就労ビザがある外国人は副業やアルバイト可能?在留資格・特定技能別に見る条件や注意点
- Hayato Kuroda
- 7月24日
- 読了時間: 17分
更新日:11月11日

外国人社員から「副業をしたい」と相談を受けた際、企業の担当者として適切に対応できているでしょうか。
就労ビザや特定技能など、在留資格によって副業・アルバイトの可否は大きく異なります。違法就労のリスクを避けながら、外国人労働者の希望に応えるためには、正確な制度理解が不可欠です。
そこで本記事では、在留資格ごとの副業ルール、資格外活動許可の手続き、企業が注意すべきポイントについて詳しく解説します。適切な知識を身につけることで、外国人労働者との信頼関係を築きながらコンプライアンスを保った人材管理おこないましょう。
外国人の雇用に関する手続きについては以下の記事で網羅的に解説しています。
目次
外国人は副業やアルバイト可能か?

外国人の副業・アルバイトの可否は、その人が持つ在留資格によって大きく左右され、例えば永住者や日本人の配偶者等は自由に副業できますが、特定技能や技能実習の場合は原則として認められていません。
副業やアルバイトの可否は在留資格で決まる
外国人の副業やアルバイトが制限される理由は、在留資格ごとに認められている活動内容が明確に定められているためです。日本に滞在する外国人は入管法によって決められた範囲内でのみ活動が許可されており、この範囲を超えた副業やアルバイトは不法就労に該当してしまいます。
例えば『技術・人文知識・国際業務』の在留資格を持つエンジニアが許可を得ずに飲食店でアルバイトをすると、資格で認められた活動の範囲を超えているため違法になります。
在留資格については以下の記事で詳しく解説しています。
資格外活動許可が必要になるケース
在留資格で認められていない活動を行う場合、入国管理局で「資格外活動許可」を取得すれば、一部の副業やアルバイトが認められることがあります。この許可制度は外国人の多様な働き方を支援する一方、本来の在留目的を逸脱しないよう厳格に管理されているのが現状です。
例えば留学生が学業の傍らコンビニや飲食店でアルバイトをする場合や、家族滞在の資格で日本に暮らす外国人がパート勤務を希望するケースなどが該当します。また文化活動の在留資格を持つ外国人が報酬を伴う業務を行う際にも、この許可が必要です。
ただし全てのケースで許可されるわけではなく、風俗営業関連の業務や、本業に著しく支障をきたすような労働時間での副業は許可されません。また、特定技能や技能実習の外国人については、制度の趣旨から資格外活動許可の対象外となっています。企業担当者は、外国人労働者の副業希望に対し、許可の可否を事前に確認することが重要です。
在留資格別に見る副業・アルバイトの可否

外国人の副業やアルバイトは、在留資格によってルールが大きく異なります。以下の在留資格ごとの可否をもとに、それぞれの具体的な条件を見ていきましょう。
在留資格の種類 | 可否 | 備考 |
永住者・日本人の配偶者等・定住者 | 可能 | 自由に副業可。特別な許可不要 |
技術・人文知識・国際業務などの就労系 | 原則不可 | 同じ専門分野内は可能。範囲外は資格外活動許可が必要 |
特定技能・技能実習 | 不可 | 制度上、副業禁止。資格外活動許可も対象外 |
高度専門職1号 | 条件付きで可能 | 本業に関連する業務は可能。範囲外は資格外活動許可が必要 |
高度専門職2号 | 可能 | 自由度が高く、日本人と同等の扱い |
留学生 | 条件付きで可能 | 資格外活動許可が必要。週28時間まで |
家族滞在 | 条件付きで可能 | 資格外活動許可が必要。週28時間まで |
難民申請中 | 条件付きで可能 | 申請後6か月経過・許可取得後に可能 |
短期滞在・観光 | 不可 | 就労一切禁止 |
以下では、主な在留資格ごとに副業の可否や条件について順に解説します。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合
「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人の副業は、指定された業務以外は原則として認められません。この在留資格では、エンジニアや通訳、経理、企画業務といった専門性の高い業務が対象となっており、これらの範囲内であれば副業も可能です。しかし実際には同じ専門分野での副業機会は限られているため、稀なケースといえるでしょう。
範囲外の業務で副業をする場合は資格外活動許可が必要です。例えば、IT企業でエンジニアとして働く外国人が、週末に飲食店でアルバイトをしたいというケースでは、個別の資格外活動許可が必須です。しかしこの許可は個別審査となるため、本業に支障がない範囲という厳しい条件があり、内容や状況によっては認められないこともあります。
企業担当者としては、外国人社員から副業の相談を受けた際には、まず在留資格で許可されている活動内容かどうかを確認しましょう。範囲外の場合は「資格外活動許可」が必要ですが、その取得は簡単ではないため、制度のハードルやリスクを事前に説明することが重要です。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」については以下の記事で詳しく解説しています。
在留資格「特定技能」の場合
特定技能外国人の副業は原則として禁止されており、これは特定技能制度の根幹に関わる重要なルールです。特定技能は週5日、30時間以上のフルタイム直接雇用が前提となっており、本業以外での労働は一切認められていません。また、特定技能は資格外活動許可の対象外となっているため、許可を取得しての副業もできません。
この背景には、特定技能制度が人手不足分野での安定的な労働力確保を目的としていることがあります。副業を認めてしまうと、本来の業務に支障をきたす可能性があるため、制度上厳格に禁止されています。
企業担当者は、特定技能外国人から副業の相談を受けた場合、明確に不可能である旨を説明する必要があります。もし無許可で副業を行った場合、外国人本人は在留資格の取り消しや強制退去の対象となり、雇用した企業側も不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
特定技能外国人の労働条件については、受け入れ機関として適切な管理を行うことが法的に求められているため、副業に関する正しい理解と指導が不可欠です。
なお在留資格「特定技能」については以下の記事で詳しく解説しています。
高度専門職の場合
ポイント制に基づき、高度人材として認定されると、在留資格「高度専門職」を取得することができます。
高度専門職1号
高度専門職1号では「複合的な在留活動」が認められており、他の就労系在留資格と比べて副業の自由度が高くなっています。「複合的な在留活動」とは、本業のほかに、教育活動・研究・副業など複数の活動を同時に行うことが可能になるという制度です。
本業に関連する内容であれば副業やアルバイトが可能で、この場合は資格外活動許可も不要となります。例えば、IT企業でエンジニアとして働く高度専門職1号の外国人が、関連分野でコンサルティング業務を行うといったケースでは、特別な許可なしに副業ができます。
企業担当者としては、高度専門職1号の外国人から副業の相談を受けた際、まず本業との関連性を確認することが重要です。関連性がある場合でも、本業に支障をきたさない範囲であることを確認し、必要に応じて業務時間や内容の調整について話し合いましょう。
高度専門職2号
高度専門職2号は永住者に近い自由度があり、副業についても制限がほとんどありません。さまざまな分野での副業が認められており、日本人と同様の働き方が可能です。高度専門職2号を取得するには高度専門職1号で3年以上の在留実績が必要で、かつ高いポイントを維持している必要があるため、非常に優秀な外国人材といえるでしょう。
企業にとって高度専門職2号の外国人は貴重な人材であり、副業の自由度の高さも含めて、長期的な雇用関係を築くための魅力的な条件となります。ただし、副業が本業に与える影響については、しっかりとコミュニケーションを取りながら管理していくことが大切です。
高度専門職ビザについては以下の記事で詳しく解説しています。
その他の就労系在留資格の場合
その他の就労系在留資格、例えば「技能」「企業内転勤」「経営・管理」「介護」などについても、副業に関する基本ルールは「技術・人文知識・国際業務」とほぼ同様です。いずれも、在留資格で認められた業務範囲を超える副業やアルバイトは原則として認められていません。
例:
技能(調理師など):本業以外の業務で副業するには、資格外活動許可が必要
企業内転勤:転勤元の海外企業との関連業務に限定されており、副業の選択肢は狭くなる
経営・管理:自ら経営する事業以外の雇用契約による副業は基本的に不可
介護:指定された施設での介護業務以外で働く場合、資格外活動許可が必要
企業がこれらの在留資格を持つ外国人から副業の相談を受けた場合、まず現在の在留資格で認められている業務範囲を正確に把握することから始めましょう。必要に応じて、入国管理局への確認も検討しましょう。
身分に基づく在留資格の場合
身分に基づく在留資格とは、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者といった日本に強い人的・社会的つながりを持つ外国人に付与される資格で、活動に制限がありません。副業・アルバイト共に自由に行えます。コンビニでの接客から正社員としての就職、副業・フリーランス活動まで、すべての職種・雇用形態が認められ、日本人と同様の働き方が可能です。
永住者は日本に永続的に居住することが認められた外国人で、転職や副業についても制限がないのが現状です。日本人の配偶者等や永住者の配偶者等についても、配偶者としての身分に基づく在留であるため、就労制限は設けられていません。定住者も同様で、さまざまな就労が可能です。企業担当者にとって、これらの在留資格を持つ外国人は雇用しやすい人材といえるでしょう。
ただし、本業との兼ね合いや労働時間の管理については、適切に行う必要があります。
留学生の場合
留学生は、資格外活動許可を取得すれば、週28時間までの副業やアルバイトが法的に認められています。この28時間は1週間当たりの上限で、1日当たりの制限は無いものの学業に支障をきたさない範囲での就労が前提です。長期休暇中(春休み、夏休みなど)は1日8時間まで働くことも認められており、より柔軟な働き方が可能となっています。
留学生の資格外活動許可は包括許可となっており、風俗営業関連を除く一般的なアルバイトであれば幅広く認められています。コンビニやレストラン、塾講師、事務補助など、多様な職種での就労が可能です。
企業が留学生をアルバイトとして雇用する際は、必ず資格外活動許可を取得しているかを確認し、週28時間の上限を超えないよう労働時間を管理することが重要です。他社でのアルバイトと掛け持ちしている場合もあるため、合計時間が上限を超えないよう注意しなければいけません。違反した場合、留学生本人の在留資格に影響するだけでなく、雇用した企業も処罰の対象となる可能性があります。
家族滞在ビザでの場合
家族滞在ビザの外国人も、資格外活動許可があれば週28時間まで副業やアルバイトが可能です。家族滞在は、就労系在留資格や留学の在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもが取得する在留資格で、扶養を受けることが前提となっています。
週28時間の制限がありますが、家族滞在の場合は学業の制約がないためより柔軟な時間帯での就労が可能です。ただし、あくまで扶養を受ける立場であることから、本格的な就労ではなく補助的な収入を得る程度の活動が想定されています。
企業が家族滞在ビザの外国人を雇用する際は、資格外活動許可の確認と労働時間の管理が必要です。また扶養者の在留状況が変わった場合も家族滞在ビザにも影響する可能性があるため、定期的な確認をお勧めします。配偶者の転職や帰国などで在留資格が変更になるケースもあるため、継続的な雇用を考える場合は注意しましょう。
家族滞在ビザについては以下の記事で詳しく解説しています。
難民申請中の場合
難民申請中の外国人は、申請後6ヶ月が経過した後、入国管理局から就労許可が出れば副業やアルバイトが可能です。この許可は「特定活動」という在留資格のもとで与えられます。
ただし難民申請中の就労許可は一時的なものであり、申請の結果によって在留状況が大きく変わる可能性があることに注意しなければいけません。申請が認められなかった場合は帰国を求められることもあります。
短期滞在・観光ビザの場合
短期滞在や観光ビザでの副業・アルバイトは一切認められません。これらの在留資格は観光や親族訪問、短期商用を目的としており、就労は完全に禁止されています。期間も90日以内と短期間に限定されているため、継続的な雇用関係を結ぶことはできません。
短期滞在で入国した外国人が就労した場合、不法就労となり強制退去の対象となり、雇用した企業側も不法就労助長罪に問われます。
企業担当者は、外国人を雇用する際に必ず在留カードまたはパスポートで在留資格を確認し、短期滞在でないことを確認することが重要です。短期滞在の場合は在留カードが発行されないため、パスポートでの確認が必要になります。仮に観光目的で来日している外国人から就労の申し出があったとしても、法的に雇用できないことを明確に説明しましょう。
資格外活動許可の取得手続きの方法

外国人労働者が副業やアルバイトを希望する場合、多くのケースで資格外活動許可の取得が必要です。企業担当者として適切にサポートするため、申請の条件や手続きについて確認しておきましょう。
資格外活動許可を得るための条件
資格外活動許可は、本来の在留資格で認められている活動を妨げない範囲で、かつ法務大臣が適当と認める場合に限り許可されます。
資格外活動許可は、以下の条件をすべて満たす場合にのみ許可されます:
本来の在留資格で認められた活動(本業)を妨げない範囲であること
現在の在留資格に係る活動を実際に行っていること(休職中は不可)
法令に違反しない活動であること(風俗営業関連は不可)
素行が良好であること
勤務先(本業)の副業への同意があること
申請する活動内容についても制限があり、法令に違反する活動や風俗営業関連の業務は対象外となります。
【禁止されている活動】
店舗型性風俗特殊営業
無店舗型性風俗特殊営業
電話異性紹介事業
さらに素行が良好であることや、現在の勤務先が副業に同意していることも必要な条件です。
申請に必要な書類
資格外活動許可の申請は管轄の地方出入国在留管理局で行います。申請に必要な書類は以下の通りです。
資格外活動許可申請書
当該活動の内容を明らかにする書類(雇用契約書、仕事内容の説明書など)
在留カード
パスポートまたは在留資格証明書
(申請取次人が代理で行う場合)身分証明書
パスポートや在留資格証明書を提示できない場合、その理由を載せた書類を提出する必要があります。申請取次人が代理で申請する際は、身分証明書も用意しておかなければなりません。
申請の流れと注意点
申請手続きの流れとして、まず必要書類をもとに管轄の出入国在留管理庁で申請を行います。申請から許可通知までは2週間から2ヶ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
【申請手続きの流れ】
必要書類を揃えて申請
審査期間:2週間~2ヶ月程度
許可された場合は通知書が郵送される
資格外活動許可証が交付され、就労可能に
許可された場合は通知書が郵送され、その後資格外活動許可証が交付されます。なお申請に手数料はかかりません。企業としては、外国人労働者が適切な手続きを踏んでいるかを確認し、必要に応じてサポートする体制を整えておきましょう。
外国人労働者が副業・アルバイトを行う際の3つの注意点

外国人労働者が副業やアルバイトを行う際、企業担当者が把握しておくべき重要な注意点があります。トラブルを未然に防ぐため、以下の3点を確実に押さえておきましょう。
勤務先の就業規則を確認する
確定申告書の必要性を確認する
不法就労を防ぐための手続きをする
勤務先の就業規則を確認する
外国人労働者に限りませんが、副業を始める前に必ず確認すべきなのが勤務先の就業規則です。副業禁止規定がある場合はトラブルになることもあるため、事前確認必須となります。
企業側としては、採用時に自社の副業に関する方針を明確に伝えることが大切です。何が副業に該当するのか、どのような手続きが必要なのかを説明し、後々のトラブルを避けましょう。外国人労働者が確認せずに副業を始めてしまうケースもあるため、事前の説明は特に重要になります。
確定申告が必要か確認確認する
副業収入が発生する場合、税務上の手続きも忘れてはいけません。会社員であれば通常は年末調整で税務処理が完了しますが、副業収入によっては確定申告が必要になります。
具体的には、副業で20万円以上の収入が発生した場合、確定申告をしなければなりません。確定申告は必要書類が多く、記入方法も複雑なため、外国人労働者にとってはハードルが高くなります。
企業担当者としては外国人労働者に税務上の注意点を説明し、必要に応じて税理士の紹介などのサポートを検討することが大切です。
不法就労を避けるための手続きをする
非常に重要なのが不法就労を防ぐための適切な手続きです。無許可での副業やアルバイトは不法就労に該当し、外国人労働者は強制退去や罰則の対象となるため、必ず正しい手続きを取らなければいけません。
企業が外国人を副業として雇用する際も、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。この罪は3年以下の懲役もしくは禁錮、または300万円以下の罰金が科される重い処罰です。たとえ在留カードの偽造などで不法就労の事実を知らなかった場合でも、処罰の対象となるため注意が必要です。
そのようなリスクを避けるためにも、以下のポイントは必ず確認しましょう。
業務内容が在留資格で認められているか確認する
資格外活動許可が必要な場合は、外国人本人が取得済みか確認する
特定技能や技能実習の外国人ではないか確認する(副業が禁止されているため)
留学生の場合は資格外活動許可があるか、週28時間を超えていないか確認する
在留カードの真正性を確認する
不法就労助長罪についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
外国人労働者の副業・アルバイトは、在留資格によって可否や条件が大きく異なります。就労系の在留資格では原則として指定業務以外は禁止されており、特定技能外国人は副業自体が認められていません。一方、高度専門職や身分系在留資格では比較的自由度が高くなっています。
重要なのは、適切な手続きなしに副業を行った場合、外国人本人は強制退去、企業は不法就労助長罪に問われるリスクがあることです。資格外活動許可の要否や労働時間の制限など、複雑な制度を正確に理解し、コンプライアンスを保った管理が求められます。
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