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ハイコンテクスト、ローコンテクストとは?日本人の指示が外国人にとって難しい理由と、ビジネスで役立つ実践的なコミュニケーションの方法|外国人・グローバル人材採用|Connect Job

  • 執筆者の写真: Hayato Kuroda
    Hayato Kuroda
  • 4月3日
  • 読了時間: 20分

更新日:4月24日


外国人と打ち合わせする日本人社員

日本企業での外国人採用において、「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」という文化的背景の違いを理解しておきましょう。日本特有の「空気を読む」コミュニケーションスタイルは、多くの外国人材にとって理解が難しく、ミスコミュニケーションや職場でのストレス、さらには早期離職につながる要因となることがあります。


そこで本記事では、ハイコンテクスト文化の特徴を解説し、外国人採用の成功とその後の定着につなげるためのコミュニケーション戦略や職場での具体的な実践方法をご紹介します。ぜひ、多様な人材が活躍できる職場環境の構築にお役立てください。


特に日本企業で外国人を採用・雇用する際、この違いを理解することは非常に重要です。まずは基本的な概念から見ていきましょう。


目次


  1. ハイコンテクストの意味とは?

ハイコンテクストの意味とは?同僚と会話している女性

ハイコンテクスト(high-context)とは、コミュニケーションにおいて背景や文脈の共有されている割合が高い状態を指します。「コンテクスト(context)」とは、背景や文脈を意味する英単語です。


ハイコンテクスト文化では、会話の参加者間で共通認識や背景知識が豊富にあるため、言葉で明示的に伝えなくても「なんとなく」意図が通じることが特徴です。言葉そのものよりも、言葉の裏にある意図や背景情報、非言語コミュニケーション(表情、身振り、間の取り方など)が重視されます。


日本語や日本文化はハイコンテクスト文化の代表例とされており、「空気を読む」「行間を読む」「忖度する」「阿吽の呼吸」「以心伝心」など、言葉に頼らないコミュニケーションを表現する言葉が多く存在します。


ハイコンテクスト文化とは?日本語特有の表現を理解しよう

日本のハイコンテクスト文化には、以下のような特徴があります。

ハイコンテクスト文化では、言葉に頼らない意思疎通が重視されます。明示的な言葉での表現よりも、状況や表情、間などから相手の意図を読み取ることが求められることが多いのです。日本では「空気を読む」能力が社会的スキルとして高く評価され、場の雰囲気を察して適切な言動をとることが期待されます。


また、曖昧な表現の多用も特徴的です。「ちょっと難しいかもしれません」(実際には「できない」の意味)、「検討します」(必ずしも前向きな返事ではない)など、婉曲的な表現が好まれることが多いでしょう。さらに文脈依存の言葉も多く、「大丈夫」「すみません」など、状況によって意味が大きく変わる言葉が頻繁に使われます。


例えば「大丈夫」という言葉は、文脈によってさまざまな意味を持ちます:

  • 「もう少し待ってもらえますか?」→「大丈夫です」(はい、待てます)

  • 「この資料を確認してもらえますか?」→「大丈夫です」(確認しておきます)

  • 「お茶はいかがですか?」→「大丈夫です」(いりません)

  • 「ケガしませんでしたか?」→「大丈夫です」(ケガはしていません)


ハイコンテクストな会話の事例:日本企業でよくある場面

ハイコンテクスト文化における典型的な会話例を見てみましょう。


山田さん:佐藤さん、今週の企画書の提出期限は金曜日でしたっけ?

佐藤さん:そうですね、でも部長、早めに目を通したいみたいでした。

山田さん:なるほど、分かりました。ありがとうございます。


部長、早めに目を通したいみたいでした」という佐藤さんの言い方には、次のような暗黙の意味があるかもしれません。

暗黙の意味:

「正式な締め切りは今日だけど、できれば早めに提出したほうがいいかもしれませんよ。」


山田さんが「わかりました」と返したことで、「(佐藤さんの言わんとしていることを理解したので)急いで対応しよう」と考えた可能性があります。


日本のビジネスシーンでは、このように直接的に「急いでください」と言わなくても、相手を気づかう言い回しが使われることがよくあります。これがいわゆる「ハイコンテクストな会話」と呼ばれ、言外の意味をお互い察してコミュニケーションを行う文化的特徴の一例です。


  1. ローコンテクストの意味とは?

ローコンテクストの意味とは?会話をしている外国人社員

一方、ローコンテクスト(low-context)とは、背景や文脈の共有が少ない状態で、言語によるコミュニケーションに重きをおく状態を指します。


ローコンテクスト文化では、伝えたいことを明確かつ直接的に言葉で表現することが重視されます。言外の意味や暗示よりも、言葉そのものの明確さが重要視されるコミュニケーションスタイルです。


アメリカやドイツなどの英語圏やヨーロッパの多くの国々では、ローコンテクストなコミュニケーションが一般的です。これは多様な文化背景を持つ人々が共存する社会においては、共通の文脈や背景知識を前提とできないことが背景にあります。


ローコンテクストな会話の事例

先ほどと同じシチュエーションをローコンテクスト文化で表現すると、次のようになります。


山田さん:佐藤さん、今週の企画書の提出期限は金曜日ですか?

佐藤さん:はい、金曜日が正式な期限です。ただ、部長が早めに目を通したいようなので、できれば水曜日までに提出した方がいいと思います。

山田さん:分かりました。では水曜日までに完成させるようにします。ありがとうございます。


ローコンテクストな会話では、「部長が早めに目を通したい」という状況から「水曜日に提出できるように、急いでください」という結論までを明示的に言葉で伝えています。暗示や含みではなく、直接的に意図を伝えることで誤解を減らすコミュニケーションスタイルです。


  1. なぜ外国人にとって「ハイコンテクスト文化」は難しいのか

なぜ外国人にとって「ハイコンテクスト文化」は難しいのか。仕事に悩む外国人男性社員

日本で働く外国人材、特にローコンテクスト文化圏出身者にとって、日本のハイコンテクスト文化は多くの困難を伴います。その主な理由を見ていきましょう。


理由①複数の意味を持つ単語がある

日本語には、文脈によって意味が大きく変わる言葉が数多く存在します。「よろしくお願いします」「ちょっと」「検討します」などは、状況によって全く異なる意味を持ちます。


例えば「ちょっと」という言葉は、

  • 「ちょっと待って下さい」(少し待って欲しい)

  • 「ちょっと難しいですね」(実際にはかなり難しい、または不可能)

  • 「ちょっといいですか?」(相手の時間を借りたい)


など、文脈によって異なるニュアンスを持ちます。外国人にとって、これらの言葉の背後にある真の意図を理解することは非常に難しいということを理解しておきましょう。


理由②主語や目的語が省略されている

日本語では、主語や目的語が頻繁に省略されます。「行きます」「分かりました」など、誰が何をするのかが文脈から推測されることが一般的です。


一方、英語では文法的に主語と目的語が省略されることはありません。日本語表現では「誰が」「何を」が明確に示されていないため、混乱の原因となります。


特に複数の話題が同時に進行している場合、どの話題に対する返答なのかを判断するのは困難です。


理由③表情から読み取れる情報が少ない

日本人は感情表現やリアクションが控えめな傾向があり、表情の変化が微妙であることが多いです。欧米文化などでは、喜怒哀楽が表情に明確に表れることが多いのに対し、日本文化では「笑顔」がさまざまな感情(喜び、困惑、謝罪など)を表すことがあります。


このため、外国人は日本人の表情やジェスチャーから正確に感情や意図を読み取ることが難しいと感じることがあります。


理由④文化と言語、2つの側面から理解が必要

外国人が日本のハイコンテクスト文化に適応する困難さは、単に日本語という言語の難しさだけでなく、日本文化を深く理解する必要があるという点にあります。語学学習だけでは、コミュニケーションの文化的側面を完全に理解することはできません。


日本語能力試験N1レベルの高い日本語力を持つ外国人でさえ、「空気を読む」ことや「行間を読む」ことに苦労することが少なくありません。文化的背景を知っている人でなければ理解できない日本語表現が出てくるため、注意が必要です。


  1. ハイコンテクスト文化が外国人採用にもたらす問題

ハイコンテクスト文化が外国人採用にもたらす問題

ハイコンテクスト文化は、外国人採用プロセスから職場での日常業務、そして長期的な定着にまでさまざまな課題をもたらします。


採用プロセスで生じるミスコミュニケーション


労働条件に誤解が生じる

採用プロセスにおいて、「残業は少なめです」「休日出勤はほとんどありません」などの曖昧な表現は、外国人には「ほぼない」と解釈されがちです。しかし、日本企業の文脈では「業界平均よりは少ない」程度の意味であることが多いです。


このような労働条件に関する認識の違いは、入社後の大きな失望やモチベーション低下につながることがあります。


求職者の質問への回答が曖昧になる

日本の面接官が「検討させていただきます」と言った場合、実際には「あまり前向きではない」という意味であることが多いですが、外国人にはポジティブな返答と誤解されることがあります。


また、面接中の日本人特有のあいまいな質問(「自己PRをして下さい」「長所と短所を教えて下さい」など)は、外国人求職者にとって何を求められているのか理解しづらく、適切な回答が難しいこともあります。


職場での「空気を読む」文化が外国人社員のストレスに

日本の職場における「空気を読む」文化は、外国人社員に大きなストレスを与えることがあります。例えば、指示の曖昧さは大きな問題となります。「できれば」「なるべく」などの表現は、日本人には「必ずやるべき」という意味が含まれていることもありますが、外国人にはオプションと誤解されがちです。このような指示の認識の違いは、タスクの未完了やクオリティの不一致を招くことがあります。


また、フィードバックの不明確さも課題です。「もう少し工夫した方がいいかもしれません」という表現は、実際には「やり直して下さい」という強い指示であることがありますが、外国人には単なる提案として受け取られることがあります。このギャップは、パフォーマンス評価や能力開発に影響します。

さらに、日本の職場では、明示的に指示されていなくても「やるべきこと」を察することが期待されることがあります。


これが理解できないと、「空気が読めない人」と評価されてしまうことがあります。このようなラベリングは、職場での居心地の悪さや孤立感につながります。


コミュニケーション文化の差から定着しにくく早期離職につながる

コミュニケーションの文化的差異は、外国人社員の職場への定着に大きく影響します。コミュニケーションの壁により、外国人社員が職場で孤立感を感じることは珍しくありません。特に「飲み会」や「雑談」などの非公式なコミュニケーションの場で、微妙なニュアンスや冗談が理解できないことが、この孤立感を強めるケースもあります。


また、評価やフィードバックが曖昧であるため、自分のパフォーマンスや期待されていることが正確に理解できず、キャリア発展の妨げになることも少なくありません。このような不明確さは、職場での自信喪失や将来への不安を引き起こします。


これらの問題が積み重なると、外国人社員は「自分は会社に合っていない」と感じ、早期離職につながることがあります。


  1. 外国人採用を成功させるコミュニケーションのポイント


外国人採用を成功させるコミュニケーションのポイント

外国人採用を成功させるためには、ハイコンテクスト文化の特性を理解した上で、より明確で直接的なコミュニケーション戦略を採用することが重要です。ここでは、採用プロセスから職場での日常的なコミュニケーションまで、実践的なポイントをご紹介します。


求人情報や仕事内容の説明は正しく、明確に記載する

採用プロセスの最初のステップである求人情報の作成から、明確なコミュニケーションを心がけることが重要です。具体的な数字を用いることで、外国人求職者の誤解を減らし、正確な理解を促進することができます。曖昧な表現は避け、以下のように具体的な表現を心がけましょう。


  • 「残業は少なめ」→「月平均残業時間は15時間程度です」

  • 「給与は業界平均」→「月給22万円~25万円、年収340万円~380万円」

  • 「休日は多め」→「完全週休2日制(土日)、年間休日125日」

  • 「柔軟な働き方」→「コアタイム(10:00~15:00)以外は、8:00~19:00の間で出退勤時間の調整が可能です」


また、期待する日本語レベルについても、「日本語能力試験N2以上、ビジネスメールの読み書きと日常会話ができる方」のように具体的に記載することで、入社後のギャップを防ぐことができます。


面接時にも同様に曖昧な表現を避け、次のステップや結果連絡のタイミングを明確に伝えましょう。


暗黙の了解を明文化する

日本企業には、明文化されていないものの「当然」と考えられている暗黙の了解が数多く存在します。これらは日本人にとってはあたりまえのことでも、外国人材にとっては全く新しい概念かもしれません。こうした「見えないルール」を明文化することで、外国人社員の不安やストレスを軽減できるでしょう。


例えば、「報告・連絡・相談」の重要性、会議での発言の仕方、社内でのあいさつの習慣、残業や休日出勤の依頼方法など、日本の職場文化で「暗黙の了解」とされていることを文書化しましょう。入社時のオリエンテーションでこれらを説明する他、マニュアルやハンドブックとして提供したり、同僚が常にサポートしたりすることも効果的です。


カジュアル面談を活用することも有効な手段です。1on1やメンター制度などを活用して、正式な面接とは別に、リラックスした環境で職場の雰囲気や文化について話合う機会を設けることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。特に、既に働いている同国籍の先輩社員との交流の場を設定すると、同じ悩みを乗り越えた先輩からのアドバイスをもらえたりと、より社員にフィットしたサポート提供につながります。


安心して質問できる環境を整える

外国人社員の定着率を高めるためには、「分からないことを質問しやすい環境」が不可欠です。日本文化では「知らないこと」を質問することに躊躇する傾向がありますが、外国人社員にとっては質問こそが文化ギャップを埋める重要な手段となります。


この「質問しやすい環境」を構築するために、定期的な1on1ミーティングの実施が効果的です。上司と部下が定期的に対話する機会を設けることで、業務上の疑問や文化的な違和感について気軽に相談できるようになります。


この1on1ミーティングでは上司側が話過ぎない、断定しすぎないことがポイントです。質問に対しては否定的な反応を避け、「良い質問ですね」「他の人も同じことを疑問に思うかもしれませんね」と肯定的に応答することで、質問しても良いと新入社員が感じられる場づくりを意識してみましょう。


また、メンター制度の導入も有効です。特に入社初期は、業務だけでなく社内文化や暗黙のルールについて質問できる先輩社員をメンターとして割り当てることで、外国人社員の不安を軽減できます。この際、できれば同じ文化的背景を持つ先輩社員や、外国人との協働経験が豊富な社員がメンターになると、より効果的なサポートが期待できます。


外国人社員にとってのメリットを明確に伝えることも重要です。キャリアパス、スキルアップの機会、語学力向上のサポートなど、日本企業で働くことで得られる具体的なメリットを示すことで、長期的な定着意欲を高めることができます。スキルアップにつながる資格取得を推奨し、評価制度に組み込んだり、受験費用を企業が負担するなど、具体的な数字やどう評価につながるかを示すとより効果的です。


  1. すぐに実践できる!職場コミュニケーション改善のための4つの方法

外国人社員が入社した後の職場コミュニケーションを改善するため、すぐに実践できる具体的な方法を紹介します。これらは外国人社員だけでなく、日本人社員同士のコミュニケーションにも役立つ実践的なアプローチです。


外国人社員が質問しやすい環境を整える

外国人社員にとって、指示やフィードバックについて質問できる環境は非常に重要です。「質問は歓迎」という文化を明確に伝え、実践することで、誤解や不安を早期に解消できます。会議やミーティングの最後に必ず「何か質問はありますか?」と尋ねるだけでなく、「このプロジェクトについて不明点はありますか?」「この指示で曖昧な部分はありますか?」など、より具体的に質問を促しましょう。


また、質問カードや確認フレーズ集を作成して共有することも有効です。「~という理解で合っていますか?」「具体的な例を教えていただけますか?」など、質問の仕方が分からない場合でも使えるフレーズ集があれば、外国人社員も質問しやすくなります。質問に対しては否定的な反応を避け、常に肯定的かつ建設的に対応することで、質問を歓迎する文化が根付きます。


重要なことは、質問したことで不利になるのではなく、むしろ積極的な姿勢として評価されるという認識を全社的に共有することです。日々の小さな文化醸成を積み重ねることで、外国人社員も安心して疑問を解消でき、業務の質と効率が向上するでしょう。


具体的な日にちを指定して期日を決める

日本では「なるべく早く」「できるだけ早めに」といった曖昧な表現が多用されますが、外国人社員にとっては解釈が難しい表現です。期限を設定する際は、必ず具体的な日時を指定しましょう。「なるべく早く」ではなく「3月15日の17時まで」と具体的に伝えることで、認識の齟齬を防ぎます。


また、優先順位も数字で明確に伝えると効果的です。「これは重要」ではなく「優先度1位(最優先)」のように、客観的な基準で優先度を示すことで、外国人社員も日本人社員も同じ認識を持ちやすくなります。スケジュール管理ツールを導入し、期限や優先順位を視覚的に共有することも効果的です。


依頼する時は明確な表現で伝える

日本語の依頼表現には、「〜していただけますか」「〜してくれると助かります」など、直接的な指示を避ける傾向があります。これらは丁寧な表現である一方、外国人社員にとっては「必須なのか任意なのか」が判断しづらい場合があります。


依頼する際は、その重要度や必須度を明確にしましょう。「可能であれば」と「必ず」などの曖昧な表現は避け、「このタスクは●日までに必ずお願いします」「このタスクが終わったら、次のタスクをお願いしたいので声をかけてください」など、具体的に伝えましょう。


また、依頼の背景や理由を説明することで、タスクの意義が伝わり、モチベーションも高まります。「なぜこの作業が必要か」を説明することで、「合理的な理由のある依頼」として受け入れられやすくなります。


AI翻訳・文字起こしツールを導入する

ビジネスで活用できるAIを活用した翻訳や文字起こしができるツールが多数あります。会議や重要な説明の際には文字起こしツールを活用し、議事録や要点をテキストで残すことで、聞き逃しや誤解を防ぐことができます。


近年はこうしたツールの精度が向上しており、リアルタイムの会話翻訳や文書翻訳で活用している企業もあります。




専門用語や業界特有の表現については、社内用語集を作成して共有すると効果的です。


また、資料作成時には簡潔で明確な表現を心がけ、図表やビジュアルを積極的に活用しましょう。複雑な概念や手順は、文章だけでなく図表やフローチャートを用いて視覚的に説明することで、言語の壁を超えた理解が促進されます。


翻訳ツールと視覚的な資料を組み合わせることで、齟齬のないスムーズなコミュニケーションにつながるでしょう。



  1. リモートワークにおいても、指示内容が「明確」なローコンテクスト文化は役立つ

リモートワークをする外国人社員

これまで紹介してきた外国人社員とのコミュニケーション改善方法は、リモートワーク環境においても非常に有効です。実はこれらの方法は、外国人社員だけでなく、日本人社員とのオンラインでのコミュニケーションにも大いに役立ちます。


対面でのコミュニケーションに比べて非言語情報が少ないリモート環境では、文化的背景に関わらず、より明確で直接的なコミュニケーションが必要となるからです。


リモートワーク中の外国人社員によくある問題

リモートワーク環境では、ハイコンテクスト文化の課題がさらに顕在化します。対面であれば表情や身振りから読み取れていた情報が減少するため、言葉自体の明確さがより重要になります。例えば、「できたら送って下さい」「近いうちに完成させて下さい」などの曖昧な表現は、対面以上に誤解を生みやすくなります。


また、チャットや電話だけでのコミュニケーションでは「空気を読む」ことがさらに難しくなり、日本人同士でも「なんとなく伝わる」コミュニケーションが成立しにくくなります。これは、日本人社員と外国人社員の双方にとって課題となるのです。


さらに、「なぜこの作業が必要なのか」という背景説明が不足すると、業務の全体像が見えにくく、モチベーション低下につながります。これは国籍に関わらず、リモートワークにおける共通の課題です。


オンラインワークを成功させるためのポイント

リモートワークを成功させるためのポイントは、外国人社員との協働においても、日本人社員同士のコミュニケーションにおいても共通します。タスク管理ツールを活用し、「今日中」ではなく「4月15日の18時まで」のように期限を具体的に設定することは、全ての社員にとって有益です。


定期的なビデオミーティングでの進捗確認も、国籍に関わらず効果的です。日本人社員同士でも、「何か質問は?」という漠然とした問いかけより、「タスクAについて難しい点はありますか?」という具体的な質問の方が、問題の早期発見につながります。


文書化の徹底も、リモートワークにおける重要なポイントです。口頭での指示を文書(メール、チャット)でも残すことは、外国人社員だけでなく、日本人社員間のミスコミュニケーションも防ぎます。重要事項のハイライトや太字表示は、言語や文化に関わらず効果的です。


背景情報の共有も重要です。タスクの背景や目的、全体像を説明することは、外国人材だけでなく全社員のエンゲージメント向上に繋がります。「なぜ」と「どのように」を明確にすることで、チーム全体の一体感と目的意識が高まるでしょう。


つまり、ローコンテクストなコミュニケーションを意識的に取り入れることは、多様な人材が働く現代の職場環境、特にリモートワーク環境において、全てのメンバーにとって価値のある取り組みといえるでしょう。日本人同士であっても、リモート環境では「空気」が伝わりにくいため、外国人社員とのコミュニケーションで培った明確な伝達スキルが大いに役立つのです。


  1. まとめ

日本のハイコンテクスト文化は、外国人採用やその後の活躍推進において課題となることがあります。改善するには、文化的違いを理解し、明確なコミュニケーションを心がけることが重要です。求人情報から日常業務の指示まで、具体的な表現を用い、確認する文化と習慣を構築しましょう。


これらの取り組みは外国人の働きやすさにつながるだけでなく、組織全体のコミュニケーション効率の向上、外国人社員の活躍推進につながります。外国人採用や入社後の定着率改善についてさらに詳しく知りたい方は、Connect Jobの資料ダウンロードやお問い合わせフォームからご連絡下さい。


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