バングラデシュ人の文化・特徴・国民性は?在日バングラデシュ人の推移や日本とのマナーの違いも解説
- numabukuro4649
- 6月30日
- 読了時間: 15分

バングラデシュは、イスラム文化の影響を受けてきた南アジアの国です。おもてなしの心や年功序列など、日本の文化と似ている面もあります。
この記事では、バングラデシュ人の文化や特徴、国民性についてまとめました。在日バングラデシュ人の推移や、日本とのマナーの違いもご紹介しています。
バングラデシュ人の雇用を検討している企業や人事担当者の参考になれば幸いです。
目次
8.まとめ
1.バングラデシュの基本情報|人口・平均年齢・公用語は?

国名 | バングラデシュ人民共和国 (People's Republic of Bangladesh) |
首都 | ダッカ |
面積 | 約14万7,570平方km |
人口 | 約1億7,642万人 (Macrotrendsに基づく) |
公用語 | ベンガル語(国語) |
民族 | ベンガル人が大多数を占める、チャクマ族を中心とする仏教徒系少数民族が居住 |
宗教 | イスラム教:約91.08% ヒンドゥー教:約7.96% 仏教:約0.61% キリスト教:約0.3% |
平均年齢 | 約29.6歳(中央値) (アメリカ国家情報局に基づく) |
主要な祝日 | ・イード・アル=フィトル ・独立記念日 ・ベンガル暦新年 |
バングラデシュは、南アジアに位置している国です。首都はダッカで、労働力の豊富さや輸出主導の経済など、アジアの中でも急速な経済成長を遂げています。
まずは、バングラデシュの人口や平均年齢、公用語などの基本情報から見ていきましょう。
地理はインドやミャンマーと国境を接し、ベンガル湾に面している
バングラデシュは、インドやミャンマーと国境を接している南アジアの国です。南側は、インド洋の一部であるベンガル湾に面しています。
国土面積は約14万7,570平方km、日本のおよそ4割程度です。ガンジス川やジョムナ川、メグナ川などの河口部に当たり、国土の大部分が海抜10m以下とされています。そのため、洪水やサイクロンなどの自然災害の影響を受けやすいのが特徴です。
国土の大半が熱帯モンスーン気候に属している
バングラデシュの国土の大半は、熱帯モンスーン気候に属しています。熱帯モンスーン気候とは、雨季と乾季(比較的雨が少ない季節)がはっきり分かれており、季節風の影響を強く受けやすい気候のことです。
地域によって多少の違いがありますが、バングラデシュの季節は大きく次の3つに分けられます。
高温多湿の夏季(3月中旬から5月中旬)
降水量が増える雨季(5月中旬から10月中旬)
モンスーン明けの乾季(10月中旬から3月中旬)
首都ダッカにおける平均気温は、高温多湿の夏季で約27℃~29℃です。雨季や乾季は20℃前後と気温が下がり、比較的過ごしやすくなります。
人口は約1億7,642万人、ベンガル人が大部分を占めている
バングラデシュの人口は、2025年時点で約1億7,642万人とのデータが出ています。2023年から約1.89%、2024年から約0.98%増加しました。首都ダッカには、約2,465万人の人口が暮らしています。
また、バングラデシュの民族は、大多数がベンガル人です。ベンガル人は、インド=アーリア系・モンゴロイド・ドラビタなど、長い歴史の中で混血されて形成されました。
ミャンマーとの国境沿いにあるチッタゴン丘陵地帯には、チャクマ族を中心とする仏教徒系少数民族が居住しています。バングラデシュ政府の計画省によると、少数民族の割合は約1%とのことです。
公用語はベンガル語、英語を話せる人もいる
バングラデシュの公用語は、ベンガル語(国語)です。バングラデシュに加えて、インドの西ベンガル州でも話されています。
ベンガル語は、舌を後ろに丸めて発音するレトロフレックス音など、日本語にはない発音を持つ言語です。しかし、主語・目的語・述語の語順が日本語と似ているといわれています。
また、バングラデシュは過去にイギリスの植民地だったため、教育を受けた都市部の国民の中にはビジネスレベルで英語を話せる人も少なくありません。ただし、バングラデシュ全体で見て、流暢に英語を話せる人は中程度にとどまる傾向があります。
出典:バングラデシュ外務省『Assistant High Commission for the People’s Republic of Bangladesh Manchester, UK』(2025)
食文化は炊いたお米が主食、多様なスパイスを使用している
バングラデシュの食文化は、日本と同じように炊いたお米が主食です。副菜として、魚類・野菜類・豆類を使用します。バングラデシュの代表的な料理は、以下の通りです。
ビリヤニ(biriyani):お米と肉類(牛肉・鶏肉・羊肉)の炊き込みご飯
キチュリ(Kichuri):豆や野菜を入れたカレー風味の柔らかい炊き込みご飯
サモサ(samosa):小麦粉の皮の中にスパイシーな具を入れた料理
パロタ/ポロタ(parotta/porotta):南インド発祥の層状フラットブレッド。小麦粉と油を折り込み、薄く伸ばしてからグリドルやフライパンで焼いたもの
クミンやパクチー、ターメリックなど、多様なスパイスを使用した料理が好まれています。主食のお米を中心に、さまざまなおかずを自分のお皿に盛り、混ぜ合わせて食べるスタイルが一般的です。
主要な祝日、イード・アル=フィトルについて
バングラデシュの主要な祝日は、イード・アル=フィトルです。「イード」は祝宴、「フィトル」は断食の終わりを意味しています。
西暦では毎年10日前後ずつ前倒しになるのが特徴で、2025年の場合は3月中旬から4月上旬頃です。イード・アル=フィトルの休みは3日間で、家族一緒に過ごして祝う文化があります。
2.バングラデシュ人の5つの特徴|性格や価値観、国民性は?

ここでは、バングラデシュ人に共通することの多い5つの特徴を解説していきます。
(1)より良い学歴や仕事を目指して多くの若者が競い合っている
(2)家族や友人との絆が強く、人間関係を大切にする傾向がある
(3)国の経済的な問題で、短期的視野で物事を考える傾向がある
(4)フレンドリーでおもてなしの心を持つ
(5)長年の友好関係を通して、親日家が多いとされている
バングラデシュ人の性格や価値観、国民性について詳しく見ていきましょう。
(1)より良い学歴や仕事を目指して多くの若者が競い合っている
バングラデシュは、教育への関心が強い国です。バングラデシュの若者は、より良い学歴や仕事を目指して競い合うなど、学習意欲が強い傾向があります。
バングラデシュの教育制度を大きく分けると、以下の4つです。
就学前教育(Pre-primary)
初等教育(Primary)
中等教育(Secondary)
高等教育(Tertiary)
経済成長が進むにつれて、都市部を中心に教育に費用をかける世帯が増えています。家庭教師をつけたり塾に通ったりして勉強するなど、多くの若者が競い合っています。
(2)家族や友人との絆が強く、人間関係を大切にする傾向がある
バングラデシュ人は、人間関係を大切にする国民性を持っています。中でも家族や友人との絆が強く、結婚後に両親だけではなく祖父母とも深い関わりを持つ家庭も少なくありません。
家族の生活を守るために、海外へ出稼ぎに行く人も多いとされています。親しい関係を築いて助け合ったり支え合ったりする文化が根付いており、バングラデシュの社会の重要な土台だといえるでしょう。
(3)国の経済的な問題で、短期的視野で物事を考える傾向がある
バングラデシュ全体で見てみると経済成長を遂げていますが、貧困やインフラの整備不足などの経済的な問題を抱えています。貧困が長く続いたこともあり、将来の見通しが難しいと感じる人も少なくありません。
加えて雨季のスコールや洪水など、自然災害による影響で計画に支障が出ることも日常茶飯事です。こういった環境により、日々の生活に追われる層は長期的視野ではなく短期的視野で物事を考える傾向があります。
目の前の状況に合わせて判断したり行動したりする人が多く、不確実な環境で生き抜くための知恵だといえるでしょう。
(4)フレンドリーでおもてなしの心を持つ
バングラデシュ人は、社交的でフレンドリーな人が多い傾向があります。来客やゲストに対するおもてなしの心を持っており、初対面でも積極的に距離感を縮めようとする人も少なくありません。
例えば、家に誰かを招き入れる際は、たくさんの手料理やスイーツを振る舞います。こうした精神は幼い頃に両親から意図的に学ぶのではなく、自然と根付いていくバングラデシュ人の文化的特徴だといえるでしょう。
(5)長年の友好関係を通して、親日家が多いとされている
バングラデシュ人は、親日家が多いとされています。親日家が多い理由は、日本がバングラデシュに対してさまざまな援助を行ってきたからです。
これまでに、道路や橋などのインフラ整備、農業やIT分野での技術協力を実施してきました。日本とバングラデシュの歴史は、50年近くに渡ります。長年の友好関係を通して、日本人に好印象を持っているバングラデシュ人が多いようです。
3.バングラデシュの歴史・文化

現在のバングラデシュに当たるベンガル地方は、古くから文明が発達していました。初期はヒンドゥー教や仏教による影響を受けてきましたが、12世紀頃からイスラム化が始まります。1757年のプラッシーの戦いでベンガル支配を強め、その後19世紀に正式なイギリス領となりました。
1947年になると、長年に渡るイギリスのインド支配が終わり、ヒンドゥー地域はインド・イスラム地域はパキスタンに分離・独立します。現在のバングラデシュは、「東パキスタン」としてパキスタンの一部になりました。
1971年4月10日、政治家のムジブル・ラーマンを象徴的な大統領とするバングラデシュ臨時政府が宣言されます。その後、1971年12月16日にパキスタン軍が降伏し、事実上の独立を達成しました。
バングラデシュの文化は、イスラム教の影響を受けながらも、ベンガル地域の歴史や多様な宗教によって発展してきたのが特徴です。現代においても、宗教的な行事や習慣が国民の生活に根付いています。
4.バングラデシュ人の宗教事情

ここでは、バングラデシュ人の宗教事情について解説していきます。
(1)国民の約91%がイスラム教を信仰している
(2)イスラム教に由来する祝日が多い
(3)ヒンドゥー教や仏教、キリスト教を信仰している人もいる
バングラデシュ人がどのような宗教を信仰しているのか、詳しく見ていきましょう。
(1)国民の約91%がイスラム教を信仰している
バングラデシュ人の宗教割合は、以下の表の通りです。
宗教 | 割合 |
イスラム教 | 約91.08% |
ヒンドゥー教 | 約7.96% |
仏教 | 約0.61% |
キリスト教 | 約0.3% |
その他の宗教 | 約0.06% |
国民の約91%がイスラム教を信仰していることが分かります。イスラム教は、アッラーを唯一神とする宗教です。イスラム教徒のムスリムは、5つの義務行為の五行を実践しています。
信仰告白(シャハーダ):「アッラーは唯一神、ムハンマドはその使徒である」と信仰告白をする
礼拝(サラート):1日に5回、メッカの方向に向かって礼拝をする
喜捨(サガート):資産に応じて一定の割合で貧しい人々に財産を寄付する
断食(サウム):ラマダンの月に日の出から日没まで食事や飲み物を断つ
巡礼(ハッジ):一生に一度はイスラム歴第12月に聖地メッカへ巡礼する
しかし、戒律の厳しい中東諸国と比べると、バングラデシュでは教義や戒律の解釈が緩やかな傾向があります。1日に5回お祈りをする人がいれば、そこまで熱心にお祈りをしない人など、信仰の実践度合いはさまざまです。
憲法で宗教の自由が保障されていることからも、バングラデシュのイスラム教徒は「穏健派ムスリム」と呼ばれることもあります。
(2)イスラム教に由来する祝日が多い
ムスリムの多いバングラデシュでは、イスラム教に由来する祝日が多くあります。バングラデシュの代表的な祝日は、以下の通りです。
イード・アル=フィトル:ラマダン(断食)の終了後に祝う3日間の祝日
イード・アル=アドハー:メッカへの巡礼の最終日に合わせて家畜を分け合う犠牲祭
ムハッラム:殉教を記念する儀式が行われるイスラム暦の新年
イスラム教の最大のお祭りであるイードは、日本でいうところのお盆やお正月の期間です。企業や銀行が休業するなど、国全体が祝祭ムードに包まれます。
(3)ヒンドゥー教や仏教、キリスト教を信仰している人もいる
バングラデシュではイスラム教を国教に指定していますが、全ての宗教に平等を定めています。そのため、ヒンドゥー教や仏教、キリスト教を信仰している人もいます。
中でも、バングラデシュでイスラム教に次いで信者数が多い宗教はヒンドゥー教です。ヒンドゥー教に関連する代表的な祭りは、女神ドゥルガーを祝うドゥルガープージャや、春の訪れを祝うホーリーなどがあります。
5.バングラデシュと日本のマナーの違い

ここでは、バングラデシュと日本のマナーの違いを解説していきます。
生活の観点における違い
食事の観点における違い
生活面と食事面の両方の観点から見ていきましょう。
生活の観点における違い
バングラデシュでは、宗教的な配慮が必要です。日本とは違って、イスラム教におけるさまざまな禁忌が定められています。
例えば、イスラム教では利子(リバ)の取得が禁止されているため、銀行では利子の代わりに利益分配型の制度を用いているのが一般的です。偶像崇拝も禁止されており、人物や神像の使用には慎重な姿勢が見られます。
また、バングラデシュでは女性が肌を露出することは好まれていません。肩・膝・脚を覆う服装が推奨されており、街中では多くの女性が肌の露出を控えています。
食事の観点における違い
バングラデシュと日本とでは、食事のマナーに大きな違いがあります。バングラデシュにおける代表的な食事のマナーを見ていきましょう。
食べ物は右手で掴んで食べる(左手は不浄とされている)
おもてなしの文化が根付いており、来客やゲストにたくさんの食事を振る舞う
日本人にとってはなじみのない習慣ですが、バングラデシュ人にとっては手で食べ物を食べる文化が一般的です。しかし、ホテルやレストランでは、フォークやスプーンが用意されていることがあります。
6.バングラデシュ人から見た日本人の印象

バングラデシュはイスラム教圏でありながらも、日本文化への尊敬が強い傾向があります。アジアでも有数の親日国として知られており、さまざまな援助を行って長年に渡って友好関係を築いてきたのが理由です。
バングラデシュ人は日本人に対して、「礼儀正しい」「安全」「清潔」などのイメージを抱いているとされています。特に若年層を中心に、日本へ憧れを持つ人が少なくありません。
7.バングラデシュ人は日本にどれくらい在留している?
ここでは、バングラデシュ人が日本にどのくらい在留しているのか詳しく解説していきます。在日バングラデシュ人や技能実習の在留人数の推移を見ていきましょう。
在日バングラデシュ人の推移【右肩上がりで増えている】
在日バングラデシュ人の推移のグラフはこちらです。
2015年末から2024年末にかけて、右肩上がりで増えていることが分かります。2015年末の時点で、在日バングラデシュ人の人数は1万835人でした。しかし、2024年末には3万5,073人と約3倍にまで上昇しています。
技能実習の在留人数の推移【近年は上昇傾向にあり】
技能実習のバングラデシュ人の在留人数は、2021年末から2024年末にかけて以下のように推移しています。
2021年末時点では、バングラデシュ人の技能実習生は178人でした。しかし、2023年末は1,147人、2024年末は1,736人と上昇傾向にあります。
8.まとめ
バングラデシュの国民の約91%はイスラム教徒です。そのため、イスラム教に関連する文化や習慣、マナーが根付いています。
また、「学習意欲が高い傾向がある」「家族や友人との絆が強い」「おもてなしの心を持っている」なども、バングラデシュ人に多く見られる価値観です。
近年では、日本に在留している在日バングラデシュ人が増加傾向にあります。この記事を参考にバングラデシュ人の文化や特徴を把握し、採用計画に役立ててみてはいかがでしょうか。
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