【初めてでも安心】外国人雇用の完全ガイド|雇用するメリットや手続きの流れ、注意点を徹底解説|外国人・グローバル人材採用|Connect Job
- numabukuro4649
- 4月8日
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更新日:6 日前

人手不足の対策として、外国人の雇用を検討する企業は増えています。しかし、日本人を雇用するのとは手続きが異なるため、どのように外国人を受け入れるべきなのか、戸惑う採用担当者も多いでしょう。
そこで、当記事では外国人を雇用するメリットやデメリット、採用後、雇用中の手続きの流れや注意点を解説しています。外国人労働者の現状や、雇用の際に活用できる助成金についてもまとめました。
外国人採用に興味がある人事や経営者は、ぜひ一度参考にしてみて下さい。
目次
1.外国人労働者の推移と現状
日本では高齢化が進むにつれて、労働人口が減少しています。その影響を受けて、外国人労働者の需要が年々増加しています。
厚生労働省が発表した外国人雇用状況の届出状況によると、外国人労働者の人数は令和6年10月末時点で過去最高値となる230万人を超えました。
「外国人労働者数は2,302,587人で前年比253,912人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多を更新し、対前年増加率は12.4%と前年と同率。」 出典:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』(2024) |
ポストコロナで外国人労働者数は再び増加傾向に
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、2020年当時は外国人雇用が停滞していました。それは入国制限で日本への入国者が減少していたのが理由です。
しかし、ポストコロナで外国人の労働者数は再び増加傾向にあります。以下では、2021年以降の外国人労働者数の推移をまとめました。
年度(10月末) | 外国人労働者数 |
2021年 | 約173万人 |
2022年 | 約182万人 |
2023年 | 約204万人 |
2024年 | 約230万人 |
今後は技能実習制度の見直しや特定活動46号など、外国人の受け入れ政策が促進されるため、さらに採用活動が活発化すると予測できます。
外国人雇用に関する法改正
日本における外国人雇用に関する法改正について
現状や、法改正による影響についてまとめました。
在留資格「特定技能」の創設
日本では、2018年に改正出入国管理法で在留資格「特定技能」が創設されて、2019年4月より外国人を雇用できるようになりました。特定技能とは、労働力が不足している特定産業分野において、外国人の就労が可能な在留資格のことです。
特定産業分野については、国内の人材の確保が難しい介護やビルクリーニング、外食業などを含む16分野を指します。特定技能は1号と2号の2種類で、それぞれの違いは以下の通りです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
在留期間 | 4ヶ月・6ヶ月・1年ごとの更新 | 6ヶ月・1年・3年ごとの更新 |
在留期間の更新上限 | 通算5年まで | 更新の上限なし |
永住権の取得 | できない | 要件を満たせばできる |
技能の水準 | 各特定産業分野の知識または経験が必要な技能 | 各特定産業分野に関する熟練した技能(技能試験で確認が必要) |
家族の帯同 | できない | 条件を満たせばできる |
日本語能力水準試験 | あり | なし |
特定技能1号と特定技能2号の導入で、企業は一定の専門性や技能を有する外国人材を雇用できるようになりました。人材不足が著しい分野において、外国人労働者の活躍が期待されています。
現在では特定技能外国人の受け入れが注目を集めていますが、手続きに関する情報不足や煩雑さが課題として残っています。
技能実習制度で生まれた社会問題
技能実習制度は、国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度です。
技能実習生の受け入れ方には下記の2種類あります。
企業単独型
日本の企業などが海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施。
団体管理型
非営利の監理団体(事業協同組合、商工会等)が技能実習生を受入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する。
計画的に技能実習生を受け入れると、企業には雇用の安定化がもたらされます。しかし、技能実習制度によって次の3つの社会問題が生じています。
低賃金での労働や、残業代未払いの問題が発生
長時間労働の強制で体調を崩す技能実習生が増加
失踪する技能実習生の存在
また、技能実習生は5年以上の就業ができないことから、労働者としてキャリアパスを構築することは難しく、技能実習生の受け入れは本質的な人手不足の解消にはつながりにくことが指摘されています。
技能実習制度の問題点はこちらの記事で詳しく説明しています。ご活用ください。
出典: 法務省『外国人技能実習制度について』(2024)
2.外国人雇用が増加する背景・理由

外国人雇用が増加する背景について、詳しく解説していきます。
少子高齢化による人手不足
日本は、世界的に見ても少子高齢化が進んでいる国です。令和5年10月時点で、65歳以上の高齢者の割合は29.1%とのデータが出ています。
日本国内で、「募集をかけても人材を採用できない」と頭を悩ませている企業は少なくありません。そこで、少子高齢化による人手不足を解消するために、外国人労働者を積極的に受け入れています。
国内で働く外国人労働者の数が増えている現状からも、外国人を雇うハードルが下がっていると考えて良いでしょう。
特定の業界の人手不足
日本国内の特定の業界では、深刻な人手不足に悩まされています。飲食業・運輸業・建設業・宿泊業などが顕著です。
運輸業ではドライバーの減少や高齢化、建設業では若手就業者の不足、宿泊業では海外観光客の急増で人材の補充が追い付かない事態など、他の業界においても人手不足が社会問題となっています。
これらの業界や業種の人手不足を補うために、特定技能制度が発足しました。16の特定産業分野において、一定の専門性や技能を有する外国人労働者の受け入れを目的としています。
それぞれの特定技能の業務範囲や人材基準の詳細は、こちらのページをご覧ください。
3.外国人労働者を雇用するメリット

人手不足により外国人を積極的に採用する企業は増えていますが、メリットとデメリットの両方がある点に注意しなければなりません。まず最初に、外国人労働者を雇用する4つのメリットを見ていきましょう。
労働力不足の解消
外国人雇用の一番のメリットは、労働力不足の解消です。少子高齢化の影響を受け、日本の生産年齢人口(15歳~64歳の人口)は1995年の8716万人をピークに減少しており、2021年には7450万人になっています。また、2065年には4529万人に減少するとの推計が出ております。
採用候補となる人材の絶対数が減少しており、企業はさらに人手不足に悩まされる可能性が高いとされています。
外国人を雇用することによって、人材不足の解消はもちろん、求職者の母数が広がるため企業が望む人材と出会える確率が増加します。
また、人手不足によって長時間労働や連勤などの問題を抱える企業は少なくありません。慢性的に人手が不足している業界では、外国人の雇用が労働環境の改善につながるでしょう。労働環境の改善は、離職を防ぐために欠かせません。
国際市場へのアプローチと企業の成長
海外進出を検討している企業にとって、外国人の雇用が足がかりになります。採用した労働者が現地の言葉や文化を知っていれば、情報収集やマーケティングの力強い味方になり、国際市場へのアプローチにつながるでしょう。
他国の文化を理解して海外に合わせたビジネスを展開すると、企業としても成長できます。他にも、「海外のトレンドを素早く取り入れることができる」「効率的に事業を拡大できる」など、外国人雇用のメリットはさまざまです。
海外へのビジネス展開を検討しているのであれば、関連する国の言語や文化に精通している外国人労働者の採用をご検討下さい。
ハイスキル人材の採用
日本人に加えて外国人も雇用の対象にすることで、ハイスキル人材と巡り合える可能性が高まります。
在留資格「特定技能」の設置によって、特定産業分野における熟練した技能やマネジメント能力を持つ外国人の雇用が可能になりました。特に在留資格「特定技能」を持つ人材については、即戦力としての活躍も十分に期待できます。
また、日本語は習得が非常に難しい言語のひとつで、平仮名・カタカナ・漢字の3種類の文字を使い分ける必要があります。世界的にも難しいと言われている日本語を学び、国境を越えて働きたいと考える外国人は、優秀でバイタリティーがあふれている人が多いことも事実です。
国籍を問わず優秀な人材を確保したい企業は、外国人労働者の採用を選択肢に加えてみましょう。
企業の助成金や支援制度の活用
企業が外国人労働者を受け入れると、助成金や支援制度を活用できる場合があります。外国人を対象にした代表的な助成金制度は、以下の4つです。
雇用調整助成金:雇用の維持を図るための教育訓練や出向に要した費用を助成する制度
キャリアアップ助成金:労働者の意欲や能力の向上など、教育訓練の費用を助成する制度
人材確保等支援助成金:労働環境の向上を図る事業主に対して助成する制度
人材開発支援助成金:労働者のキャリア形成を段階的、または体系的に支援する制度
助成金をうまく活用することによって、外国人の受け入れにかかる初期費用を抑えられます。さらにスキルアップを支援する助成金を受け取れば、従業員全体のレベルアップにもつながるでしょう。
条件や価格など、助成金については記事の後半「外国人を雇用する際に活用できる助成金」でさらに詳しく解説します。
出典:厚生労働省『雇用関係助成金一覧』(2025年3月時点)
4.外国人労働者を雇用するデメリット

以下では、外国人労働者を雇用する際の4つのデメリットをまとめました。
文化や習慣の違いによるコミュニケーション課題
外国人労働者は、人によって日本語の言語レベルが異なります。スムーズに対話できる人もいれば、会話のペースがゆっくりな人もいるなどさまざまです。
特定の業務に対して優秀なスキルを持っていても、うまく意思疎通できないケースは少なくありません。言語の壁でコミュニケーションが円滑にできないと、業務に支障が出る恐れがあります。
また、コミュニケーションの課題において、文化や習慣の違いにも注意が必要です。日本人と外国人とでは善悪や価値観の基準が異なるため、些細なところからトラブルになることもあります。
例えば、時間に対する意識は文化的背景からズレが生じる価値観の一つです。各国の時間感覚を理解せずに対応すると、お互いに誤解が生じて問題へと発展することがあるでしょう。
外国人を雇用する際は、いざ業務を行ってからトラブルにならないよう、労働者の母国に対しての理解を深めたり従業員に周知したりする必要があります。
異文化対応のための受け入れ準備
外国人労働者を受け入れるにあたって、異文化の受け入れに対応できるよう準備しておく必要があります。国籍が異なる従業員への対応が誤っていると、離職率が上がる原因になり得ます。
異文化を理解するために必要なコミュニケーションのポイントは、次の4つです。
言語や文化に関する基礎知識を持ち、積極的に対話を行う
社内のカルチャーギャップを理解し、互いの違いを受け入れて利点に変える
労働者に仕事の手順を理解させながらも、チームへスムーズに融合させる
チームのリーダーは、異なる価値観を理解してマネジメントを行う
既存の従業員へ外国人労働者の母国に関する理解を深めるだけでは不十分です。外国人労働者に対しても、日本の文化や習慣への理解を求める制度改革が必要となります。
雇用に至るまでの時間と労力
日本人を雇用する場合と比較してみると、外国人の場合は雇用に至るまでに時間と労力がかかります。外国人労働者を受け入れる予定の企業は、さまざまな手続きやルールについて把握しなければなりません。
例えば、外国人労働者を雇う際には、業務に必要な日本語レベルを有しているのか確認が必要です。面接での質問や日本語能力試験で、求職者の日本語レベルを測ります。
また、日本人よりも入社に時間がかかるため、外国人労働者を雇用する際は綿密な採用計画を立てたうえで、綿密に連絡を取り合うなど、丁寧な候補者フォローが重要です。
在留資格などの法的義務とその煩雑な書類手続き
外国人を雇用する場合、日本人と比較して書類手続きが増えるため、煩雑と感じる採用担当者も多いでしょう。
外国人労働者に適用される法律は、日本人労働者と大きな違いはありません。例えば、労働基準法や最低賃金法など、労働者を保護するための法律が代表的です。
しかし、在留資格や出入国管理、難民認定法などに関わる法的義務が生じるため、外国人を雇用する場合は、ルールを担当者が把握している必要があります。
外国人を受け入れる前に、雇用のための基礎的な知識を学んでおくのが良いでしょう。それでも難しい場合は、外国人雇用に詳しい人材紹介企業への相談が効果的です。
外国人雇用のメリット、デメリットに関してはこちらの記事でさらに詳しく説明しております。ぜひご活用ください。
5.外国人を雇用する際は、まず在留資格の種類を確認

外国人を雇用する際には、さまざまな手続きが必要です。例えば、海外に住んでいる外国人を日本で雇用する場合、内定後に在留資格認定証明書を地方出入国在留管理官署へ申請しなければなりません。
既に日本で働いている外国人が同業種に転職するケースでは、在留資格の変更は不要です。しかし、転職元と転職先の職種が異なる場合は、在留資格変更許可申請が必要になります。
また、外国人留学生を新卒として採用する際も、在留資格変更許可申請を行わないといけません。つまり、外国人労働者を雇用する予定の企業は、在留資格に関する正しい知識が必要です。
ここでは、外国人を雇用する際の法律や手続きについて、さらに深掘りして解説します。
在留資格とは、外国人が日本に在留している間、一定の活動が行えるように定めた資格のことです。日本での活動範囲や地位を証明するもので、出入国管理および難民認定法に基づいて定められています。
在留資格とビザ(査証)を混同している人は少なくありません。しかし、在留資格は日本に滞在するための資格なのに対して、ビザは日本へ入国するために必要なものです。
また、1人の外国人につき、保有できる在留資格はひとつです。日本での活動内容に変更が生じる場合は、在留資格変更許可の申請を行う必要があります。
ここでは、外国人が持つさまざまな在留資格と、その確認方法について解説していきます。
①就労に制限のない在留資格
外国人が持つ在留資格は、全部で29種類程度です。地位や身分に基づく居住資格と、就労可否の条件が異なる活動資格の2つに大きく分けられます。
就労に制限のない在留資格は以下の4つで、それぞれどのような外国人に該当するのか見ていきましょう。
永住者:法務大臣によって永住が認められた外国人
定住者:法務大臣が特別な理由を考慮して、一定期間の居住を認めた外国人
日本人の配偶者等:日本人の配偶者、もしくは特別養子や日本人の子として出生した外国人
永住者の配偶者等:永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生し、引き続き日本に在留している外国人
永住者の取得条件は、「素行が善良である」「日本で暮らすための収入やスキルがある」「永住が日本国の利益になる」などです。企業の立場に立ってみると、すぐに母国へ帰国するリスクが減るため、永住権を持つ外国人を雇用したいと考えるでしょう。
一方で定住者の在留資格は、6ヶ月・1年・3年・5年といった在留期限があります。在留期限が切れる前に、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で更新手続きが必要です。
これらの在留資格は、いずれも就労に関する制限がありません。制限のない在留資格は、在留カード・パスポート・パスポートの指定書で確認できます。
②活動内容に制限のある制限がある在留資格
上記の項目で解説した4種類の在留資格とは別で、条件が異なる25種類の活動資格があります。25種類の中でも、活動内容に制限のある在留資格は以下の19種類です。
技能実習:技能実習計画に基づいて、技能を要する業務に従事する活動
特定技能:特定産業分野において、熟練した技能が必要な業務
技術・人文知識・国際業務:大学で学んだ知識や母国の会社で培った経験と関連する活動
外交:外国政府の外交使節団や領事機関の構成員としての活動など
公用:外交政府の大使館や国際機関の公務に従事する者としての活動
教授:日本の大学や高校における研究、または研究指導などの活動
芸術:作曲家や著述家、画家など収入を伴う芸術上の活動
宗教:外国の宗教団体から派遣される宣教師、または宗教上の活動
報道:外国の報道機関との契約に基づいて、記者やカメラマンを行う活動
経営・管理:企業の経営者や管理者としての活動
高度専門職:高度学術研究活動や高度経営・管理活動など
法律・会計業務:有資格者が行うべき外国法事務弁護士や外国公認会計士など
医療:有資格者が行うべき医師や歯科医師、看護師など
研究:政府関係機関や公私機関、企業の研究者としての活動
教育:日本の小学校や中学校、高校等において語学教育その他の教育をする活動
介護:介護福祉士の有資格者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動
興行:演劇や演芸、演奏やスポーツなどの興行に関する活動
技能:産業上の特殊な分野に属して、熟練した技能で業務に従事する活動
企業内転勤:外国の事務所から日本の本店や支店に転勤する者
出入国在留管理庁によって、在留資格の種類で活動範囲や在留期間が細かく規定されています。制限がある在留資格の確認方法も、在留カードやパスポートなどです。
在留資格別の具体的な活動や在留期間に関しては、出入国在留管理庁のホームページをご覧になって下さい。
出典:出入国在留管理庁『在留資格一覧表』(2025年3月時点)
③就労不可の在留資格の場合、許可範囲内で活動する必要がある|資格外活動許可とは?
日本に滞在する外国人は、原則的に在留許可の範囲内でのみ活動しなければなりません。中には、以下のように就労できない種類の外国人の在留資格があります。
文化活動:収入を伴わない学術や芸術上の活動を行う在留資格
短期滞在:観光やスポーツを目的とした90日以内の滞在の在留資格
留学:教育機関で教育を受けることを目的とした在留資格
研修:日本の公私機関で技能を修得するための在留資格
家族滞在:在留資格を持つ者の扶養を受ける配偶者や子の在留資格
非就労系の在留資格を持つ外国人が日本で業務を行うと、不法就労として雇用主が処罰の対象になるので注意が必要です。
就労できない在留資格の外国人を雇用する際は、資格外活動許可について確認しておきましょう。資格外活動許可とは、労働目的による滞在が認められていない在留資格の人が制限つきで働くことができる制度のことです。
教育機関で教育を受けることを目的とした在留資格「留学」では、原則として就労できません。しかし、資格外活動許可を取得することで学則による長期休業期間に限り、1日8時間以内、週40時間以内までアルバイトが認められます。
出典:出入国在留管理庁『資格外活動許可について』(2025年3月時点)
なぜ資格外活動許可が重要なのか、いくつかの理由を見ていきましょう。
就労できない外国人が日本での活動範囲を広げることができるため
外国人労働者の権利を保護できるため
資格外活動許可の有無は、在留カードの裏面で確認できます。カードの裏面に、「原則週28時間以内・風俗営業などの従事を除く」と記載されている場合、アルバイトや業務委託などの短時間の雇用が可能です。
ただし、資格外活動許可を取得するに当たって、「在留資格の活動を守っている」「違法な仕事ではない」「素行が不良ではない」などの要件を満たしている必要があります。
6.外国人社員を受け入れる際の手続き

外国人を雇用する際は、日本人とは異なる法的な手続きが必要です。提出する書類も、日本人の雇用とは違いがあります。
外国人雇用に必要な手続きは、労働契約書の作成・社会保険の手続き・外国人雇用状況届出書の作成・在留資格の更新などです。
以下では、それぞれの手続きの詳細や提出書類について詳しく解説していきます。
労働契約書・労働条件通知書の作成
外国人労働者の雇用が決まったら、まず最初に企業は労働契約を締結します。労働契約の締結では、雇用契約書の作成が必要です。雇用契約書とは、労働者と雇用者がお互いに合意したということを証明する書類を指します。
雇用側の企業が雇用契約書を作成し、外国人労働者が内容を確認して記名捺印を行い、1部ずつ保管しましょう。外国人を雇用する場合、「在留資格を取得した際に雇用契約が成立する」という旨を書類に記載しておくのがポイントです。
また、労働契約を締結するに当たり、雇用契約書ではなく労働条件通知書でも構いません。労働条件通知書とは、雇用契約を結ぶ際に交付する労働条件について記載された書類のことです。
出典:厚生労働省『労働条件通知書』(2024)
雇用契約書と労働条件通知書には、給与や業務内容が記載されています。雇用契約書は労働者と雇用者の合意を証明する書類であるのに対し、労働条件通知書は雇用者から労働者への一方的な通知です。
この2つの書類には、次の役割があります。
在留資格の申請に必要な書類になる
外国人労働者とのトラブルの回避につながる
労働基準法では、労働条件通知書の発行が義務付けられています。一方で、労働契約の締結で雇用契約書の発行は義務付けられていません。
しかし、外国人労働者を雇用する際は、お互いに合意した証明になる雇用契約書を作成した方が良いでしょう。外国人労働者が理解できるよう、母国語もしくは英語で書類を作成するのが望ましいです。未然にトラブルを防ぐことができます。
自社で雇用契約書や労働条件通知書を作成するのが難しい場合は、専門の社会保険労務士に依頼してみて下さい。
雇用保険や健康保険などの社会保険の手続き
外国人労働者には、日本人と同じように雇用保険や健康保険などの社会保険が適用されます。
社会保険の手続きは、日常生活で起こるリスクに備える目的で設けられた公的保障制度です。そのため、労働者の国籍に関わらず、条件を満たす事業所は加入する義務があります。
社会保険については、下記の記事で詳しく解説しています。
外国人雇用状況届出書の作成
外国人雇用状況届出書とは、外国人の雇用や離職時に提出が義務付けられている書類のことです。事業所で働く外国人労働者の雇用状況を把握する目的で、2007年に定められました。在留資格の「外交」、「公用」及び特別永住者を除く、すべての外国人労働者が届出の対象になります。
出典:厚生労働省『外国人雇用状況の届出について』(2025年3月時点)
外国人労働者が雇用保険被保険者になる場合とならない場合で、以下のように提出する書類が異なります。
雇用保険被保険者になる場合は、雇用保険被保険者資格取得届を提出する
雇用保険被保険者にならない場合は、外国人雇用状況届出書を提出する
雇用保険に加入する場合は雇用保険被保険者資格取得届が外国人雇用状況の届出を兼ねるため、外国人雇用状況届出書を別途提出する必要はありません。
外国人雇用状況届出書の提出方法は、次の2つです。
外国人労働者が勤務する事業所の住所を管轄するハローワークに提出する
雇用保険被保険者の場合「e-Gov」から、雇用保険被保険者でない場合「外国人雇用状況届出システム」から電子申請する
労働者の雇い入れ日、または離職日の翌月末日までに外国人雇用状況届出書を提出しましょう。
外国人雇用状況届出書については、こちらの記事でさらに詳しく説明しています。ご活用ください。
就労可能な在留資格の申請・更新
外国人労働者が日本で働くには、在留資格(就労ビザ)が必要です。在留資格(就労ビザ)の申請方法は、新規申請と変更申請の2種類があります。
海外に住んでいる外国人を日本に呼び寄せる場合、新規申請(在留資格認定証明書交付申請)が必要です。交付された証明書を海外に住む本人へ送付し、本人は在外日本公館でビザを申請して日本に入国します。その後、就労ビザに対応する在留カードが交付される流れです。
在留資格(就労ビザ)の更新は、大きく次の2パターンに分けられます。
在留期間更新許可申請:勤務先や業務内容に変更がなく、在留期間のみを更新する場合に必要な手続き
在留資格変更許可申請:転職で勤務先や業務内容が変わる場合に必要な手続き
在留期間更新許可申請の申請先は地方出入国在留管理官署で、2週間~1ヶ月で更新できます。申請書は、法務省の公式ホームページからダウンロードしましょう。
出典:出入国在留管理庁『在留期間更新許可申請』(2025年3月時点)
一方で在留資格変更許可申請は、就労ビザの取得と同じで新しい勤務先での業務内容や給与に関する審査があります。審査期間は地方出入国在留管理官署への申請後、2週間から1ヶ月程度です。
転職ではなく同じ職場で業務内容が変更する場合も、在留資格変更許可申請をしなければなりません。在留資格についての詳細は、こちらのページをご覧になって下さい。
7.外国人雇用の具体的な流れ

外国人雇用の具体的な流れは、受け入れ条件の確認・採用活動を進める・入社前準備や就業後のフォローです。必要事項を確認せずに採用すると、「労働者が日本に滞在できない」「企業が法律に違反する」などのトラブルにつながる恐れがあります。
安心して外国人材を迎え入れたいと考えている企業は、雇用の流れをしっかり確認しておきましょう。
採用ターゲットを検討する
外国人労働者を雇用するに当たって、まずは受け入れ条件を確認しなければなりません。業務内容や雇用する期間によって、受け入れられる在留資格が異なります。
外国人労働者を受け入れる際のパターンは、大きく分けると次の3つです。
既に日本で働いている外国人を採用する
外国人の留学生を新卒やアルバイトで採用する
海外に住んでいる外国人を採用して日本で雇用する
既に日本にいる外国人が国内で転職する場合、職種が同じなら現在の在留資格のまま従事できます。転職元と転職先で職種が異なるケースでは、就労資格証明書を申請して在留資格変更許可申請の手続きを進めましょう。
外国人留学生は、原則として就労が認められていません。しかし、本人による在留資格変更許可申請を行うと、新卒として採用できます。また、資格外活動許可を取得している留学生の場合、アルバイトでの採用が可能です。
海外に居住している外国人を採用の対象にすると、国内よりもさらに多くの労働者をターゲットにできます。ただし、海外での採用活動は知識や労力が必要なため、外国人労働者に特化した人材エージェントの活用を検討しましょう。
Connect Jobは海外人材に特化した人材エージェントです。企業様の外国人採用を、採用戦略の立案から入社フォローまで一気通貫でご支援しています。採用したい人材イメージを共有すると、最適なプランの提案を受けられます。まずは下記からお問い合わせください。
採用活動の進め方と方法
外国人労働者を雇用しようと考えている企業にとって、採用活動は頭を悩ませるポイントです。そもそも、企業が雇用できる外国人には条件があります。
日本で雇用できる外国人労働者の条件は、以下の通りです。
在留カードを所持している
日本での就労が認められている在留資格を取得している
在留期限が切れていない
在留資格で認められた範囲内での業務である
自社の業務内容で、外国人労働者を採用できるか事前に確認しておく必要があります。面接を経て内定を出しても、日本で働くことができなければ選考にかかった工数が無駄になってしまいます。
ここでは、外国人の採用活動の進め方と方法について詳しく解説していきます。
人材紹介などアウトソーシングの活用
外国人の採用活動は、人材紹介などのアウトソーシングの活用がおすすめです。自社の業務内容に合わせて、ターゲットを絞った採用活動ができます。
アウトソーシングによる外国人採用のメリットは次の2つです。
ノウハウを持った企業に委託することでコスト削減につながる
独自のネットワークで、自社のみではリーチしにくい外国人材にアプローチできる
法律の専門的な知識を有する企業に依頼する安心感がある
人材紹介会社は在留資格の取り扱いの経験が豊富であり、初めて外国人を雇用する企業や複数人の採用を考えている企業に向いています。
一口に人材紹介会社といっても、大きく分けると「一般紹介・登録型」と「サーチ型」の2種類です。一般紹介・登録型では、登録者のデータベースをもとに条件の合う外国人を紹介してもらえます。一方でサーチ型は、他社の人材データベースや掲示板を活用して候補者を探せるのが魅力です。
人材紹介会社によって紹介できる在留資格や職種が異なるため、ホームページのチェックや資料請求で内容を確認しましょう。
求人広告の配信
求人広告の配信は、外国人労働者を採用する効果的な方法です。現在では、外国人を専門とした求人サイトが増えています。
求人広告で外国人を雇用するメリットを見ていきましょう。
アクティブな外国人が登録している求人サイトに掲載すると、多数の応募獲得が見込める
企業の採用目標に合わせて応募や面接、採用決定までをトータルでフォローしてくれる
アルバイト求人はもちろんのこと、専門職や幹部候補の求人にも対応している
求人サイトの利用は、日本人を募集する場合と大きな違いはありません。しかし、外国人の求職者が自身で応募する形になるため、人材のスクリーニングは自社で行う必要があります。
日本語学校、留学生会への直接アプロ―チ
日本語学校や専門学校、大学や留学生会などの教育機関の中には、外国人留学生の就職を支援しているところがあります。教育機関の就職課にコンタクトを取り、求人情報を掲載して直接アプローチするのも選択肢のひとつです。
企業が求める人材に合わせて、アルバイトや正社員の募集ができます。特に日本語学校を卒業した留学生は、日本語レベルの高さが魅力です。
公的機関の活用
外国人労働者を採用するに当たって、公的機関を活用するのも選択肢のひとつです。例えば、ハローワークでは届出をもとに、雇用管理の改善を試みる事業主への助言や指導、離職した外国人労働者への再就職支援を行っています。
また、外国人雇用サービスセンターでも日本での就労を希望する外国人労働者や外国人留学生に対して、職業相談や職業紹介などの支援を行っています。
出典:厚生労働省『外国人雇用サービスセンター一覧』(2025年3月時点)
外国人の採用活動の進め方で困っている企業は、ハローワークや外国人雇用サービスセンターの活用を検討してみてください。
入社前準備と就業後のフォロー
外国人労働者の採用活動の進め方が決まったあとは、書類選考や面接を実施します。外国人労働者が自社のニーズとマッチしているのか確認しなければなりません。
面接時には学歴や職歴、日本語能力をチェックするのがポイントです。しかし、必ずしも日本語が流暢であるほど、仕事でより大きな成果を出すとは限りません。
そのため、外国人労働者を選考する際は、今までの経験を具体的に確認しましょう。日本語能力が高い応募者であれば、職歴や経験に関する聞き取りがスムーズである場合が多いです。
また、外国人の雇用には、入社前の準備と就業後のフォローも重要です。ここでは、内定を出してから外国人労働者が入社するまでに、どのような準備をすべきなのか解説していきます。
在留カードや健康診断の確認
採用したい外国人労働者の候補が決まったら、在留カードを確認しましょう。在留カードとは、氏名・生年月日・性別・国籍・居住地・在留資格などが記載されている外国人の身分証明書のことです。
就労不可の在留資格をもつ外国人が働くことは違法なので、雇用の手続きの前に確認する必要があります。在留カードの表面には、「就労制限の有無」の欄があります。就労制限の有無の項目と概要は、以下の通りです。
就労不可:直接雇用はできないが、資格外活動許可があれば就労できる
在留資格に基づく就労活動のみ可:一部の制限はあるが、直接雇用ができる
指定書により指定された就労活動のみ可:在留資格「特定活動」の場合に記載される
就労制限なし:特に就労制限がない場合に記載される
外国人労働者が現在持っている在留資格で就労できない場合は、労働契約の締結後に在留資格の変更手続きを済ませましょう。在留カードが偽造されているケースもあるため、場合によっては「在留カード等読取アプリ」や「在留カード等番号失効情報照会」での確認が必要です。
また、外国人労働者を雇い入れる際には、健康診断の実施が義務付けられています。健康診断の受診の指示に疑問を持つ労働者には、労働者の健康管理に必要だという旨を説明しましょう。
健康診断で指定した医療機関が外国語で対応できるのかどうかの確認も必須です。
職場環境の整備と文化の違いへの配慮
外国人労働者は、様々な文化圏から異なる価値観を持って来日します。そのため、外国人を雇用するにあたって、職場環境の設備と文化の違いへの配慮は大切です。
総務省が実施した『高度外国人材の受入れに関する政策評価書』によると、日本の就労環境に短所・課題があると認識する163人が挙げた具体的な短所・課題は以下のような回答でした。
日本の就労環境の短所や課題 | 人数(割合) |
キャリアパスが不明確 | 45人(27.6%) |
昇進、昇格、昇給の基準が不明確 | 42人(25.8%) |
職場の意思決定が遅い | 38人(23.3%) |
英語や母国語で就労できる環境の整備が不十分 | 37人(22.7%) |
遠回しな言い方など仕事の指示が不明確 | 37人(22.7%) |
仕事以外の付き合いが希薄 | 36人(22.1%) |
能力・実績に応じた報酬が得られない | 35人(21.5%) |
長時間残業がある | 32人(19.6%) |
職場の研修制度が不十分 | 28人(17.2%) |
個性、能力、専門性が活かせる職場への配置が困難 | 23人(14.1%) |
メンター制度などの相談体制が不十分 | 22人(13.5%) |
飲み会など業務時間外の付き合いが多い | 13人(8.0%) |
出典:総務省『高度外国人材の受入れに関する政策評価書』(2017)
円滑に業務を進めるには、日本人も外国人も文化や価値観の違いについて理解しなければなりません。外国人労働者が入社する前に、働きやすい環境をつくる努力をしましょう。
住民登録などの生活支援
外国人労働者が3ヶ月を超えて滞在する場合は、住民登録が必要です。求職者本人は、手続きや仕組みについてよく理解していないことがあります。
そのため、企業が住民登録の手続きのサポートをしてあげましょう。市区町村役所の住民登録を受け付けている窓口で申請します。住民登録と併せて、マイナンバーカードの作成を同時に行うのもおすすめです。
また、初めて日本で生活する外国人労働者は、日本での暮らしや文化に慣れていません。「日本のルールを理解できない」「日常生活で何が必要か分からない」など、些細なことがストレスのきっかけになります。
そこで、外国人労働者に対しては、以下のような生活支援を行いましょう。
企業側が労働者の住む場所を準備する(寮や社宅など)
家具や家電など、生活に必要なものを整える
業務や生活で困らないように、日本語習得をサポートする
日本人との交流を促進して日本の文化に触れる機会を設ける
外国人労働者が快適に過ごせる待遇を準備すると、外国人材から選ばれる企業になります。
8.外国人雇用の課題に関する対策

外国人雇用は、日本人の雇用とは異なる部分が多くあります。念入りな準備を行い、外国人を雇い入れる環境を整えないといけません。
そこで、以下では外国人雇用の注意点について解説していきます。外国人を雇う予定の企業が何をすべきなのか見ていきましょう。
法律や最低賃金など複雑なルールを理解する
外国人雇用では、日本人雇用とは異なる法律や手続きがあります。そのため、外国人の雇用に関する複雑なルールを理解しておかないといけません。
例えば、外国人雇用状況の届出を怠ると、約30万円の罰金が科されます。在留資格で認められていない業務に従事させた場合は、不法就労助長罪として3年以下の懲役や300万円以下の罰金が科されることもあります。
出典:法務省『外国人を雇用する事業主の皆様へ』(2025年3月時点)
また、日本人と同様に外国人労働者に対しても、最低賃金や同一賃金を順守しましょう。外国人だからといって、日本人よりも不当に賃金を下げて良いわけではありません。大前提、最低賃金を守らない場合は違法となります。また、賃金に関するトラブルの予兆がある場合、在留資格が取得できないリスクが高まります。
法律に関する手続きで判断に迷った際は、出入国在留管理庁や行政書士に相談してみて下さい。
雇用者と被雇用者の相互理解を深める
外国人労働者に安心して働いてもらうためには、雇用者と被雇用者の相互理解を深めないといけません。厚生労働省は、外国人労働者の雇用管理の改善について、以下の措置が必要だと定めています。
外国人労働者の募集や採用の適正化
適正な労働条件や安全衛生の確保
雇用保険や労災保険、健康保険の適用
適切な人事管理や教育訓練、福利厚生など
解雇の予防や再就職の援助
受け入れ企業と外国人労働者の間で、コミュニケーションが取りやすい環境を整備する対策も必要です。外国人の雇い入れが初めてで不安を感じる企業は、行政書士や人材紹介会社などのプロに委託するのも良いでしょう。
トラブル防止のための就業規則を整備する
外国人労働者を雇用する際は、就業規則を整備しましょう。就業規則の内容を周知することで、トラブルを防止できます。
常時10人以上の労働者を雇用する企業は、作成した就業規則を労働基準監督署に届ける必要があります。外国人労働者の場合は在留資格で業務の範囲が定められているため、在留資格に対応できるように就業規則を修正しましょう。
ただし、外国人労働者専用の就業規則の作成は、原則的に法律で認められていません。そこで、新しい就業規則を作成するのではなく、外国人労働者にも適応できるように見直してみて下さい。
また、外国人が日本の労働法や労働慣行について日本語で理解するのは困難です。理解が不十分なまま働くと従業員同士のトラブルにつながりやすいため、英語もしくは出身国の言語に翻訳された就業規則を用意すると良いでしょう。
出典:e-GOV『労働基準法第八十九条』(2025)
労働者がハラスメントを相談できる体制を整える
外国人の価値観や文化は、日本人とは異なるケースがほとんどです。例えば、「宗教上の理由で食べられない食べ物がある」「禁止されている行為がある」といった文化圏で育った外国人の方がいます。
そのような労働者に対して、日本の文化や価値観を強要することはハラスメント行為にあたります。そこで、外国人を雇用する企業は、労働者がハラスメントを相談できる体制を整えましょう。
外国人ならではの事情に配慮し、より良い職場環境をつくるのがポイントです。採用担当者はもちろんのこと、現場で一緒に働くスタッフも異文化への理解を示さないといけません。
国籍や民族、宗教の違いが原因のハラスメントが発生しないように、日本人労働者向けの研修を実施するのも選択肢のひとつです。
9.外国人を雇用する際に活用できる助成金

外国人労働者を雇用する際には、いくつかの種類の助成金を活用できます。助成金とは、国や地方公共団体から支給される金銭的な給付のことです。
助成金は主に厚生労働省が管轄しており、要件を満たすと返済不要のお金を受給できます。助成金と似た制度の補助金は、主に経済産業省の管轄です。補助金は採択件数や授与金額が定められており、受給するためには審査に合格する必要があります。
外国人の雇用で助成金を活用すると、企業側にとって国際的な人材の確保がしやすくなるメリットがあります。多様なスキルや文化的背景を持つ労働者を獲得できれば、グローバルな競争力の強化につながるでしょう。
ここでは、外国人労働者の雇用で活用できる助成金について詳しく解説します。
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経済上の理由で事業縮小をする際に、従業員の一時休業や出向に対して交付される助成金です。交付される金額は、労働者1人当たり8,635円が上限です。
雇用調整助成金の対象者は、以下の3つを満たす事業主です。
雇用保険に加入している中小企業事業主や労働者
直近の3ヶ月の売り上げや生産量の月平均値が前年よりも10%以上減少している
実施する従業員の休業や出向が労使協定に基づいている
休業の場合は休業等実施計画届、教育訓練の場合は教育訓練の状況を示す就業規則など、都道府県労働局に提出する書類はケースバイケースです。
出典:厚生労働省『雇用調整助成金』(2024)
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の正社員化や有期契約労働者など、処遇改善の取り組みの促進で交付される助成金です。正社員化コースや賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コースを中心にいくつかの種類があります。
国籍に関する条件は設定されていないため、外国人労働者にも適用可能です。雇用保険適用事業所で、キャリアアップ計画を作成して管轄労働局長の受給資格の認定を受けると支給されます。
キャリアアップ助成金の金額は、最大で50万円です。
出典:厚生労働省『キャリアアップ助成金』(2025)
製造業など業種別に活用できる支援金
外国人雇用に関して、特定の業界に特化した支援金も存在します。特定の業界における代表的な支援金は、製造業外国従業員受入事業です。
製造業外国従業員受入事業では、外国人技能実習生や特定技能1号の外国人を雇い入れると、経費の一部を補助してくれます。補助金の額は、1人当たり最大60万円です。
もちろん、製造業外国従業員受入事業は、製造業分野でのみ適用されます。他にも業種別で活用できる支援金はあるので、自社の事業に合うものを探してみて下さい。
出典:経済産業省『製造業外国従業員受入事業』(2023)
まとめ:適切なルール遵守と文化的理解がカギ
外国人を雇用するに当たって、企業側には労働力不足の解消や国際市場へのアプローチなど、さまざまなメリットがあります。しかし、外国人労働者の立場に立ってみると、日本は全くの異国です。
言語はもちろんのこと、文化や価値観も大きく異なります。外国人労働者が安心して働くためには、適切なルール遵守と文化的理解がカギです。
当記事の外国人労働者の雇用に必要な手続きや注意点をきちんと把握し、外国人が定着してもらえる働きやすい職場環境をつくってみて下さい。
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