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タイ人の平均年収・最低賃金はいくら?日本で働く人が増加する理由・タイ人とうまく仕事を進めるコツ

  • numabukuro4649
  • 6月13日
  • 読了時間: 20分

更新日:9月12日

タイ人の平均年収・最低賃金はいくら?日本で働く人が増加する理由・タイ人とうまく仕事を進めるコツ

タイは東南アジアに位置する国のひとつで、首都バンコクを中心に都市圏の物価は上昇傾向にあります。業種差や地域差はありますが、タイ人の平均年収も緩やかに上昇しています。


この記事では、タイ人の最新の平均年収や最低賃金、地域別・職種別の給与事情について詳しく解説しています。さらに、タイの労働環境、日本で働くタイ人が増えている背景、タイ人とうまく仕事を進めるポイントも紹介します。


現地の給与事情を正しく理解し、タイ人採用や雇用計画の参考にしてみてはいかがでしょうか。


なお、外国人採用の流れや必要な手続きはこちらの記事でまとめています。

目次

1.タイ人の平均年収に関する基本情報

タイ人の平均年収に関する基本情報

まずは、タイ人の平均年収や日本との比較を見ていきます。タイにおける最低賃金の引き上げ、業種や地域ごとの平均年収の違いも確認しましょう。


タイ人の平均年収は日本円で約81~82万円

まずは、タイと日本の平均年収の比較をご紹介します。近年はタイ国内でも最低賃金の引き上げが進んでおり、業種や地域による年収の差が大きくなりました。


世界各国の統計データを提供しているCEICによると、タイ全国平均の月収は2024年12月時点で442 米ドルとのデータが報告されています。同月の為替レート「1米ドル=154.08円」を適用すると、平均月収は約68,103円、平均年収は約81〜82万円程度になります。


一方で、日本人の平均年収は、国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると約460万円です。このため、単純な金額比較ではタイ人の平均年収は日本人の約5分の1程度にとどまることになります。


なお、タイ国内の給与水準は都市部と地方で大きな差があり、今回の金額は全国平均の目安です。また、実際には為替レートの変動や物価水準の差も影響するため、比較の際はご留意ください。



業種や職種ごとの平均年収の違い

タイ人の平均年収は、業種や職種によって変わります。高収入の業種は、低所得者と比べて数倍以上の年収をもらえることも少なくありません。


以下では、タイ国家統計局(NSO)が提供しているデータをもとに、代表的な業種や職種の平均月収をまとめました。

業界

平均月収(THB)

(小数点以下は四捨五入)

平均月収(JPY)

※1バーツ=4.12円で算出

(2023年平均為替レート)

情報コミュニケーション

3万776バーツ

約12万6,800円

金融および保険

2万6,532バーツ

約10万9,300円

保健・社会福祉活動

2万977バーツ

約8万6,400円

電気・ガス・蒸気

2万670バーツ

約8万5,200円

鉱業・鉱石業

1万7,403バーツ

約7万1,700円

不動産

1万5,933バーツ

約6万5,600円

宿泊・飲食サービス

1万2,330バーツ

約5万800円

芸術・レクリエーション

1万2,301バーツ

約5万700円

工事

1万2,135バーツ

約5万円

※上記の平均月収は、最新のNSO公表データ(主に都市部を含む平均値)をもとにしています。 


例えば、情報コミュニケーションを例に挙げてみると、平均月収は3万776バーツ、年収に換算すると36万9,312バーツ(日本円で約152万円)です。


一方で工事関係の仕事の場合、平均月収は1万2,135バーツ、年収に換算すると14万5,620バーツ(日本円で約60万円)になります。タイでは職業によって、大きな所得格差が生じています。


地域ごとの平均年収の違い

タイでは、職業による収入格差に加えて、地域による格差もあります。


バンコクなどの首都圏では、高収入の業種や職種(情報コミュニケーション、金融および保険など)に就く人が多いです。一方、地方や農村部では農業・林業・飲食業などの低収入の職業に就く人の割合が高い傾向があります。


ここでは、タイ国家統計局(NSO)のデータをもとに、2021年時点での地域別の平均月収(1世帯当たり)をご紹介します。

地域

平均月収(THB)

(小数点以下は四捨五入)

平均月収(JPY)

※1バーツ=3.52円で算出

(2021年平均為替レート)

ノンダブリー

4万1,129バーツ

約14万4,800円

バンコク

4万201バーツ

約14万1,500円

パトゥムターニー

3万9,507バーツ

約13万9,100円

ナコーンパトム

3万8,788バーツ

約13万6,500円

シーサケート

1万6,569バーツ

約5万8,300円

パヤオ

1万6,338バーツ

約5万7,500円

チェンライ

1万5,619バーツ

約5万5,000円

メーホンソーン

1万5,496バーツ

約5万4,500円


こちらは、1人当たりではなく1世帯当たりのデータです。首都のバンコクは平均月収が4万201バーツ、平均年収に換算すると48万2,412バーツになります。2021年時点での平均レート「1バーツ=3.52円」で計算すると、平均年収は日本円で約169~170万円です。


一方でミャンマーとの国境にあるメーホンソーンは、平均月収が1万5,496バーツ、平均年収が18万5,952バーツと低いことが分かります。日本円に換算すると、約65~66万円です。


以上のように、地域によって収入格差が見られるため、地方からバンコクなどの大都市へ出稼ぎに行く人が増えています。


2025年に最低賃金を引き上げ

タイでは、定期的に最低賃金の引き上げが行われています。タイの国家賃金委員会は、2024年12月27日に最低賃金引き上げの決議を承認し、2025年1月1日より施行されました。


1日当たり337~400バーツに引き上げられましたが全国一律ではなく、以下のように地域ごとで異なります。

最低賃金(THB)

最低賃金(JPY)

※1バーツ=4.67円で算出

(2025年1月31日時点)

代表的な地域

400バーツ

約1,868円

・プーケット県

・チャチェンサオ県

・チョンブリー県

・ラヨーン県

・スラートターニー県(サムイ島郡のみ)

380バーツ

約1,775円

・チェンマイ県(ムアンチェンマイ郡のみ)

・ソンクラー県(ハートヤイ郡のみ)

372バーツ

約1,737円

・バンコク

・ナコーンパトム県

・ノンタブリー県

・パトゥムターニー県

・サムットプラーカーン県

・サムットサーコーン県

337バーツ

約1,574円

・ヤラー県

・パッタニー県

・ナラティワート県


首都のバンコクの場合、2024年時点での最低賃金は日額363バーツでした。今回の決議で日額372バーツに引き上げられており、1日当たり9バーツ(約42円)増えています。


タイの地域全体で見てみると、賃上げ率は平均2.9%になります。ピパット・ラチャキットプラカン労働相は、3ヶ月後に再び最低賃金の引き上げを検討しているようです。



国/地域別 採用マーケット情報

2.新卒のタイ人の初任給

新卒のタイ人の初任給

スイスに本社を置く人材サービス企業のAdecco(アデコ)によると、2023年時点でタイにおける経験0年~3年(新卒含む)の従業員の平均給与は、2万4,000~3万8,000バーツとのデータが出ています。


2023年の平均為替レート「1バーツ=4.12円」で計算すると、日本円で約9万8,880~15万6,560円です。新型コロナウイルスの流行で一時的に初任給は下がりましたが、2023年になって経済の回復と共に再び上昇傾向にあります。



また、セキュリティアナリストやソフトウエアテスターなどのIT職種では、平均月収が最高8万バーツ(約32万9,600円)に達したようです。特定の専門スキルが求められる職種では、新卒でも高い給与をもらえることが分かります。


3.タイでの生活費の目安

タイでの生活費の目安

タイでの生活費は、ライフスタイルや地域によって変わります。まずは、タイのワンルームの家賃がどのくらいなのか、都市部(バンコク)と地方で比較してみました。

エリア

家賃(THB)

日本円換算

※1バーツ=4.39円で算出

(2025年6月2日時点)

バンコク(中心部)

月額1万5,000~2万5,000バーツ

約6万5,800~10万9,600円

バンコク(中心部以外)

月額5,000~1万5,000バーツ

約2万1,900~6万5,800円

地方

月額5,000~1万2,000バーツ

約2万1,900~5万2,600円

同じバンコクでも、中心部と中心部以外の場所で家賃は変動します。地方の場合は、都市部と比べて家賃の相場は低くなるでしょう。


次に、家賃以外の生活費(光熱費・通信費・食費)の目安を見ていきます。

項目

生活費(THB)

日本円換算

※1バーツ=4.39円で算出

(2025年6月2日時点)

電気代(エアコン使用頻度で異なる)

月額1,500~3,000バーツ

約6,580~1万3,160円

水道代(使用量で異なる)

月額200~500バーツ

約880~2,190円

通信費(スマホのネット無制限)

月額300~600バーツ

約1,310~2,630円

食費

屋台:40~100バーツ

フードコート:80~200バーツ

レストラン:200~500バーツ

屋台:約175~438円

フードコート:約350~877円

レストラン:約877~2,190円

タイは年間を通して気温が高いため、エアコンの使用時間が長くなります。個人差はありますが、1ヶ月当たり1万円以上の電気代がかかることも少なくありません。水道代や通信費は比較的安く、食費は屋台・フードコート・レストランなど、食事をする場所で違いがあります。


「タイは東南アジアの国だから物価が安い」とイメージしている人は多いでしょう。しかし、バンコクなどの都市部は物価が上昇傾向にあるため、日本と大きな差が生じているわけではないのが実情です。


4.日本とタイの労働環境の違い

日本とタイの労働環境の違い

ここでは、日本とタイの労働環境の違いを解説していきます。

労働環境の違い

日本

タイ

労働時間

1日8時間、1週間で40時間以内

1日8時間、1週間で48時間以内(通常の業務)

所定外労働の賃金

通常の時間外労働は25%以上の割増賃金が発生

企業が設定する所定労働時間を超えた時点で150%の割増賃金が発生

祝日

1年間で16日(振替休日を含めない)

1年間で13日以上(国民の祝日または伝統的な祝日)

女性管理職の割合

少ない傾向

多い傾向

労働時間・所定外労働・祝日・女性管理職の割合の項目別で、詳しく見ていきましょう。


(1)労働時間の違い

タイでの労働時間は、労働保護法によって以下のように定められています。


  • 労働時間は1日8時間を超えてはならない

  • ある日の労働時間が8時間未満の場合、使用者と労働者の合意で他の日に補うことができる

  • 1週間の総労働時間は、48時間を超えてはならない


なお、危険性のある業務に従事する場合は、1日7時間・週42時間以内に制限されます(省令規定)。

日本の法定労働時間は、「1日に8時間」「1週間に40時間を超えてはならない」と定められています。そのため、1週間の労働時間は日本よりもタイの方が長いと言えるでしょう。



(2)所定外労働の賃金の違い

タイと日本では、所定外労働の賃金の割合に違いがあります。タイの労働保護法で定められている所定外労働の内容については、以下の通りです。


  • 使用者は労働者の同意を得ない限り、時間外労働を要求してはならない

  • 業務の内容や性質上、継続して行う必要があり、業務の停止で損害が生じる恐れがある場合、使用者は労働者に対して時間外労働を要求できる


タイでは使用者が従業員に対して時間外労働を要求する場合、就業時間数に対し就業日の時給の150%以上の金額を支払わなければならないと定められています。


一方で、日本における時間外労働に対する割増賃金は以下の通りです。タイの方が日本よりも割増賃金の割合が高いことが分かります。

割増賃金

割合

通常の時間外労働

25%以上

深夜手当(22時~翌5時)

25%加算

法定休日労働

35%以上


国/地域別 採用マーケット情報

(3)祝日の違い

タイの労働保護法では、労働者の祝日について以下のように定められています。


  • 使用者は大臣が定める労働者の日を含め、年間13日以上の伝統的祝日を労働者に対して事前告知しなければならない

  • 使用者は年次公休日・宗教的祝日・地方の伝統的祝日に準じて、伝統的祝日を定める

  • 伝統的祝日が労働者の週休日と重なる場合、翌営業日に振替休日として休日を取得しなければならない


タイでは国民の祝日または伝統的な祝日を、1年間で13日以上付与する義務があります。一方で日本の場合、国民の祝日に関する法律で規定されている日数は振替休日を含めず16日とされています。


単純に祝日の日数で比較してみると、タイよりも日本の方が多いことが分かります。ただし、タイでは祝日を企業が独自に定めることも認められています。そのため実際の運用上の休日数は、タイの方が多くなる年度もあるでしょう。



(4)女性管理職の割合の違い

タイでは、女性の社会進出が進んでいます。Grant Thorntonのビジネスレポートによると、タイの中堅企業における上級管理職に占める女性の割合は32%で、世界平均の27%を上回っているとのデータが出ていました。


一方で日本の場合、厚生労働省発表の2022年度「雇用均等基本調査」によると、管理職に占める女性の割合は12.7%とのデータが出ています。




タイでのデータは2020年、日本でのデータは2022年と年度が異なりますし、国によって管理職の定義にも違いがあるため、単純に比較することはできません。しかし、日本と比べてみると、タイでは女性管理職の割合が高い傾向があります。


5.タイ人から見た日本就職・日本企業の魅力

タイ人から見た日本就職・日本企業の魅力

ここでは、タイ人から見た日本での就職や日本の企業の魅力について解説していきます。


(1)日本の文化と触れ合うことができる

(2)治安が良くて衛生的で生活しやすい

(3)タイ国内と比べて高収入が期待できる


なぜ日本で働くタイ人の人数が上昇傾向にあるのか、理由を詳しく見ていきましょう。


(1)日本の文化と触れ合うことができる

日本の文化と触れ合うことができる点に惹かれて、日本で働きたいと考えるタイ人は増加傾向にあります。外務省が実施した対日世論調査によると、日本の文化(伝統文化・ポップカルチャー・和食など)を知りたいと回答したタイ人は、49%とのデータが報告されています。


日本貿易振興機構(ジェトロ)が就職活動中のタイ人に行ったアンケートでも、「日本の文化に興味があり、日本人の働き方に関心を持つようになった」との調査結果が出ています。


日本の漫画やアニメなどは、コンテンツとしてだけではなく、その背景に日本の価値観や文化が反映されています。日本の文化を知る目的で日本語を勉強し、働きたいと考えるようになったタイ人は少なくありません。



(2)治安が良くて衛生的で生活しやすい

日本は、世界的に見ても治安の良い国です。さらに衛生管理も整っているため、生活のしやすさや働きやすさで日本を出稼ぎ国として選ぶタイ人が増加傾向にあります。


タイの中でも、バンコクやチェンマイなどの観光客の多い場所は、比較的治安が良いです。しかし、他国との国境付近など、一部の地域は治安があまり良くないとされています。こうした地域に住むタイ人にとって、安全かつ快適な生活環境を持つ日本は魅力的な就労先として映るでしょう。



(3)タイ国内と比べて高収入が期待できる

タイでは、都市部と地方で収入の格差が広がっています。1世帯当たりにおける首都バンコクの平均月収は4万201バーツなのに対して、地方のメーホンソーンは1万5,496バーツです。

地方に住んでいるタイ人は特に、高収入が期待できる日本で働きたいと考える傾向が見られます。また、日本では幅広い業種や職種が用意されており、選択肢の豊富さも日本で働く魅力のひとつです。



国/地域別 採用マーケット情報

タイ人の採用はConnect Job で

タイ出身人材は、事務系職種、技術系職種に関わらず、多くの日本企業で活躍しています。特に、協調性が高く、気配りを重視するタイ人の国民性は日本の職場環境との親和性が高く、日本の企業でも評価されています。


外国人採用においては、国ごとの教育背景や文化、在留資格との相性を踏まえた「地域選定」が重要です。その中で、タイは技術力・語学力ともにバランスの取れた人材供給国として、多くの企業様からご支持いただいています。また、タイでビジネスを展開する企業様も多く、日本企業はタイ人材にとって、働きがいのある環境になりやすいです


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詳しくは以下のイベントレポートをご覧ください。



6.タイ人の働き方|日本人との違い、注意点は?

タイ人の働き方

ここでは、タイ人の働き方について詳しく解説していきます。


(1)ワークライフバランスを重視する傾向がある

(2)仕事よりも家族という価値観を持っている人が多い

(3)一緒に働く人との人間関係を重視する傾向がある

(4)仕事のミスや失敗に対して寛容な傾向がある


日本人との仕事観の違いや注意点も見ていきましょう。


(1)ワークライフバランスを重視する傾向がある

タイでは定時退社の文化が根付いており、決められた仕事を行って定時に帰る人が多い傾向があります。休憩時間にしっかり休憩を取ったり、仕事終わりのプライベートを優先したりと、ワークライフバランスを重視する姿勢が強いです。


一方で日本では、長時間労働が多く見られます。そのため、タイ人の労働者に日本人の働き方を一方的に押し付けないようにしましょう。


(2)仕事よりも家族という価値観を持っている人が多い

タイ人は、家族や親しい友人などの集団を大切にする文化が根付いています。中でも、地方や農村部ではその傾向が顕著です。「仕事よりも家族」という価値観を持っている人も多く見られます。


家族との絆が強いタイ人は、子どもの行事や親の介護など、家庭の事情を優先する傾向があります。例えば、日本で見られる単身赴任という働き方は、タイではあまり見られません。


(3)一緒に働く人との人間関係を重視する傾向がある

タイ人は、職場での良好な人間関係を求めている傾向があります。日本貿易振興機構(ジェトロ)が就職活動中のタイ人に実施したヒアリング調査では、「職場の上司や仕事仲間との人間関係が長く勤めたいと思う決め手」と回答していました。


良好な人間関係が築かれている職場では、仕事へのモチベーションや協力体制が高まり、業務のスピードや成果にも良い影響を与えるといわれています。つまり、タイ人にとって同僚や上司とのコミュニケーションは、仕事の質を左右する大切な要素です。



(4)仕事のミスや失敗に対して寛容な傾向がある

タイ人は、困難な状況に対して「マイペンライ」という言葉を使うことがあります。日本語に翻訳すると、「気にしないで」「大丈夫」「仕方ないよ」などの意味合いです。


この言葉はタイ人の柔軟な姿勢を表しており、仕事でのミスや失敗に対して寛容に考える傾向があります。決してミスを容認しているわけではありませんが、お互いにフォローし合う文化が根付いているようです。


7.タイ人のスタッフとうまく仕事を進める4つのコツ

タイ人のスタッフとうまく仕事を進める4つのコツ

以下では、タイ人のスタッフとうまく仕事を進める4つのコツをまとめました。


(1)家族や宗教の行事への理解ある姿勢を見せる

(2)分かりやすい日本語でコミュニケーションを取る

(3)人前で叱責や注意をしないようにする

(4)日本人の時間感覚について説明する


どのような点を意識することによって、タイ人のスタッフと円滑なコミュニケーションが取れるのか見ていきましょう。


(1)家族や宗教の行事への理解ある姿勢を見せる

多くのタイ人は仏教を信仰しています。2018年の社会文化状況調査データによると、タイ人の約93.5%が仏教徒です。


仏教の教えに基づき、家族を大切にする価値観が根付いています。そのため、家族や宗教の行事への理解ある姿勢を見せるようにしてください。


仕事よりも家族を優先する場面が見られますが、タイ人のスタッフに対して柔軟な対応を心がけることが望ましいです。



(2)分かりやすい日本語でコミュニケーションを取る

日本の文化に関心を持つタイ人は年々増加傾向にあります。2021年度の海外日本語教育機関調査によると、日本語を学習するタイ人は18万3,957人とのデータが出ていました。


しかし、日本での就労を希望する全てのタイ人が流暢な日本語を話せるわけではありません。そのため、タイ人のスタッフとのコミュニケーションは、分かりやすい日本語を用いるのが大切です。



(3)人前で叱責や注意をしないようにする

タイでは、面子が重視される傾向があります。さらに仏教の教えに基づき、怒りや執着を抑えて感情的な態度を避ける傾向が強いです。


そこで、人前での叱責や注意はなるべく控えるようにしましょう。スタッフに何か改善すべき点がある場合、プライベートな空間で穏やかに話し合う必要があります。スタッフのモチベーションを下げないような対応を心がけてください。


(4)日本人の時間感覚について説明する

タイ人に限らず東南アジアの人々は、時間に対して柔軟に考える傾向があります。日本人と比べてみると、「待ち合わせの時間に遅れる」「約束の納期に間に合わない」といった場面も少なくありません。


そのため、タイ人のスタッフに対しては、時間厳守の日本人の時間感覚について丁寧に説明しましょう。仕事の締め切りを細かく設定したり、業務の前倒しをしたりして、スケジュール管理を円滑に進める工夫も有効です。


8.まとめ

タイ人の平均年収は、日本人と比べて大幅に低いのが現状です。業種や地域によって異なりますが、2024年12月時点で約81~82万円とのデータが出ています。


タイ国内と比べて高収入が期待できるため、日本での就労を希望するタイ人は増えました。しかし、「ワークライフバランスを重視する」「仕事よりも家族を大切にする傾向がある」など、タイ人の働き方は日本人と異なる部分があります。


そのため、タイ人のスタッフと一緒に働く際は、文化的価値観への配慮が必要です。ぜひ当記事を参考にしてタイ人の給与事情や仕事観を知り、採用計画に役立ててみてはいかがでしょうか。


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