンドゥー教・仏教が関連する祝日は、それぞれの宗教のカレンダーを使います。そのため、毎年日付が変わるのが特徴です。
また、8月17日(日)の独立記念日は、インドネシアの国民全員がお祝いをします。
イスラム教徒が守るべき5つの義務(五行)がある
インドネシアでは、イスラム教を信仰している人が最も多いです。イスラム教徒のムスリムには、次の5つの守るべき義務(五行)があります。
信仰告白(シャハーダ):アッラーを唯一神として、ムハンマドはその使徒であると唱える
礼拝(サラート):1日に5回に渡って、キブラ(メッカのある方向)にお祈りをする
喜捨(ザカート):財産が豊かな人は、貧しい人に対して施しを行う
断食(サウム):4週間の断食期間中は、日の出から日没まで飲食ができない
巡礼(ハッジ):一生に一度は、サウジアラビアの聖地メッカへ巡礼する
五行の中でも、礼拝(サラート)と断食(サウム)は、インドネシア人と一緒に働く上で重要です。たとえ勤務中でも、1日に5回は何度も礼拝をします。また、原則神に許された食べ物(ハラルフード)しか口にすることができず、豚肉や酒類の摂取は許されていません。
これらはイスラム教徒が守るべき義務のため、一緒に働く人も理解を深めるようにして下さい。
宗教の信仰度合いは人によって違いがある
6つのいずれかの宗教への信仰が必要なインドネシアに対して、「信仰心が強い」とイメージしている人はいませんか?しかし、宗教の信仰度合いは人によって大きな違いがあります。
多くのイスラム教徒が暮らしている中東と比べてみると、インドネシアはイスラムの戒律にそこまで厳しくありません。個人の価値観で異なるため、ムスリムでも「お酒を飲んでいる」「断食をしていない」という人は少なからずいるようです。
このように、多様性を認め合う国民性は、インドネシアの素晴らしい文化だと言えるでしょう。
5.インドネシアと日本のマナーの違い

インドネシアと日本とでは、文化やマナーに違いがあります。
例えば、日本ではあいさつが重要視されており、会う人に対してお辞儀をするのが一般的です。インドネシアでは、手のひらを合わせてSelamat sore(スラマッ・ソレ)と言います。インドネシア人とあいさつを交わす時は、ゆっくりと丁寧に行いましょう。
言葉遣いに関しては、日本もインドネシアも丁寧な表現が大事です。初対面の人や目上の人に対しては、敬語を使わなければなりません。
食事のマナーは、箸の使い方に厳格なルールがある日本とは異なり、インドネシアでは右手を使って食べます。左手は不浄とされているため、食事の際に使うのはNGです。
仕事の観点で見てみると、インドネシア人は仕事よりも宗教や家族を優先する傾向があります。日本人とは仕事観が異なるため、一緒に働く時は注意が必要です。
インドネシア人の仕事観や働き方については下記の記事で詳しく解説しています。
6.インドネシア人から見た日本人の印象
インドネシア人は親日だと言われています。インドネシア人に対して、「あなたの国と日本は現在どのような関係にあると思いますか」とのアンケートを実施したところ、以下の結果が出ています。
回答 | 割合(300人ベース) |
とても友好関係にある | 75% |
どちらかというと友好関係にある | 21% |
どちらかというと友好関係ではない | 1% |
全く友好的な関係ではない | 1% |
わからない | 2% |
約96%の人が日本と友好関係にあると考えているようです。また、インドネシア人は日本に対して、次のようなイメージを持っているとのデータが出ています。
豊かな伝統と文化を持っている
経済力や技術力が高い
生活水準が高い
新しい文化を発信している
自然が美しい
国際社会においてリーダーシップを有している
日本で働くインドネシア人が増えているのは、「高収入を目指しやすい」という理由だけではありません。日本の文化や生活水準の高さなど、日本で働くこと自体にポジティブなイメージを持っている人が多いと判断できます。
また、規律正しい人が多い日本人は、律儀に約束を守ります。細かいところに良く気付いたり、正確に時間を守ったりする点も、日本人ならではの特徴です。
礼儀正しくマナーを守る点では、インドネシア人と日本人は似ています。インドネシアにおいて、年上の人を尊敬したり目上の人に敬意を払ったりするのが重要な価値観です。
7.インドネシア人は日本にどれくらい在留している?
令和6年の10月時点で、日本には16万9,359人のインドネシア人が在留しています。前年度と比べて、在留人数の増加率が高い国のひとつです。
日本に来て働くインドネシア人が増えているのは、「治安が良い」「生活環境や労働環境に魅力を感じる」などの理由が考えられます。
以下では、在日インドネシア人・技能実習生・新規入国者数の推移についてまとめました。
在日インドネシア人の推移
在日インドネシア人の推移は、以下のグラフの通りです。
2021年末に日本に在留しているインドネシア人が減っているのは、新型コロナウイルスによる影響だと考えて良いでしょう。その後は、2022年に9万8,865人、2023年に14万9,101人、2024年6月末に17万3,813人と増え続けています。
10年間で約5倍も増えており、増加率が高いことが分かるでしょう。
技能実習生の在留人数の推移
技能実習制度とは、開発途上国の経済発展を支援するために技能移転を行う目的の制度です。
インドネシア人の技能実習生の在留人数は、以下のグラフのように推移しています。
2021年末に日本に在留している技能実習生が減少しているのは、同じく新型コロナウイルスによる影響です。しかし、2022年から2024年にかけては伸び続けており、日本の企業で技術を習得するために来日しています。
インドネシア人の新規入国者数の推移
新規入国者数とは、入国時に在留資格を受けて日本への上陸を許可された人の数を指します。インドネシア人の新規入国者数の推移は、以下のグラフの通りです。
2023年には40万1,876人、2024年には47万8,973人と大幅に増え続けていることが分かります。多くのインドネシア人が海外へ出稼ぎに出ており、高収入を目指せる日本は代表的な国のひとつです。
8.まとめ
インドネシアは、宗教に関わる文化が特徴的な国です。イスラム教・プロテスタント・カトリック・ヒンドゥー教・仏教・儒教の人々が共存しており、6つの宗教を信仰する自由が認められています。
多宗教国家であるため、あらゆる価値観を受け入れる国民性がインドネシア人の大きな特徴です。日本とのマナーの違いは見られますが、礼儀正しい点では似ています。
近年では、日本に在留しているインドネシア人の数が増えています。インドネシア人の労働者の採用を検討している企業は、文化や国民性について把握しておきましょう。
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