外国人採用の成功事例集 外国人労働者の受け入れ方法方やポイントまとめ
- Sakura Kimura
- 7月28日
- 読了時間: 13分
更新日：10月15日
日本企業の人手不足を背景に、外国人労働者の受け入れが加速しています。
一方で、「どのように採用・定着を進めればよいのか」「成功する企業の共通点は何か」と悩む担当者も少なくありません。
本記事では、最新の外国人労働者数の動向を踏まえながら、IT・外食・宿泊・建設・自動車整備など、実際に成果を上げている企業の成功事例を紹介します。
外国人採用を検討する企業が押さえておきたいポイントや注意点を、わかりやすくまとめました。
目次
日本における外国人労働者の現状
日本国内において、外国人労働者の受け入れは年々拡大しています。これは少子高齢化による国内の労働力減少が深刻化している現状と、企業のグローバル化への対応の必要性が高まっていることが背景にあります。外国人労働者は日本の産業を支える貴重な働き手となっており、その存在感は今後も増していくでしょう。
日本における外国人労働者数の推移
厚生労働省の発表によると、日本における外国人労働者数は年々増加の一途をたどっています。
2023年10月末時点では204万8,675人となり、過去最高を更新しました。これは、2008年の約48万人と比較すると、約4.2倍の大幅な増加です。
この増加の背景には、国内の生産年齢人口の減少に加え、企業の外国人労働者の受け入れに対するニーズの高まりや、受け入れ制度の見直しなどが挙げられます。特に、2019年4月に新たな在留資格「特定技能」が創設されたことも、外国人労働者数増加の要因の一つと言えるでしょう。
特定技能の外国人労働者数の増加
2019年4月に導入された在留資格「特定技能」は、国内の労働力不足が特に深刻な特定産業分野において、一定の専門性や技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的としています。
この制度の導入以降、特定技能で働く外国人労働者数は著しく増加しており、2024年12月末時点では28万4,466人に達しました。制度開始からわずか5年間で大きな成長を示しており、全在留資格に占める割合も増加傾向にあります。
特定技能は、技能実習とは異なり、人手不足解消を主な目的としているため、企業にとって長期的な人材確保の選択肢の一つとなり得るでしょう。
出典：出入国在留管理庁『受入れ機関の方』（2025年7月現在）
出典：出入国在留管理庁『特定技能制度運用状況（令和６年１２月末）』（2025年7月現在）
外国人労働者数の最新の動向については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
外国人労働者を受け入れた企業の成功事例
外国人労働者の受け入れに積極的に取り組み、成功を収めている企業は数多く存在します。ここでは、様々な分野における企業の具体的な取り組み事例を紹介します。
【IT】インド工科大学から6年連続採用、多様な才能がイノベーションを加速「株式会社デンソー」
自動車部品大手のデンソーは、2018年からインド工科大学（IIT）を中心に高度人材を6年連続で採用しています。
採用後は実践的なOJTで即戦力として活躍しており、将来のグローバルリーダー候補として期待されています。現場では「熱心で最新技術に強い」と評価の声が挙がるなど、外国人採用の成功事例となっています。
この事例の詳細は以下の記事で詳しく紹介しています。インドの高度人材採用にご興味のある企業様は是非ご覧ください。
【外食】インド・ネパールでの越境採用で即戦力50名を採用、組織のダイバーシティ活性化を促進「株式会社HUGE」
レストランを運営するHUGEは、インド・ネパールからホスピタリティを専門に学ぶ人材を50名採用し、組織の活性化に繋げています。経営陣自ら現地に赴き、選考会を実施。入社した外国籍社員はわずか2か月で高い業務スキルを発揮し、即戦力として活躍しています。
また、インド・ネパールでの越境採用は、社内のダイバーシティを促進させる原動力となっています。
以下の記事では、熱意ある人材を見極め、多様性を力に変えるHUGEの採用戦略を紹介しています。外国人採用やグローバルな店舗運営を目指す企業様はぜひご覧ください。
【宿泊】インド・ネパールから42名を一斉採用、若手の意欲が現場の活性化を実現「株式会社ティーケーピー」
ホテル事業を急拡大するティーケーピーは、インド・ネパールからホスピタリティを学んだ若手を42名採用し、事業成長を後押ししています。入社した外国籍社員は、語学力と専門知識を活かしながら、ホテルの現場で活躍しています。また、彼らのハングリー精神や前向きな姿勢は、日本人若手社員にも良い刺激を与えており、組織の活性化に繋がっているようです。
以下の記事では、南アジア越境採用成功の秘訣とConnect Jobの手厚い伴走型サポートについて紹介しています。ぜひご覧ください。
【建設】ネパール現地選考会で10名採用、手厚いフォローで未来を担う中核人材の採用に成功「株式会社吉勝重建」
解体工事業を手がける吉勝重建は、ネパールでの現地選考会で、将来のリーダー候補となりうる人材10名を採用しました。「一緒に働く仲間」としてのイメージを重視して現地で選考会を実施。内定後は、社長自ら内定者と積極的に交流し、辞退者はゼロ、入社後の定着へと繋がっています。
以下の記事では、未来を見据えた中核人材の採用戦略と内定者の心を掴むユニークなフォローアップについて詳しく紹介しています。是非ご覧ください。
【自動車整備】初の海外採用でインドの整備士11名を採用、現場の活性化を推進「株式会社京王バス」
首都圏の暮らしを支える京王バスは、インドで現地選考会を実施し、将来有望な11名の自動車整備士を採用しました。選考では、候補者の高い志と主体性が特に評価され、ポテンシャルの高い人材に出会えたことが1つの成果となりました。
外国籍社員による「新しい風」が、職場に活気を生み、業務をより良く変えてくれると期待が高まっています。
以下の記事では、質の高い人材を見抜いた選考のポイントから、社員の定着を第一に考えた丁寧な受け入れ体制まで詳しく紹介しています。是非ご覧ください。
外国人労働者を受け入れる企業側のメリット
外国労働者の受け入れは、企業が抱える課題を解決し、企業成長のきっかけとなります。ここでは、外国人採用の4つの主要なメリットを解説します。
1. 人手不足の解消
外国人採用は、地方や特定業界の深刻な人手不足を解消する鍵です。彼らの多言語能力や多文化視点は業務効率化や地域活性化にも貢献できます。
2. 海外ビジネスの拡充
多国籍人材の採用は、海外ビジネスの拡充に直結します。彼らの言語力や文化的知見を活し、日本と母国を繋ぎ、グローバル展開の核となる活躍も期待できます。
3. 新たな視点や技術の導入
外国人採用は、国内では確保が難しい優秀なハイスキル人材の獲得を可能にします。彼らの専門技術や新たな価値観は社内に革新をもたらし、事業の競争力を高めることができるでしょう。
4. 採用コストの最適化
助成金を活用すれば、外国人採用の初期費用や研修コストを大幅に削減できます。手厚い受け入れ体制の構築を後押しし、採用後の早期適応と定着率向上を実現することで、コストを最適化し、企業の持続的成長を戦略的に支えます。
外国人労働者を受け入れるメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
外国人労働者を受け入れる企業が注意すべき点
外国人労働者の受け入れは多くのメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。これらの課題に適切に対処することが、外国人材の定着と活躍に繋がります。
1.文化や言語の違い
外国人労働者を受け入れる際にまず直面するのが、文化や言語の違いです。コミュニケーションが円滑に進まないことや、日本のビジネス習慣、価値観の違いから誤解が生じる可能性があります。
企業は、外国人労働者が職場で孤立しないよう、基本的な日本語能力の習得支援や、日本のビジネスマナーに関する研修などを提供することが重要です。
また、日本人社員も異文化理解を深めるための研修などを通じて、相互理解を促進する取り組みが求められます。
出典：厚生労働省『事業者向け受入れ・定着マニュアル ～外国人と一緒にはたらくために～』（2025年7月現在）
2.支援体制の整備
外国人労働者が日本での生活や仕事にスムーズに適応できるよう、企業は適切な支援体制を整備しましょう。
日本で働く外国人を対象としたアンケート調査の結果でも、在留資格に関する手続きのサポート、住居探しや銀行口座開設といった生活面の支援、職場環境や社内ルールの周知などを求める声が挙がっています。これらの取り組みをしっかりと行うことで、外国人労働者は安心して働くことができ、早期離職の防止・長期雇用に繋げられるでしょう。
Connect Jobでは在留資格申請や住居探しなど入社・入国前のサポート、入国後の住民登録、銀行口座開設、入社後の定期面談などの定着支援までを行っております。お気軽にお問い合わせください。
事前ガイダンスのサポートが必要な場合はご相談ください！
出典：厚生労働省『外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針』（2025年7月現在）
3.社会的な適応の課題
職場環境への適応だけでなく、外国人労働者が日本社会における生活全般に適応できるようなサポートも必要です。
言葉の壁や文化の違いから、地域社会との関わりや行政サービス利用に困難を感じる場合もあるため、受け入れ企業は外国人労働者が孤立しないよう、地域情報や生活に必要な情報の提供、相談窓口の設置など、生活面も含めた支援を行いましょう。
公的な支援機関や民間のサポートサービスも活用しながら、外国人労働者が日本社会の一員として安心して生活できる環境を整えましょう。
外国人採用を成功させるためのポイント
外国人労働者の受け入れを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。計画的な取り組みが成功に繋がります。
関連する法律や手続きの理解
外国人労働者を受け入れる際には、出入国管理及び難民認定法（入管法）や労働基準法など、関連する法律や手続きを正確に理解することが不可欠です。
特に、在留資格の種類によって就労可能な業務範囲が定められているため、雇用する外国人材が持つ在留資格と任せる業務内容が合致しているかを確認する必要があります。不適切な雇用は不法就労に繋がり、企業も罰則の対象となる可能性があるので注意しましょう。
出典：出入国在留管理庁『不法就労防止にご協力ください。』（2025年7月現在）
外国人採用に必要な手続きについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
適切な支援体制の構築
外国人労働者が安心して働き、日本での生活に馴染めるよう、企業は適切な支援体制を構築する必要があります。
具体的には、入社時のオリエンテーション、日本語学習の機会提供、相談しやすい環境づくりなどが挙げられます。
また、文化や習慣の違いから生じる可能性のある問題に対し、企業側が理解を示し、早い段階で対処していくことも重要です。
出典：出入国在留管理庁『外国人雇用はルールを守って適正に』（2025年7月現在）
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長期的なキャリア形成のサポート
外国人労働者が長期的に活躍できるよう、企業によるキャリア形成のサポートが不可欠です。日本人同様にキャリアアップを目指せる環境を整備するため、技能習得や資格取得の支援や、昇進・昇格の機会均等などの取り組みが求められます。
企業が外国人労働者のキャリアパスを共に考え、成長を支援することで、エンゲージメントを高め、貢献意欲を引き出すことに繋がります。
以下の記事では、外国人社員のキャリアプランに寄り添い、採用を成功させた企業の好事例をご紹介します。ぜひご覧ください。
社内コミュニケーションの促進
外国人労働者が職場で孤立することを防ぎ、能力を最大限発揮するためには、円滑な社内コミュニケーションが欠かせません。日本人社員との壁をなくすために、多言語対応のコミュニケーションツールを導入したり、異文化理解のための研修を実施するなど、状況に応じた対策をしましょう。
また、日本人社員が積極的に外国人社員と交流する機会を設けたり、メンター制度を導入したりすることも、良好な人間関係構築に役立ちます。
以下の記事では、外国籍メンター制度を活用した企業様の好事例を紹介しております。ぜひご覧ください。
まとめ
外国人労働者の受け入れは、日本の労働力不足を補うだけでなく、企業の多様性を高め、グローバルな事業展開を後押しする有効な手段です。
しかし、その成功には、関連法規の正確な理解、文化や言語の違いへの配慮、そして外国人労働者が安心して働ける環境整備が不可欠と言えます。
本記事で紹介した企業の成功事例や、外国人採用を成功させるためのポイントを参考に、外国人労働者の受け入れに向けた取り組みを進めていきましょう。
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