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【2025年版】なぜ日本は人手不足なのか?深刻化の原因・対策と、最新の人手不足業界ランキング | 外国人・グローバル人材採用 | Connect Job

  • 執筆者の写真: Hayato Kuroda
    Hayato Kuroda
  • 4月30日
  • 読了時間: 24分

人手不足の新聞見出し

帝国データバンクが2023年に実施した調査によると、正社員不足を感じる企業が53.4%と、新型コロナウイルスの影響が本格化した2020年4月以降では最も高い水準となりました。特に情報サービス業(72.5%)と建設業(70.4%)では、7割以上の企業が深刻な人材不足を訴えています。


また、非正社員についても不足を感じる企業が30.6%と依然として高水準で推移しており、少子高齢化による労働力人口の減少とあいまって、企業の人材採用は年々難しさを増しています。


本記事では最新の人手不足業界ランキングを紹介しながら、その原因と対策、特に外国人材活用による解決策について詳しく解説します。


目次


  1. 日本の人手不足問題の現状と背景

正社員・非正社員の人手不足割合のグラフ
帝国データバンク『正社員・非正社員の人手不足割合のグラフ(月次推移)』

深刻化する労働者不足の実態とデータ

日本の人手不足問題は年々深刻さを増しています。帝国データバンクの調査によると、2025年1月時点で正社員が「不足している」と回答した企業の割合は53.4%に達し、コロナ禍(2020年4月)以降で過去最高の数値となりました。


非正社員についても30.6%の企業が不足感を示し、1月としては2年ぶりに3割を上回る結果となりました。



少子高齢化がもたらす労働力人口の減少

日本の人手不足の根本的な原因の一つは、急速に進行する少子高齢化です。日本は世界的に見ても少子高齢化のスピードが極めて速く、総務省の人口推計によれば、生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,726万人をピークに減少を続けています。2024年10月時点では約7,373万人と過去最低値を記録し、総人口に占める割合も59.5%まで低下しています。


一方で、65歳以上の高齢者人口は約3,624万人と総人口に占める割合は29.3%と過去最高を更新しています。​2025年には団塊の世代が全て75歳以上となる「2025年問題」を迎えます。この人口構造の変化により、労働力の供給が需要に追いつかない状況が生まれています。



高齢化の推移と将来推計

総務省「令和6年版高齢社会白書」によると、日本の生産年齢人口の比率は2065年時点で約51%まで減少すると推計されています。このまま少子高齢化が進行すれば、労働力不足はさらに深刻化し、経済成長の大きな障害となることが予想されます。


また、厚生労働省の人口動態統計によれば、2023年の合計特殊出生率は1.20と過去最低を記録し、出生数も72万7,277人と過去最少となりました。​このような状況を踏まえると、労働力人口の自然増による人手不足解消は期待しがたい状況です。



2050年に向けた労働人口の長期予測

総務省の人口推計によると、日本の生産年齢人口は2050年には5,275万人まで減少すると予測されています。​


同時に65歳以上の高齢者人口は増加を続け、2050年には総人口の約38.1%を占めるようになります。特に75歳以上の後期高齢者の割合が大幅に増加することで、社会保障制度や医療・介護サービスの需要が高まり、現役世代の負担はさらに増加するでしょう。



職業別の労働力の格差

人手不足問題の背景には、労働市場における需給のミスマッチも大きな要因として挙げられます。就労環境や産業構造の変化により、企業が求める人材と求職者のスキルや希望条件にギャップが生じています。


人材不足の職業

ハローワークが発表している職業別の有効求人倍率を見ると、特定の職種で極端な人手不足が発生していることが分かります。有効求人倍率は、有効求職者に対する有効求人数の割合を示し、1を上回ると人手不足、下回ると人材過剰を意味します。


2025年2月時点での職業別有効求人倍率は以下の通りです。

職業

有効求人倍率

職業計(全体)

1.27倍

土木の職業

7.06倍

介護サービス

3.66倍

特に土木関連の職業では7.06倍と極めて高い数値を示しており、求人に対して求職者が圧倒的に不足していることが分かります。また、介護関係職種も3.66倍と高く、高齢化社会を支える人材の採用が困難な状況となっています。



人材過剰の職業

一方で、一部の職種では求人倍率が1を下回り、人材過剰の状態となっています。

特に一般事務職では0.36倍と極めて低く、求職者が求人数を大幅に上回っています。このように、「求人を出しても採用できない」と困る企業がある一方で、「仕事を探しているのに見つからない」と悩む求職者も存在しており、労働市場の需給ミスマッチが発生しています。



若年層の就労意識と働き方の変化

若い世代の就労意識や働き方の変化も人手不足に影響を与えています。近年では、ワークライフバランスを重視し、自分のスキルや能力を活かせる職場環境や、柔軟な働き方を求める傾向が強まっています。


このような就労意識の変化は、従来型の雇用形態を前提とした産業における人材採用をさらに困難にしています。


  1. 業界別人手不足ランキング

業種別人手不足割合のグラフ
帝国データバンク『業種別人手不足割合』グラフ

最新の帝国データバンクの調査(2025年1月)に基づき、業界別の人手不足状況を見ていきましょう。ここでは、人手不足が特に深刻な業界をランキング形式で紹介します。


1位:情報サービス業(72.5%)—ITエンジニア不足の現実

正社員の人手不足割合が最も高いのは情報サービス業で、72.5%の企業が「人手が不足している」と回答しています。前年同月比では4.5ポイント低下したものの、依然として業種別でトップの状況が続いています。


情報サービス業の人手不足が深刻な理由としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速やAI、クラウドサービスの急速な普及により、IT人材への需要が急増していることが挙げられます。特にシステムエンジニアや開発者、データサイエンティストなどの高度なIT人材が圧倒的に不足しており、企業間での人材採用競争が激化しています。


また、IT技術の進化スピードが速く、常に最新の知識やスキルが求められるため、人材育成が追いつかないという問題も存在します。そのため、即戦力となるIT人材の採用が難しく、プロジェクトの遅延や品質低下などの問題が生じています。


2位:建設業(70.4%)—人材採用難とその背景

建設業は70.4%の企業が人手不足を感じており、情報サービス業に次いで2位となっています。建設業界では、技能労働者の高齢化と若年層の志望者減少が深刻な問題となっています。


2024年4月から施行された時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)の影響も大きく、働き方改革と人件費上昇によって企業の経営負担が増しています。企業からは「仕事量はあるが、働き方改革や人件費上昇の影響で、単に受注すれば良いという考えにならない」(一般電気工事、茨城県)、「職人の高齢化、若手の育成不足のため協力業者が少なくなっている」(土木工事、山口県)などの声が上がっています。


また、建設業界のイメージや賃金水準の問題も若者の入職を妨げる要因となっており、長期的な人材採用に苦戦しています。


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3位:メンテナンス・警備・検査業(66.5%)—労働力不足の要因

メンテナンス・警備・検査業では、66.5%の企業が人手不足を感じています。この業界は労働集約型であり、機械化やデジタル化が難しい業務が多いため、人手不足の影響を直接受けやすい特徴があります。


特に警備業では、高齢化が顕著であり、警備員の平均年齢は50歳を超えています。若い世代の入職が少なく、現場の知識やノウハウの継承が課題となっています。また、24時間体制での勤務が必要なシフト制や、立ち仕事が多いなどの労働環境も若者が敬遠する要因となっています。


メンテナンス業においても、技術者不足が深刻で、設備の維持管理に支障をきたすケースも出ています。ビルや設備の老朽化が進む中、メンテナンス需要は増加傾向にありますが、それに見合う人材採用が追いついていない状況です。


4位:運輸・倉庫業(66.4%)—物流業界の課題

運輸・倉庫業の人手不足割合は66.4%で第4位となっています。EC(電子商取引)市場の拡大に伴い、物流業界の需要は増加していますが、ドライバーや倉庫作業員の採用が追いついていません。

特にトラックドライバーの不足は深刻で、長時間労働や低賃金、不規則な勤務形態などが若者の就業意欲を低下させる要因となっています。2024年問題による労働時間規制の影響も大きく、これまでのような長時間労働を前提としたビジネスモデルの見直しを迫られています。


また、高齢ドライバーの引退が相次ぐ中、若手の新規参入が少なく、ドライバーの平均年齢は上昇傾向にあります。運送業界全体で約28万人のドライバー不足が予測されており、物流の停滞や運賃の上昇など、日本経済全体に波及する影響が懸念されています。


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5位:リース・賃貸業(65.9%)—人手不足の影響

リース・賃貸業では65.9%の企業が人手不足を感じており、第5位となっています。この業界では、営業職や専門知識を持った社員の採用が課題となっています。


リース・賃貸業界は、不動産、建設機械、自動車、IT機器など幅広い分野をカバーしており、それぞれの分野で専門的な知識を持った人材が必要とされます。しかし、専門性の高い人材の育成には時間がかかり、即戦力の採用が難しい状況です。


また、顧客との対面営業や現場確認など、人的対応が必要な業務も多く、人手不足が直接的に売り上げや顧客サービスの質に影響を与えています。業界としての認知度が低く、若年層の関心を集めにくいことも人材採用の障壁となっています。



  1. 企業規模・地域別に見る人手不足の特徴

虫眼鏡とビジネスマンのイメージ

中小企業と大企業における人材採用の格差

東京商工会議所の2023年度調査によると、従業員規模が小さいほど人手不足の深刻度が高く、特に5人以下の小規模企業では「非常に深刻」と回答した割合が20.7%、「深刻」と合わせると75.9%に達しています。一方、301人以上の大企業では「非常に深刻」はわずか2.3%にとどまり、規模による格差が明確に表れています。


小規模企業では人手不足を理由とした「事業継続への不安」も高く、5人以下の企業の約2割が存続の危機を感じています。この格差の背景には、中小企業の知名度の低さ、採用予算の制約、給与水準や福利厚生の差があります。


特に専門的なスキルを持つ人材の獲得競争では、ブランド力や待遇面で優位に立つ大企業に人材が流れやすく、中小企業はより深刻な採用難に直面しています。この状況を打開するためには、中小企業ならではの強みを活かした採用戦略の構築や、独自の人材育成プログラムの開発が求められています。



地方企業が直面する労働者獲得の難しさ

地方企業は都市部の企業と比較して、より深刻な人材採用の課題に直面しています。若年層の都市部への流出が続く中、特に高度な専門スキルを持つ人材の地方定着が困難になっています。雇用機会や給与水準の地域格差に加え、配偶者の転職先の少なさや子どもの教育環境の問題も、UIJターン就職を阻む要因となっています。


特に東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への人口集中は、地方の労働力不足に拍車をかけています。2019年には約15万人の転入超過を記録し、コロナ禍で一時的に減少したものの、再び増加傾向に転じています。特に進学や就職を機に若者が地方から流出し、地方の労働力人口減少を加速させています。


この一極集中は地方の経済力や雇用機会の縮小につながり、さらなる人口流出を招く負のスパイラルを生み出しています。この課題解決には、地方創生策の強化や地域の産業振興、魅力的な雇用創出が不可欠です。同時に、デジタル技術を活用した地域間格差の解消や、地方でも都市部と変わらないキャリア形成ができる環境整備が求められています。


一方、コロナ禍を機に普及したテレワークは地方就業の可能性を広げる契機となりました。また、地方自治体による移住支援策や企業のサテライトオフィス設置も進んでおり、地方企業の人材採用には、こうした働き方の変化や自治体との連携を活かした新たな採用アプローチが重要となっています。


  1. 人手不足が企業経営に与える深刻な影響


人員過不足別の売上高の動向
人員過不足別の売上高の動向

人手不足は、企業経営に多岐にわたる深刻な影響を及ぼしています。ここでは、人手不足が企業にもたらす主な影響と課題について解説します。


売り上げ機会の損失と収益低下の連鎖

人手不足の最も直接的な影響は、売り上げ機会の損失です。十分な人材を採用できないため、受注の制限や営業活動の縮小を余儀なくされるケースが増えています。


中小企業庁の調査によると、サービス業では68.6%、製造業では47.1%の企業が「売り上げ機会の逸失」を人手不足の影響として挙げています。特に飲食業や小売業では、営業時間の短縮や定休日の増加など、営業機会そのものを減らす対応を取らざるを得ない状況も生まれています。


さらに、売り上げ機会の損失は収益の低下を招き、新規投資や事業拡大の余力を奪うという悪循環につながります。このような状況が続くと、企業の成長が阻害され、長期的な競争力の低下を招く恐れがあります。



既存従業員の負担増加・残業時間の増大

人手不足は、既存の従業員の負担増加にも直結します。欠員を補うために残業が恒常化し、従業員一人あたりの業務量が増加する傾向にあります。


調査結果によると、製造業では53.3%、サービス業では44.0%の企業が「残業時間の増大」を人手不足の影響として挙げています。過度な労働負荷は従業員の健康問題やモチベーション低下、ミスの増加につながり、さらには離職の原因ともなります。


特に慢性的な人手不足が続く職場では、「人が足りないから残業が増える」「残業が多いから人が辞める」「人が辞めるからさらに残業が増える」という悪循環に陥りやすく、職場環境の悪化を加速させることになります。



事業縮小や倒産リスク

深刻な人手不足が長期間続くと、最終的には事業の縮小や撤退、最悪の場合は倒産に至るリスクも高まります。特に中小企業では、技術やノウハウを持つ熟練社員の退職や後継者不足により、事業継続が困難になるケースも少なくありません。


東京商工リサーチの調査によると、「人手不足」を倒産の要因とする企業が年々増加傾向にあり、特にサービス業や建設業で顕著となっています。また、人手不足を理由に廃業を選択する中小企業経営者も増加しており、日本の産業基盤の弱体化につながる懸念があります。


事業縮小や倒産は、地域経済や雇用にも大きな影響を及ぼし、特に地方経済においては深刻な打撃となることも少なくありません。



人材定着率の低下・離職率の増加

人手不足は既存社員の業務負担を増加させるだけでなく、離職率の上昇にもつながります。特に若手社員の早期離職は、企業にとって採用コストや教育投資の損失を意味します。


厚生労働省の調査によると、新卒入社後3年以内の離職率は約3割に達しています。この早期離職の原因としては、「仕事内容とのミスマッチ」「職場の人間関係」「労働条件への不満」などが上位に挙げられますが、人手不足による業務負担の増加も大きな要因となっています。


離職率の上昇は新たな採用コストを生み出すだけでなく、組織内の知識やノウハウの喪失、チームワークの低下など、目に見えない損失ももたらします。このような悪循環を断ち切るためには、単なる採用強化だけでなく、職場環境の改善や人材定着に向けた取り組みが重要となります。



  1. 人手不足解消のための効果的な対策10選

握手する社員たち

人手不足の問題は一朝一夕に解決できるものではありませんが、企業がとり得る効果的な対策はいくつか存在します。ここでは、人手不足解消に向けた10の対策を紹介します。


(1)賃金・労働条件改善による魅力ある職場づくり

最も基本的な対策は、賃金や労働条件の改善です。競争が激化する人材市場において、魅力的な報酬体系や福利厚生は重要な差別化要因となります。


具体的には、基本給の引き上げだけでなく、成果に応じたインセンティブの導入や、福利厚生の充実(健康保険、年金、住宅手当など)も効果的です。また、有給休暇の取得促進や残業削減など、ワークライフバランスを重視した労働環境の整備も人材採用に有効です。


特に若い世代の求職者は、単に給与だけでなく「働きがい」や「成長機会」も重視する傾向があるため、キャリアパスの明確化や教育研修制度の充実など、従業員の成長を支援する仕組みづくりも重要です。


(2)女性・シニア層の活躍を促進する働き方改革の推進

女性やシニア層などの活躍推進も重要な対策です。中小企業庁の調査によれば、1995年から生産年齢人口が減少し続けているにもかかわらず、労働力人口が大きく減っていない理由の一つとして、65歳以上のシニアや女性の労働参加率の上昇が挙げられています。


女性の活躍を促進するためには、産休・育休制度の充実や時短勤務、テレワークの導入など、仕事と家庭の両立を支援する制度が重要です。また、復職支援プログラムや再雇用制度の整備も、出産や育児を機に離職した女性の職場復帰を後押しします。


シニア層の活用については、定年延長や再雇用制度の整備に加え、体力面への配慮や柔軟な勤務形態の提供が有効です。シニア層の持つ豊富な経験やノウハウは企業にとって貴重な資産であり、それらを次世代に伝承する仕組みづくりも重要となります。


(3)兼業・副業許可によるフレキシブルな働き方の実現

兼業・副業を許可することで、多様な人材を採用する取り組みも増えています。終身雇用が一般的だった時代には多くの企業が副業を禁止していましたが、近年では柔軟な働き方への対応として、副業を許可する企業が増加しています。


副業を許可することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 収入増や自己実現を求める人材の採用・定着につながる

  • 社外での経験を通じて従業員のスキルアップや視野拡大が期待できる

  • 短時間での雇用を希望する人材など、多様な働き手を採用できる

  • 社外の知見やネットワークを活かしたイノベーションが期待できる


ただし、副業解禁に際しては、労働時間管理や健康管理、情報管理などの課題にも対応する必要があります。就業規則の整備や社内ルールの明確化、労務管理体制の構築などが重要となります。


(4)リスキリングによる既存人材の能力向上と適材適所の配置

時代の変化に伴い、企業に求められるスキルや能力も変化しています。既存の人材のスキルをアップデートし、新たな業務に対応できるようにする「リスキリング」の取り組みも重要な対策です。


リスキリングとは、異なる職務や新たな分野のスキル獲得を目指す取り組みで、成長領域における新たなビジネスの創出や、より付加価値の高い職務を担う従業員を育成するために行われます。株式会社三菱総合研究所の調査によれば、デジタル技術による自動化・機械化の進展に伴い、一部の職種では人材過剰となるリスクが指摘されており、そうした人材の活用策としてもリスキリングは注目されています。


リスキリングの実施に際しては、従業員の適性や希望を考慮しつつ、企業の将来ビジョンに沿った形で教育訓練を行うことが重要です。また、単発の研修ではなく、継続的な学習機会の提供や、学んだスキルを実践する場の確保も成功のカギとなります。


(5)業務プロセス見直しによる効率化の徹底

人手不足に対応するためには、業務プロセスの見直しによる効率化も重要な対策です。必要以上に手間をかけ過ぎている業務を見直すことで、少ない人員でも効率的に成果を上げることが可能になります。

特に重要なのは、現状の業務フローを可視化し、改善方法や改善箇所を明確にすることです。


改善箇所を洗い出すのが難しい場合は、社外の専門家の意見を取り入れることで、新たな視点から課題や問題点を発見できることもあります。


(6)アウトソーシング活用による業務負担の適正化

自社のコア業務に集中し、周辺業務は外部に委託するアウトソーシングの活用も有効な対策です。アウトソーシングとは、社内の業務の一部を外部に委託することで、自社に不足している人材やサービスを外部から調達する手法です。


アウトソーシングの対象となる主な業務としては、各種事務業務や受付、コールセンター、営業など非常に多岐にわたり、実行することで自社の中核業務に人材を集中させることができる他、専門業者のノウハウを活用した業務品質の向上や固定費を変動化させることでコスト削減に繋げられる可能性もあります。


一方アウトソーシングにも課題はあります。委託内容の明確化や品質管理、情報セキュリティ対策などに注意を払い、適切なパートナー選びと管理体制の構築が重要です。


(7)DX推進による生産性向上と付加価値業務への集中

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、人手不足対策として非常に効果的です。DXとは、デジタル技術によって業務やビジネスモデルを変革し、企業価値を高めるための取り組みを指します。


具体的なDXの取り組みとしては、以下のような例が挙げられます。

  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による定型業務の自動化

  • AIやチャットボットを活用した顧客対応の効率化

  • クラウドサービスの導入によるデータ管理や業務管理の効率化

  • IoTやセンサー技術を活用した遠隔監視・管理システムの導入


DXの推進により、手作業で行っていた業務をデジタル化・自動化することで、処理を効率化し、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。また、業務のスピードや精度の向上は、顧客満足度や業務品質の向上にもつながります。


さらに、クラウドシステムや各種ITツールの導入により、テレワークなど場所を選ばない柔軟な働き方が可能になり、多様な人材の活用にもつながります。


(8)若手人材の定着率向上と早期離職防止策

若手社員の早期離職は、人手不足をさらに悪化させる要因となっています。離職の背景には仕事内容のミスマッチや人間関係、労働条件の不満やキャリアパスの不透明さなどさまざまです。


そのような若手人材の定着率を向上させるためには、以下のような取り組みが効果的です。

  • 入社前のミスマッチを防ぐための詳細な情報提供

  • メンター制度などによる新入社員の育成・サポート体制の構築

  • 明確なキャリアパスの提示と成長機会の提供

  • 若手社員の意見や提案を積極的に取り入れる風土づくり

  • 定期的な面談やフィードバックによるコミュニケーションの活性化

また、部署を超えたプロジェクトや社内イベントの開催、コミュニケーションツールの活用などにより、社員同士のつながりを深め、組織への帰属意識を高めることも重要です。


(9)多様な人材の活用によるダイバーシティ経営の実践

ダイバーシティ(多様性)の推進は、人手不足解消の有効な手段であると共に、企業の競争力強化にもつながります。多様な背景や価値観を持つ人材を活かすことで、新たな視点やアイデアが生まれ、イノベーションの創出や組織の活性化が期待できます。


ダイバーシティを推進するには単に制度を整えるだけでなく、社内の意識改革も不可欠です。多様性を尊重する企業文化の醸成や、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)への対応など、ソフト面での取り組みも重要となります。


採用におけるダイバーシティについては、下記の記事で詳しく解説しています。


(10)AI・自動化技術導入による省人化の推進

AIや自動化技術の導入は、業務の効率化を加速させ、人手不足の解消に大きく貢献します。単純作業を自動化することで、従業員はより高度な業務に集中できるため、生産性向上にもつながります。


特に近年は、ノーコードやローコードのツールも普及しており、専門的なIT知識がなくても導入できるAIサービスも増えています。初期投資やシステムの習熟期間が必要となる場合もありますが、長期的に見れば、大幅な業務効率化と人件費削減が見込めます。


  1. 外国人材採用による人手不足解決のメリット

外国人社員と話す日本人

深刻化する人手不足対策として、外国人材の採用・活用が注目されています。外国人材の採用は単に労働力不足を補うだけでなく、企業に多くのメリットをもたらす可能性があります。


まず、外国人材は多様な視点と創造性をもたらし、職場の活性化に貢献します。異なる文化や教育背景を持つ人材が新たな発想や解決策を提案することで、イノベーションが促進される可能性があります。また、多言語対応による新規顧客開拓の可能性や、海外展開を見据えたグローバル人材育成の基盤としても重要な役割を果たします。


外国人材採用のより詳しいメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひご参照下さい。



  1. 外国人採用の成功事例

尾崎設計事務所の社員

人手不足解消の有効な対策として注目される外国人採用。ここでは、実際に外国人材を積極的に採用し、成功を収めている企業の事例を紹介します。


ビーネックステクノロジーズ様:インド・ネパールの技術者50名採用

技術者派遣大手のビーネックステクノロジーズは、半導体産業の深刻な人材不足に対応するため、インド・ネパールでの採用活動を開始しました。現地選考会には約1,000名の応募があり、約50名が内定承諾。同社の担当者は「学生一人ひとりの熱量や仕事への覚悟が日本の学生と比べて非常に高い」と評価しています。


成功の鍵は、実際に働く現場メンバーが面接に参加し、「一緒に働く」イメージを具体的に伝えられたことでした。外国人材の採用は単に人手不足解消にとどまらず、多様な視点や創造性をもたらし、企業の競争力強化にも寄与しています。


詳細はビーネックステクノロジーズのインタビュー記事をご覧下さい。


尾崎設計事務所様:外国人採用の実施・AI翻訳ツールを活用した受入

愛媛県の尾崎設計事務所は、地元での採用難に対応するため6年前から外国人採用を開始。現在はベトナム、中国、インド、ネパール、パキスタンなど多様な国籍の技術者が活躍しています。


同社の特徴は「日本語能力にこだわらない採用」と「AI翻訳ツールの活用」です。設計業務は個人作業が多いという特性を活かし、採用時は日本語コミュニケーション能力を必須要件としませんでした。口頭での内容を文字起こし・翻訳するアプリも活用し、言語の壁を最小化しています。尾崎社長は「業務上必要な数学や工学の知識は世界共通であり、想像していた言語の問題は杞憂だった」と述べています。


詳細は尾崎設計事務所のインタビュー記事をご覧下さい。


京王バス様:インド人自動車整備士の採用

京王バスは、自動車整備士の採用難に対応するため、インドでの現地選考会を実施。11名の採用に成功しました。同社の渡邉氏によると、応募者は「非常に志が高く、日本で働く姿を具体的に描いて選考に臨んでいた」という特徴があったとのこと。


同社は外国人材に「新しい風」としての役割も期待しており、安定した環境で変化が少なくなりがちな整備士職場に、新たな発想や視点をもたらして欲しいと考えています。受け入れにあたっては、住居確保やコミュニティ形成などの生活面サポートと、英語マニュアルの準備など業務面での対応も進めています。


詳細は京王バスのインタビュー記事をご覧下さい。


  1. まとめ

日本の人手不足問題は少子高齢化や労働市場のミスマッチなどを背景に深刻化し、情報サービス業と建設業を筆頭に多くの業界で7割近い企業が人材採用に苦慮しています。企業経営には売り上げ機会の損失や生産性低下など多方面に影響がおよび、早急な対策が求められます。


課題解決には賃金改善やリスキリング、DX推進に加え、外国人材の活用も有効な手段です。Connect Jobでは外国人採用に関するさまざまなサービスを提供していますので、人手不足でお悩みの企業はぜひお問い合わせ下さい。



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