ネパール人の平均年収・最低賃金はいくら?日本で働く人が増加する理由やネパール人とうまく仕事を進めるコツを解説|外国人・グローバル人材採用|Connect Job
- numabukuro4649
- 2 日前
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ネパールは日本と友好的な関係にあり、日本へ働きに来る人もいます。日本が出稼ぎ先として選ばれている理由のひとつは、ネパール国内よりも高収入が期待できるからです。
この記事では、ネパール人の平均年収や最低賃金について解説しています。日本との労働環境の違いや、ネパール人のスタッフとうまく仕事を進めるコツもまとめました。
ネパール人の採用を検討している企業や人事担当者は、ぜひ参考にして下さい。
目次
8.まとめ
1.ネパール人の平均年収に関する基本情報

日本とネパールでは、文化や物価だけではなく平均年収にも違いがあります。まず、ネパール人の平均年収や最低賃金について見ていきましょう。
ネパール人の平均年収は日本円で約21~27万円
2024年5月に発表された2024年~2025年の予算発表でネパールのバルシャマン・プン財務大臣は、ネパール人のひとり当たりの所得は1,456米ドルに達したと述べています。2024年1月時点での為替レート「1USD=146.11円」で計算すると、日本円にして約21万円です。
日本人の平均年収である460万円と比較してみると、ネパール人の所得水準は低いといえます。しかし、ネパールは日本と比べて大幅に物価が低いため、年収21万円程度でも一定の生活水準を維持することが可能とされています。
最低賃金は月額1万7,300ネパール・ルピー
ネパール政府は、2022年に最低賃金を月額1万7,300ネパール・ルピー(NPR)に引き上げました。この最低賃金の改定により、それまでの月額1万5,000ネパール・ルピーから約15.33%の引き上げで、この水準は2025年5月時点でも維持されています。
2025年5月2日時点の為替レート(1NPR=1.06円)で換算すると、約1万8,400円となります。この金額は、バングラデシュやスリランカの最低賃金と同程度であり、インド(ニューデリー)の約半分に相当します。
業種や職種ごとの平均年収の違い
ネパール人の平均年収は、業界で異なります。業種や職種でどの程度変わるのか見ていきましょう。
業界 | 平均年収(NPR) | 平均年収(JPY) (レートは2025年5月2日時点) |
電気・ガス・熱供給業 | 77万ネパール・ルピー | 約81万9,000円 |
情報・通信業 | 72万ネパール・ルピー | 約76万6,000円 |
上下水道業 | 59万4,000ネパール・ルピー | 約63万2,000円 |
鉱業・採石業 | 59万2,000ネパール・ルピー | 約63万円 |
芸術・娯楽・レクリエーション業 | 17万6,000ネパール・ルピー | 約18万7,000円 |
農林水産業 | 17万5,000ネパール・ルピー | 約18万6,000円 |
サービス業 | 15万ネパール・ルピー | 約16万円 |
教育業 | 14万ネパール・ルピー | 約14万9,000円 |
電力会社や情報通信業で働くネパール人は、平均年収が高めです。一方でサービス業や教育業は、給与が低いことが分かります。
2.新卒のネパール人の初任給

新卒のネパール人の初任給に関するデータはありません。しかし、ネパール国内では就職先が不足している傾向があります。他のアジア諸国と比べて雇用機会や稼げる産業が少なく、2023年時点での失業率は10.7%です。
外国人雇用局(DoFE)のデータによると、2024年~2025年の8ヶ月間に53万人以上のネパール人が就職先を求めて国を離れています。ネパールを出国した若者のうち、32.41%の人がUAEに移住しているようです。他にも、サウジアラビア・カタール・クウェート・マレーシアに移住しているネパール人もいます。日本へ移住したネパール人の総数は、1,966人でした。
選択肢の中で日本は少数ですが、治安や労働環境の良さから今後日本で働くネパール人は増えると予想できます。
3.ネパールでの生活費の目安は?

ネパールでは、民族や地域によって生活スタイルが異なります。個人の事情で変化しますが、ネパールでの生活費の目安は以下の通りです。
項目 | 費用(NPR) |
住居費 | 8,000ネパール・ルピー |
光熱費 | 500ネパール・ルピー |
食費 | 8,000ネパール・ルピー |
通信費 | 300ネパール・ルピー |
雑費 | 3,000ネパール・ルピー |
あくまでも一般的な生活費のため、都市部と地方で変わります。都市部よりも物価が安い地方では、もっと少ない費用で生活できるでしょう。
住んでいる地域に関わらず、ネパールでの生活費は日本よりもはるかに安いのが特徴です。以下では、ネパールと日本を交通手段別の料金で比較してみました。
交通手段 | ネパール(NPR) | 日本(JPY) |
バス(初乗り) | 15ネパール・ルピー | 200~230円(東京) |
タクシー(初乗り) | 14ネパール・ルピー | 470~500円(東京) |
ネパールでのバスの初乗り金額は、日本の12分の1程度です。また、ネパールではバスやタクシーに加えて、電動モーターが付いた三輪車も代表的な交通手段になっています。
4.日本とネパールの労働環境の違い

日本と海外とでは、労働環境が異なります。ネパールも例外ではありません。以下では、日本とネパールの労働環境の違いを詳しく解説していきます。
収入の安定度合いの違い
日本とネパールとでは、収入の安定度が違います。ネパールにおいて農業は重要な産業で、国民の6割以上が従事しており、GDPに占める割合は3割程度です。
しかし、技術的な進歩の遅れや気候変動による影響によって、安定した収入を得るのが難しい状況となっています。
首都のカトマンズや観光業が栄えている地区では、非農業分野の雇用が以前よりも増えました。それでも、ネパール国内全体で見てみると仕事が少ないため、収入の安定を求めて日本や他の国へ出稼ぎするネパール人が増加しています。
労働時間に関する違い
ネパールでの雇用形態は、正規雇用や有期雇用、臨時雇用やパートタイム雇用に分類されています。勤務時間や残業時間に関する規定は、以下の通りです。
通常の労働時間は1日8時間、週48時間まで
残業時間は1日最大4時間、週24時間まで
連続で5時間の勤務後、30分間の休憩が必要
日本の労働基準法では、「1日に8時間、1週間に40時間を超えてはならない」「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要」と定められています。
つまり、ネパールは日本と比べて1週間の労働時間が長め、休憩時間が短めに設定されていることが分かります。
ボーナスや退職金に関する違い
ネパールでのボーナス制度は、ボーナス法およびボーナス規則によって規定されています。企業は6ヶ月以上働く従業員に対して、会計年度の純利益の最低10%をボーナスとして配分しなければなりません。
日本では、ボーナスの支払いに関する法的義務はありません。ボーナスの支給の有無や回数、賞与の計算方法は企業の判断で自由に設定できます。
また、ネパールでは3年以上勤務した従業員に対して、以下の退職金を支払う義務があります。
勤続年数 | 退職金の支払い義務 |
勤続年数7年未満の従業員 | 直近の月給の1/2相当額 |
勤続年数7年以上15年未満の従業員 | 直近の月給の2/3相当額 |
勤続年数15年以上の従業員 | 直近の月給の1ヶ月相当額 |
日本ではボーナスと同様に、退職金に関しても企業による支払い義務はありません。そのため、ボーナスや退職金の制度で比較してみると、日本よりもネパールの方が手厚いと判断できます。
宗教上の配慮に関する違い
ネパールではヒンドゥー教徒の割合が81.3%と高く、次いで仏教徒が9.0%、イスラム教徒が4.4%です。
無宗教の人が多い日本と比べてみると、仕事において宗教上の配慮が必要です。例えば、ヒンドゥー教において牛は神聖な動物とされているため、牛肉を食べるのは禁忌です。
とはいえ、インドのヒンドゥー教徒に比べると、ネパール人の敬虔の度合いは低くなっています。牛肉の忌避以外の配慮は不要です。インド人の文化や国民性、宗教事情については下記のページで詳しく解説しています。
5.ネパール人から見た日本での就職や日本企業の魅力

ここでは、ネパール人から見た日本での就職や日本の企業の魅力について解説していきます。なぜ日本で働くネパール人が増えているのか、5つの理由について見ていきましょう。
(1)国内で働くよりも多くの収入を得られる
(2)生活しやすい環境が整っている
(3)福利厚生が補償されていて労働環境が良い
(4)日本の高度な技術や知識を習得できる
(5)幅広い業種や職種から仕事を選べる
以下で詳しく解説していきます。
(1)国内で働くよりも多くの収入を得られる
ネパール国内よりも高収入を目指せるため、日本に出稼ぎに来るネパール人が増えています。2024年における1人当たりのGDPのデータは、ネパールが1,389ドルなのに対して日本は32,498ドルです。
ネパールよりもGDPが高い日本は、国の経済や個人の消費が活発になりやすいと判断して良いでしょう。GDPの数値だけで測れるわけではありませんが、仕事自体が少ないネパールよりも日本の方が多くの収入を得ることができます。
(2)生活しやすい環境が整っている
日本は、世界的に見ても治安の良い国です。さらに電気・ガス・水道など、インフラも整備されています。
生活しやすい環境が整っている点は、ネパール人が日本での就職に魅力を感じる理由のひとつです。ネパールの地域によっては、「電気の供給が不安定」「交通機関が整備されていない」などのエリアも見られます。
自分が住んでいる地域の治安があまり良くないネパール人ほど、日本で働きたいと考えるでしょう。
(3)福利厚生が補償されていて労働環境が良い
ネパール人から見ると、日本の労働環境の良さは魅力のひとつです。日本では、人種に関わらず外国人労働者も平等に扱うとの法律の定めがあります。
最低賃金などの待遇の保障や福利厚生の補償を中心に、労働環境の良さに惹かれて日本で働きたいと考えるネパール人は多いようです。法律や制度の整備によって、日本は魅力的な就労先として注目を集めています。
(4)日本の高度な技術や知識を習得できる
日本では、他国と比べて高度な技術と産業の発展が進んでいる傾向があります。ネパール人にとって、日本での就労は専門知識や技術を学ぶ絶好の機会です。
製造業やIT産業、自動車産業など、専門職に従事した経験は、自国に帰った後のキャリア形成にも役立つでしょう。
(5)幅広い業種や職種から仕事を選べる
ネパール人にとって、幅広い業種や職種から仕事を選べるのは日本の魅力です。農業分野を例に挙げると、技能実習生数および特定技能外国人数の推移は上昇傾向にあります。
年度 | 特定技能 | 技能実習 | 総数 |
令和3年12月末 | 6,232人 | 2万4,522人 | 3万754人 |
令和4年6月末 | 1万1,469人 | 2万8,902人 | 4万371人 |
令和4年12月末 | 1万6,459人 | 2万7,318人 | 4万3,777人 |
令和5年6月末 | 2万882人 | 2万8,310人 | 4万9,192人 |
令和5年12月末 | 2万3,861人 | 3万171人 | 5万4,032人 |
ネパールでは農業が栄えているため、日本の第一次産業で活躍できる可能性があります。他にも、特定技能1号の仕事内容は、介護・ビルクリーニング・建設・宿泊・鉄道・外食業などさまざまです。
特定技能1号は通算で5年まで、特定技能2号は3年か1年または6ヶ月ごとと、就労可能な年数の長さも圧倒的な魅力です。特定技能16分野の職種一覧と外国人労働者の受け入れ状況に関しては、下記のページで解説しています。
6.ネパール人の働き方|日本人との違いや注意点は?

ネパール人と日本人とでは、仕事に対する考え方が異なります。ネパール人の雇用を検討するにあたって、仕事観について知っておくのは重要です。
ここでは、ネパール人の働き方に加えて、日本人との違いや注意点を解説していきます。
家族のために出稼ぎをしている人は仕事に真面目に取り組む
令和6年末時点で、日本に在留しているネパール人は23万3,043人です。国籍別で見てみると、ネパールがブラジルに代わって第5位になりました。
多くのネパール人は、家族のために海外へ出稼ぎしている傾向があります。日本での就労で得ることができる収入はネパールの数十倍で、家族にとっては数万円の送金が重要な収入源です。
そのため、仕事に対して真面目に取り組む勤勉な人が多いといわれています。「少しでも稼ぎたい」と考えて、率先して残業や夜勤に入るネパール人も少なくありません。
集団志向が強くてチームワークが重要視される
ネパールでの社会は、集団志向が強い傾向があります。職場での協力や他人との調和など、チームワークが重要という考え方です。
家族を大切にする価値観は、職場でも他人との協力を重んじる姿勢に反映されています。しっかりとコミュニケーションを取り、対人関係を円滑に保とうとする人が多いです。
この点において日本人と似ている部分があり、ネパール人は助け合いやチームワークを必要とする仕事に向いていると捉えて良いでしょう。
年上を敬う文化が根付いていて年配者を大切にする
ネパールでは、年上の人を敬う文化が根付いています。家族はもちろんのこと、上司など年配者を大切にする人が多いです。
日本でも勤続年数や年齢に応じて給料が上がったり役職が与えられたりする年功序列の文化があるため、ネパール人は日本での就労と相性が良いとされています。
日本人よりも時間に対してルーズなところがある
ネパール人と日本人では、時間感覚が異なります。日本人から見ると、ネパール人は大ざっぱだと感じやすいようです。
「約束を忘れる」「会議に遅れてくる」など、時間に対してルーズな人は少なくありません。こういった時間感覚は、ネパリタイム(ネパール時間)と呼ばれています。
また、宗教的・人種的に多様なネパールでは、お祭りや休日が多いです。日本の就労環境に慣れていないネパール人は、急に長期休暇を申請するケースもあります。
ネパール人の働き方について知らない日本人は、戸惑うことが多いでしょう。
7.ネパール人のスタッフとうまく仕事を進めるコツ

ネパール人と日本人とでは、仕事に対する考え方や働き方が異なります。そこで、ネパール人のスタッフとどのように接すれば良いのか、ポイントを把握しておくことで、仕事を進めやすくなるでしょう。
ここでは5つのコツを紹介します。
(1)文化の違いや宗教上の価値観を尊重する
(2)分かりやすい日本語でコミュニケーションを取る
(3)時間を守ることの大切さを伝える
(4)適切なトレーニングやサポートを行う
(5)ネパール人コミュニティとの連携を図る
(1)文化の違いや宗教上の価値観を尊重する
ネパールと日本で文化が異なるのは当然です。そのため、ネパール人のスタッフと一緒に仕事をする際は、文化の違いに関する理解を深めましょう。
ネパールでは、さまざまな民族が暮らしています。お互いの考え方を尊重し、個性を受け入れた上で良好な人間関係を築けるように努力するのが大事です。
また、ネパール人の約81.3%はヒンドゥー教を信仰しています。ヒンドゥー教徒に対して、タブーに当たる行為を強要するのは避けるべきです。
文化の違いに加えて、宗教上の価値観も尊重するようにしましょう。
(2)分かりやすい日本語でコミュニケーションを取る
日本での就労を希望している全てのネパール人が流暢に日本語を話せるとは限りません。
そこで、ネパール人のスタッフとは、分かりやすい日本語を使ってコミュニケーションを取るのがポイントです。難しい日本語は外国人が理解できず、指示が伝わらないと業務の遅れやトラブルの原因になります。
外国人でも理解できるやさしい日本語を使ったり、ゆっくり話すように心がけたりしましょう。円滑なコミュニケーションが取れるようになると、ネパール人のスタッフと信頼関係を築くことができます。
(3)時間を守ることの大切さを伝える
ネパリタイム(ネパール時間)という言葉がある通り、ネパール人はのんびりとした国民性です。
そこで、日本のビジネスにおいて、時間を守ることの大切さを分かりやすく伝えましょう。「納期やスケジュールを厳守する」「なるべく遅刻をしないようにする」など、日本の仕事での習慣に慣れてもらう必要があります。
日本の習慣を伝えるだけではなく、遅刻を避けるために確認したり会議の前にリマインダーを送ったりと、ネパール人のスタッフに徹底したサポートを行うのも大切です。
(4)適切なトレーニングやサポートを行う
外国に住んでいる人が日本で働き始めるのは大変なことです。そのため、ネパール人が新しい環境や業務に適応できるように、適切なトレーニングやサポートを実施しましょう。
具体的には、企業の文化や業務の手順を丁寧に教えます。さらに定期的なフィードバックを行い、職場への定着を助けてあげて下さい。
(5)ネパール人コミュニティとの連携を図る
日本で働くネパール人の中には、同郷のコミュニティとのつながりを大事にしている人がいます。そこで、労働者を雇用している企業がネパール人コミュニティとの連携を図りましょう。
例えば、コミュニティのリーダーと定期的な情報交換をしたり、イベントに参加したりすると、ネパール人労働者の現状を把握して適切な支援ができます。さらに、生活面でのサポートやトラブル防止にもつながります。
外国人労働者を雇用している企業が相互理解を深める取り組みを積極的に進めるのが大事です。
8.まとめ
ネパール人の平均年収は、約21~27万円と日本と比べて低くなっています。最低賃金も約1万8,400円程度です。
そのため、高収入を目指して日本で働くネパール人労働者が増えています。しかし、ネパール人と日本人とでは、文化や仕事に対する考え方が異なる点に注意しなければなりません。
これからネパール人の雇用を検討している企業は、ネパールの給与体系や労働環境に関する理解を深めるようにして下さい。
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